音楽家・半野喜弘の初監督映画『雨にゆれる女』2つの先行映像に薫る“音楽の力”
パリを拠点に、映画音楽からエレクトロミュージックまで幅広く世界で活躍してきた音楽家・半野喜弘の監督デビュー作『雨にゆれる女』(主演:青木崇高)が11月19日(土)にテアトル新宿にて公開される。これに先駆け、半野喜弘監督自ら編集した2パターンの先行映像が公開された。
◆映画『雨にゆれる女』 先行映像
本作は、濃厚な色彩、優美な旋律、登場人物の息づかい…現代の日本映画には稀な質感の映像で紡ぐサスペンスフルな愛の物語。14年前のパリで、まだ俳優になる前の青木崇高と半野喜弘が出会い、いつか一緒に作品を作ろうと誓い合った。そして10年後の東京で2人は再会し、『雨にゆれる女』は生まれた。
先行映像は劇中のカットを散りばめた映像にそれぞれ全く違うイメージの音楽が重ねられており、2つの側面から映画の本質に迫る内容になっている。「Suspense」の冒頭は男が何かから逃げるような息遣いから始まり太鼓の音が鳴り響く。絶えることのない緊張の連鎖だ。もう一つの「LOVE」は全編に渡って、本作書き下ろしの楽曲「A WOMAN WAVERING IN THE RAIN」が流れる。半野監督がこだわったという、光の加減や映像の一コマに写る色彩の配置。そのひとつひとつを丹念に見せながら、男と女が接する姿がどこか儚く描かれている。
同じ映画作品に対し、音楽でどれだけのアプローチができるかという深い模索がなされている様子が2つの先行映像からも感じ取れる仕上がりだ。映画本編での音楽的な試みがどれだけ深層に及んでいるのかワクワクする映像でもある。映画本編に流れる音楽の魔法はメロディックなものだけに留まらず、効果としての微細な音にも仕掛けられている。
また、今週11月10日(木)にはApple Store GINZAでの記念トークイベントも行なわれる予定だ。こちらには半野喜弘監督のほか、松田広子氏(『雨にゆれる女』プロデューサー)、中井圭氏(映画解説者)が登壇し、音楽家ならではの映像制作についてトークを繰り広げる。
<『雨にゆれる女』公開記念トークイベント@Apple Store GINZA : 映像作家になろう>
■場所 Apple Store 銀座 (〒104-0061 中央区銀座 3-5-12 サヱグサビル本館)
■登壇者 半野喜弘監督、松田広子(『雨にゆれる女』プロデューサー)、中井圭(映画解説者)
映画『雨にゆれる女』
監督・脚本・編集・音楽:半野喜弘 監督・脚本・編集・音楽:半野喜弘
出演:青木崇高 大野いと 岡山天音 / 水澤紳吾 伊藤佳範 中野順二 杉田吉平 吉本想一郎 / 森岡龍 地曵豪 / 十貫寺梅軒
企画・製作プロダクション:オフィス・シロウズ 配給:ビターズ・エンド
(c)「雨にゆれる女」members
2016 年/ 日本/ カラー/ 1:1.85/ 5.1ch/83 分
http://bitters.co.jp/ameyure/
【STORY】 その出会いは、罪。
本名を隠し、”飯田健次”と別人としてひっそりと暮らす男。ある夜、突然男に預けられた謎の女。本当の姿を明かさないまま、ふたりは次第に惹かれ合っていく。しかし、お互いの隠された過去が明らかになるとき、哀しい運命の皮肉がふたりを待ち受けていた ―。
◆映画『雨にゆれる女』 オフィシャルサイト