吉川晃司、今後1年間は歌わずポリープ治療に専念+2019年2月に“復活&35周年的”武道館公演
吉川晃司が、昨年2017年におこなわれたツアーの追加公演にして実質的なツアー・ファイナルとなる<KIKKAWA KOJI LIVE 2018 “Live is Life”>を1月20、21日の2日間にわたり実施した。会場は昨年11月に完成したばかりの武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナにて、2daysでのべ18,000人を動員した。オフィシャルから到着したレポートをお届けする。
◆吉川晃司 ライブ画像
最初のMCではこんな挨拶。「ツアー、やりたりなかったので、もう1回やらせてほしいとお願いしたら、うまいこと、オリンピックに使われる会場が出来ました。本格的なコンサートは初めてみたいなので、みんなでこけらの落としっこをやろうぜ」── 2020年の東京オリンピックではバドミントンと近代五種のフェンシング、パラリンピックの車いすバスケットボールの会場として使用される予定で、かつて水球選手としてオリンピックを目指していた時期もあった吉川にとっては特別な意味を持つ場所でのライブとなった。
代々木競技場や東京体育館とも共通する楕円形の建物だが、天井が高く広々としており、スケールの大きなステージを展開する吉川にはぴったりの会場と言える。ツアー・ファイナル的な位置付けであり、あえて曲目はあまり変えず、さらなる完成度の高さを追求した集大成的なライブとなった。メンバーも昨年のツアーと同じ菊地英昭(G)、生形真一(G)、ウエノコウジ(B)、湊雅史(Dr)、ホッピー神山(Key)という編成。「素晴らしい友に恵まれたなあということを実感したツアーでした。幸せです」という吉川の言葉からもバンドのメンバーとの絆の深さも見えてきた。バンドのアンサンブルもさらに進化して、表現力も破壊力も増している。
骨太な男っぽい歌と演奏が圧巻だったのは「Milky Way」。今回のステージ、花道がアリーナの中央まで伸びていて、その先端がセンターステージになっている。「Milky Way」の途中からは花道を歩き、センターステージに移動しての演奏。吉川が気持ち良さそうにあたりを見渡しながら歌っている。このセンターステージではピアノと歌のみでの「すべてはこの夜に」、ファルセットのフェイクを駆使した「太陽もひとりぼっち」といったミディアム・バラードも披露されて、深みのある歌声によって、会場内が感動の渦に包まれた。
メインステージに戻っての「SPEED」からはノンストップでの展開。「The Gundogs」「GOOD SAVAGE」では吉川、EMMA、生形のトリプル・ギターによるスリリングな演奏が炸裂。基本的な流れは昨年のツアーの延長線上にあるものだが、「MAJESTIC BABY」「恋をとめないで」といったCOMPLEX時代のナンバーが新たに加わった。「Juicy Jungle」では銀テープが発射され、リストバンド型ライト、FreFlowが色とりどりに点滅して、カラフルな空間が出現した。本編最後の「Dream On」では柔らかさと強靱さを備えた歌声で披露し、シンバルキックでフィニッシュ。
アンコール時のMCではポリープの状況の報告もあった。レアなケースだが、ポリープが小さくなってきたこと、手術するかどうかはまだ未定であること、今後1年間は歌わずに治療に専念すること、楽曲制作など、歌わなくてもいい活動を展開していくことが報告された。
さらに来年2月1日、2日に武道館でのライブが発表されて、盛大な拍手が起こった。「復活&35周年的なものになると思います」とのこと。「吉川の今の歌です」という言葉に続いて披露されたのは『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』エンディング曲であり、絶賛配信中の「The Last Letter」。深みのある歌声とバンドのエモーショナルな演奏が素晴らしかった。アリーナ内がブルーの照明で照らされていて、屋内なのに青空が広がっているかのようだった。「オリンピックまでは歌っていくのが自分の務めだと思います」という言葉に続いてはポセイドン・ジャパンの応援歌として制作した「Over The Rainbow」。アンコール・ラストはツアーでは久しぶりとなるデビューシングル曲「モニカ」だった。現在とデビュー当時とが交錯していくような、みずみずしくも荒々しいステージを展開した。観客もコール&レスポンスで参加。さらにセンター・ステージで歌う吉川のもとにEMMAと生形も加わって、熱狂の渦がどんどん大きくなっていく。集大成の締めくくりにふさわしい熱い熱いエンディングだ。最後はカカト落としでのフィニッシュ。ひとつの区切りをつけた特別な2日間となった。この白熱と感動のステージの模様はLIVE DVD&BDとなって、5月にリリースされる予定なので、参加出来なかった人も追体験することが可能だ。1年間待つ上での必須アイテムにもなっていくだろう。「1年後に笑顔の再会を」という吉川の最後の言葉も印象的だった。真新しい会場での集大成のステージは同時に、新たなる展開の予告でもあった。
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■Photo by 平野タカシ
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