【ライブレポート】元SuGのChiyu、「この先メンバーが、きらきらと輝いていけるように」

2017.12.28 13:44

元SuGのChiyuが12月27日、白金SELENE b2にて毎年恒例の＜Chiyu 聖誕祭LIVE 2017＞を開催した。その一週間前となる12月20日にSuGの解散がオフィシャルサイトで発表されたなか、メンバー内では初めて公の場に立つことになったChiyuがどんな言葉を発するのかにも注目が集まった。

◆Chiyu 画像

会場内に響き渡るSEに合わせて手拍手が起こるなか、まずはドラムとギターが登場。最後にChiyuが登場すると待ちわびたオーディエンスから大きな歓声が上がり、トリオ編成によるライブが幕を開けた。

「最初から楽しもう、行くぞ！」──Chiyu

という掛け声に続いて披露されたのは、ChiyuがSuG以前に組んでいたバンド“ナナ”の楽曲「ロックスターに憧れて」だった。3ピースのストレートなサウンドが心に突き刺さるようだ。ライブは同曲ほか、この日のために用意された新曲や、バンドサウンドにアレンジされたカバー曲などが届けられていく。

自身の決意表明であり「今の気持ちを込めた」というオリジナル曲や、たとえ失敗続きだとしてもグッと飲み込んで前に進もうとする気持ちを描いた「Finger printS」、人は変わり続けられるというメッセージを込めた「Wonder to Oneself」など、スクリーンに映し出される歌詞。Chiyuの強い思いに応えるようにオーディエンスも心を一気に解放していく。

カバーセクションでは、PUFFYの「愛のしるし」を。「PUFFYの亜美さんからカバー演奏許可をいただいた際に、「映像を送って」と言われた」と明かし、ファンに最高のノリを強要（笑）。このリクエストに、間奏でヘドバンの嵐を巻き起こすなどファンも完璧に応えた。

そして、「ファンへの気持ちを書いた」というもうひとつの新曲「Regret」では、涙を肯定して寄り添いつつ、その先の未来を歌う。オーディエンスの体内から不安を叩き出すような歌声は力強く、Chiyuが新たな一歩を踏み出していることが感じられた瞬間だ。

続くアコースティックセクションでは、そのラストにSuGのナンバー「きらきら」を。同曲演奏前には、SuGが活動休止後に改めて解散を発表したことについて触れた。

「活動休止して、こういうやり方(オフィシャルサイトでの解散発表)しか出来なかったSuGですけど、なんて言ったらいいかなぁ……」と、言葉を選びつつ後ろを向き涙をおさえる。「SuGであった10年に後悔は無い」として、言葉を続けた。

「今回１人でライブをやって、バンドの有り難みが分かることもたくさんありました。武瑠みたいに、あんな先陣切ってどんどん切り開いたりは出来ないし、まーたん(masato)みたいに器用じゃないし、yujiみたいに良い曲かけへんし、shinpeiみたいに楽器上手じゃないし……。すごく自分は助けられていたんだなって痛感しました。本当に“SuGを支えていただきありがとうございます”という気持ちと、メンバーそれぞれがこの先、きらきらと輝いていけるようにという思いをこめて、最後に「きらきら」を歌わせてください。こういう素敵な曲を作ってくれたメンバー、素敵な歌詞をつけてくれた武瑠に敬意を込めて」──Chiyu

涙で歌えなくなるたび、感情をグッと押し殺し、優しく思いを届けようとするChiyu。必死に歌い切ろうとするその姿があまりにも印象的だ。胸に手を当てて、絞り出すように最後まで。これまで涙を見せたことのない彼がずっと背負っていたものが、曲を通して伝わってきた。

＜Chiyu 聖誕祭LIVE 2017＞を通して思いを直接オーディエンスに届けたChiyu。深々と頭を下げてステージを後にした彼に万雷の拍手が注がれた。

なお、Chiyuは同ワンマンライブにて、2018年に本格的にソロ活動を始動させること、4月に1stミニアルバムをリリースすること、同作リリースにともなって東名阪ワンマンツアーを開催することを発表した。