【インタビュー】モンストに没入できる秘訣は“音楽”にアリ。モンスト初の単独オーケストラコンサートの魅力も徹底解明
■ 友達とマルチプレイをしたり、いろんな場面で聴いていた曲が
■ オーケストラという形で一度きりの音で追体験できる機会
── では、オーケストラコンサートについてお話を訊かせてください。昨年9月に幕張メッセにて開催されたゲーム×リアルの新感覚LIVEエンターテインメントショーXFLAG PARKにて、<MONSTER STRIKE SYMPHONY>としてフルオーケストラでモンストの楽曲が演奏されました。
桑原:もともと、サウンド自体はある程度オーケストラをベースにして作っているんですが、それを実際に演奏していただけたことが作曲家にとって何よりも嬉しいことなんです。ありがたいお話だと思いましたし、前日のリハーサルの段階からただただ感動してしまって……感謝しかなかったですね。
── たくさんのお客さんも詰め掛けた当日の様子はいかがでした?
桑原:会場のいろんなところで聴かせていただいたんですが、喜んでくださってる方も凄く多かったですし、その光景を目の当たりにしてまた感動しました。
── 現在、<MONSTER STRIKE SYMPHONY>の他にも、これまではゲームに寄り添っていた音楽が単体としても楽しまれてますよね。作曲家として、喜びを感じる場面が増えたようなところもありますか?
桑原:そうですね。オーケストラに限らず、ピアノでちょっと弾いてくださることなんかもとても嬉しいですし。規模に関係なく、曲を演奏してもらえるということは作曲する人間にとって嬉しさしかないんです。そのすべてを聴きに行きたいぐらいですから。こういった機会が多くなっているのは、先人の方たちがいろんな取り組みを積み重ねて広まってきたということがありますので、そこにも感謝したいですし、いい時代の中で作らせていただいてるなと思います。
── そして、4月27日にはすみだトリフォニーホールにて、“MONSTER STRIKE SYMPHONY”をよりパワーアップさせた、初の単独オーケストラコンサートが開催されます。音楽のみにフォーカスして開催されるイベントなわけですが、こういった試みが行われることに関してどう感じられましたか?
桑原:前回の会場が幕張メッセということもあって、あそこでしか表現できないパワーもあり素晴らしかったんですが、繊細で色彩豊かな表現もストレートに届けられるコンサートホールでも再演したいという声を演奏者の方々からもいただいてたんです。生の響きをそのままお届けできる機会は凄く嬉しいですし、演奏してくださる方がいて、聴きに来てくださる方もいて、月並みな表現ですけど、ホントに夢のようなことだと感じています。
── マイクやスピーカーを通さずに感じられる、100人近いオーケストラの音の迫力は凄まじいでしょうね。
桑原:オーケストラは、たくさんの奏者がひとつひとつ丹念に練り上げた音が集まって表現されるので、表現の豊かさとダイナミクスは他に比類のないものです。しかも、生のコンサートはみんなそうなんですが、その一度きりだけで表現される音がある。そこで生まれる奇跡的なパワーや伝わる感動は言葉にならないです。友達とマルチプレイをしたり、いろんな場面で聴いていた曲がオーケストラという形で、一度きりの音で追体験できる機会になりますので、私自身も楽しみですし、たくさんの方に楽しんでいただきたいと思っています。
── モンストをキッカケとして、初めてオーケストラのコンサートに足を運ぶ方も多くいらっしゃると思います。
桑原:オーケストラだけでなく、オペラもそうなんですけど、日本では敷居が高いイメージがありますよね。それは凄く勿体ないことだと感じてまして。私が参加させて頂いているオペラやオーケストラの団体では、いかに気軽に観に来ていただけるか、聴きに来て楽しんでいただけるかを考え、工夫しながら舞台を作っているんです。ですので、モンストの音楽をオーケストラで楽しんでいただける嬉しさもあるんですけど……それに加えて、クラシックやオペラ等、それぞれに良さがありますので、たくさんの人に体験してもらいたいという想いもあるんです。
── ご自身の作曲活動としても、そういった繋がりが生まれる存在になったらいいなと考えていますか?
桑原:小さい頃から映画と映画音楽が大好きで、エンニオ・モリコーネやニーノ・ロータ、ミシェル・ルグラン(フランスの作曲家/ピアニスト/映画監督)、ジョン・ウィリアムズ(アメリカの作曲家/指揮者)、アラン・メンケンなどの音楽には強く惹かれました。クラシックではラヴェルやフォーレ、ブラームス、チャイコフスキーなどが大好きです。私自身、オーケストラ調の曲を作ることが多いのはそれが得意であったり、ゲームに合うモノだということもあるんですけど、そういう私が尊敬する沢山の作曲家の方々からの影響も大きいと思います。このコンサートが何かのキッカケになって、クラシックやオペラのコンサートに行ってみようと思ってくださる人が少しでもいれば嬉しいですし、そういうことにも繋がればいいなと願ってます。
取材・文◎ヤコウリュウジ
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◆ミクシィ木村弘毅氏 メールインタビューへ
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