【インタビュー】VALSHE、復活「“そうまでしても作りたいんだ”っていう自分の気持ち」
VALSHEとして復活の狼煙を上げる第一弾ミニアルバム『RIOT』が7月27日にリリースされる。サウンドプロデューサーとして、作曲家として、デビュー前からサポートし続けてきたminatoとの新ユニットViCTiMが突如活動をストップして約4ヶ月。予期せぬ出来事に一時は失意のどん底に落ちたVALSHEを奮い立たせたものは、音楽への飽くなき欲求だった。
◆「RIOT」ミュージックビデオ1cho.ver
そしてリリースされる作品が『RIOT』だ。止められない衝動をVALSHEは“暴動”と表現した。緊急復活を決めるまでの経緯と心境、minato不在でほぼすべての作曲と歌詞を自身で手がけたミニアルバムについて包み隠さず語ったVALSHEだが、慎重に言葉を選びながらひとつひとつの質問に丁寧に答えてくれた姿が印象的なものとなった。決意に溢れたロングインタビューをお届けしたい。
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■もちろん大変なこともあったけど
■今じゃないと出来なかったアルバムだ!って
──まずはVALSHE復活のいきさつから教えてください。デビュー以前からサウンドプロデューサーでもあったminatoさんとのユニットViCTiMは彼の心身不良により活動がストップしてしまいましたが、急遽、VALSHEとして動くことになった経緯というのは?
VALSHE:今年4月にminatoの様子を見て、今は音楽ができる状態ではないと思って活動休止を決めたんです。そう判断してから3日間は自分自身もドーンと落ちて心身が止まったようになってしまったんですが、少し落ち着いた時に“曲を作りたい” “この気持ちを音楽にしたい”と考えていて……。このまま止まりたくないという気持ちが強かった。“だったら、今回の事態が起こらなかったら、できなかったものを作ろう”と思ったのがいきさつですね。
──不測の事態だったわけですよね。
VALSHE:ええ。ただ、時期は早まったもののVALSHEとしての一時活動休止を発表した段階で、2016年に復活することは決めていたんです。だから“(ViCTiMが)止まってどうしよう”というよりはminatoの状況によって自分自身も3日間は“無”になってしまったという。VALSHEをやると決意してからはすぐに今回のミニアルバムのテーマが決まって、ViCTiMとして作品を制作したことで吸収したこと、ViCTiMを経てVALSHEとして復活した時にやってみたいと思っていたことを全部落とし込もうと思いました。それからすぐスタッフや制作の方にアルバムを作りたいと伝えたのがスタートです。
──minatoさんはVALSHE作品のサウンドプロデューサーであり、大半の作曲を手掛けていましたよね。そういう意味で“どうしたらいいんだろう”と途方に暮れたりは?
VALSHE:正直な話、“どうしたらいいんだろう”とは思わなかったですね。なぜかというと彼がVALSHEのサウンドをプロデュースし、考えていた時期を経て、自分の顔を表に出した転換期(2014年)には“次はこういう曲が欲しい” “こういう映像にしたい”と以前より積極的に発信するようになっていたからなんです。たぶん、minatoは“休憩してもVALSHEなら制作環境も含めて大丈夫だろう”と思ったから、今のような状態になったんじゃないかと、自分はどこかで思っています。
──VALSHEさん自身、今回の出来事があって、自分がこんなにも音楽を作りたい、ライヴをやりたいんだと思っていることを再確認したのではないですか?
VALSHE:確かに“そうまでしても作りたいんだ”っていう自分の気持ちに気づかなかったかもしれない。
──待っているファンの人たちのことも頭をよぎったでしょうしね。切り替わってからすぐに曲を作り始めたんですか?
VALSHE:作るモードにシフトしてからは早かったですね。制作期間は1ヶ月と短かったんですが、いつも以上に自分の中に明確なヴィジョンがありました。あとから振り返ると空白の3日間は大事だったんだと思いましたね。
▲ミニアルバム『RIOT』初回限定盤 |
VALSHE:そうですね。何も考えられない、何もしたくないという日々の中で止まっていた自分の心を奮い立たせてくれたのが音楽をやりたいという気持ちだったんです。VALSHEの最重要人物であるminatoが足を止めてしまっても“作りたい!”という気持ちと“作れる!”という自信さえあればイケるって。その感覚が自分の中で“RIOT”だった。社会的な暴動という意味ではなく、内に秘めた暴動というニュアンスです。自分を奮い立たせて暴動を起こしていたいという気持ちがこのアルバムを制作する上での気づきであり、モチベーションだったので、それをテーマに作ろうと。
──最初に『RIOT』というタイトルを聞いた時はめちゃめちゃ激しい、怒り狂ったアルバムなのかと思いました。
VALSHE:ふふ(笑)。人の喜怒哀楽の中で表層的にいちばん強い感情なのが“怒り”だと思うんですよ。そこを中心に据えながら、いろんな時期のVALSHEのサウンド、いろんな時期の出来事、いろんな顔のVALSHEを見せられたらと思って作りました。
──こんなに中身の詰まったアルバムを1ヶ月で制作したことにも驚きますが、VALSHEさんが自身の想いを楽曲にちゃんと昇華させていることにも驚かされます。感情だったり、衝動をまんま吐き出してしまいそうなものなのに。
VALSHE:でも、スタジオに入って新しいことを取り入れながら制作している期間はすごく楽しかったんですよ。予定していたタイミングとは違ったし、もちろん大変なこともあったけど、「これ絶対、今じゃないと出来なかったアルバムだ!」って。ファンの人はもちろん、たくさんの人に聴いてほしいと思ったし、“minatoに絶対にいいって言わせてやる!”って思いながら作りました。今までの作品ももちろん愛おしいし、完成した時の達成感もあったけど、今回はまた違う感情があって、すごく愛着があるし、“作ってよかったな”って思えました。
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