YOSHIKI×GACKT、2人はまるで兄弟

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5月23日、YOSHIKIとGACKTがニコニコ生放送に生登場、貴重なトークを展開させた。

◆<YOSHIKI CHANNEL× OH!!MY!!GACKT!!>画像

<YOSHIKI CHANNEL× OH!!MY!!GACKT!!>と名づけられたこの生放送は、YOSHIKI公式チャンネル「YOSHIKI CHANNEL」とGACKT公式チャンネル「OH!!MY!!GACKT!!」の一夜限りのコラボレーションで六本木ニコファーレから生放送されたものだ。開始前から20,000人を超える視聴者が結集してしまい、サーバーも悲鳴をあげていた。


21:50過ぎにMCの奥浜レイラがYOSHIKIを招き入れると、ニコファーレの360℃LEDスクリーンが「X」の弾幕で埋め尽くされた。5月22日に日本に戻ってきたばかりのYOSHIKIだったが「HYDE(L'Arc~en~Ciel)と2人きりでディナーを…ワインを飲みながらすごい楽しかった」「氷室京介さんのドーム最終日に行きました」と濃厚な日々を過ごしている様子を伝えつつ、「さっき楽屋でGACKTにあったら裸だった(笑)」とさっそくの爆笑トークが飛び出す。どうやらちょうど着替え中のタイミングにYOSHIKIが現れたようだ。

この日はYOSHIKITTYも飛び入りし、「う、動いてる!」というコメントが流れる中、サンリオキャラクター大賞エントリー中でYOSHIKITTYが現在8位(昨年12位)であることが伝えられた。さらに順位を上げるべく、YOSHIKI自らが携帯電話で投票を行ったが、スマホでYOSHIKITTYをなでなでするとポイントが貯まり連続タップするとYOSHIKITTYが走りだしたりもする。「YOSHIKITTYが1位になったらX JAPANのアルバムを出す」との発言も飛び出したが、1位にならなかったら出ないのか?という突っ込みは怖くて誰もできないところ。





その後GACKTが登場すると会場は「8888888」の弾幕で埋め尽くされ、ふたりはハグで再会を喜んだ。YOSHIKIとGACKTとのメディアでの共演はフジテレビ『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』以来11年ぶりのことだ。生放送での共演はこれが初となる。

Y by YOSHIKIワインのグラスを傾けながら、リラックスした空気の中トークは自然体で進んでいく。2人が初めて会った時のエピソードが語られ、初対面で意気投合し、シャンパンを2人で16本空けたことが明らかにされた。初対面でGACKTは「YOSHIKIってこんな面白いんだ」と思ったという。「翌朝までに(X JAPANの)編集をしなくちゃいけない」といいながら結局飲み明かしたYOSHIKIは「X JAPANのアルバムが遅れたのはGACKTのせい」と笑う。GACKTは「あのねぇ…勘弁してよ。もう、ちゃんとして!」ときっちりとツッコみ、息のあったトークが弾む様子は、YOSHIKIがボケでGACKTがツッコミの芸人のようなグルーブ感を見せつける。

GACKTはYOSHIKIに対し「もうちょっとしっかりしてよ!って感じ(笑)」と笑いながらも、「ボクらのジャンルの世界は上下関係が厳しい。当時はボクが一番下だっし接点もなかった。でも初めて会った時からすごい面白くて、気付いたら兄弟みたいになっていた」と語る。YOSHIKIは「弟のようだけどちゃんとしている。GACKTから学ぶことが多い」と、お互いのリスペクトが顔を覗かせる。「凄いよね、だってちゃんとアルバム出しているもん」(YOSHIKI)、「それ、ふ・つ・う」(GACKT)と、トークはすぐに芸人ノリで崩れていくのだけれど。




話はS.K.I.N.にも及んでいく。当時“もう頭の中はS.K.I.N.一色”のYOSHIKIだったが、そんなタイミングでX JAPANの再結成の話が持ち上がったという。「みんなに集まってもらって“さあ!S.K.I.N.で行こう!“ってスイッチが入ったところに(X JAPAN再結成の話が)ドカーンと来ちゃったから、一体どうすればいい?”ってなった。それまで順調だった曲も詞も書けなくなって、あの時の葛藤は凄かった」とYOSHIKIが吐露する。そんなYOSHIKIに対し、当時GACKTは全てを悟っていたかのごとく「YOSHIKIの好きなようにすればいい」と彼の背中をそっと押したようだ。S.K.I.N.というバンドの空気を思う存分吸ってエネルギーがみなぎっていたYOSHIKIは、そのままその熱量をX JAPANに向けていくこととなる。その後のX JAPANの躍進劇は皆の知るとおりだ。それをGACKTは「良い意味で、S.K.I.N.が踏み台になったんじゃないかと思う」と悟るように語った。

S.K.I.N.というひとつの共同体に身を置いたことで明確になった点もあるようだ。きっちりリハーサルを行ない完璧に仕上げてステージに臨むというGACKTに対し、YOSHIKIはリハすら満足に行わぬままその場のパッションと勢いで本能的にステージをこなしてしまうタイプである。その両極ともいえる極端な体質の違いがひとつのバンド内で調和を見せる過程には、様々な歪も生まれ知られざる調整を余儀なくさせられることにもなるわけで、XではHIDEがYOSHIKIの母親役を務めていたように、S.K.I.N.ではGACKTがまさにその役回りを担うことになっていたとみえる。GACKT、SUGIZO、MIYAVI(雅-miyavi-)、そしてYOSHIKIというストイックで個性際立つ4人をまとめさせる作業は並ではなかったことだろう。<ANIME EXPO AX2007>でライブを敢行したS.K.I.N.だったが、1週間用意されていたリハーサルが一度も行われなかったという信じがたい事実、結局たったの1日…2時間にも満たないリハーサルだけでステージに立っていたことなど、知られざる事実が次々と明らかとなった。




一方で、S.K.I.N.を通じてGACKTが感じたYOSHIKIというドラマーの魅力も語られた。

「ボクはきっちりリハーサルをやるタイプなので、リハをしないYOSHIKIにイライラして、もう大嫌いになっていた。けど、本番で歌っている途中で後ろを向いて、ドラムを叩いているYOSHIKIの姿を目にした時“本当にカッコイイ”と思った。あんな嫌いだったのに(笑)。ヴォーカルとして、自分の背中をこんなに安心して預けられる人がいるんだって思った。こういうのってヴォーカリストとして幸せなんだなあって」──GACKT

また、GACKTはそんなYOSHIKIを通して、「ミュージシャンだし発想もぶっ飛んでいるし、そもそもしっかりする必要も無い。綺麗な箱に当たり前に収まるようになったら僕達は終わり。そういう意味では、YOSHIKIはミュージシャンとしてあるべき姿にある」と評価し、「自分が浮かんだものを作るというのはミュージシャンとして当たり前の姿。みんな、もうちょっとぶっとぼうよ」と、現在の音楽シーンの奮起にも思いは及んだ。

一度だけのアメリカ公演で何の動きも見せていないS.K.I.N.だが、再始動の可能性はあるのか? 番組終了後、2人に直接話を聞く機会を得たが、「再始動はしないのか?」と聞くと、「再始動も何も、始動すらしていない(笑)」とGACKTは笑う。ただし、「YOSHIKIがやるといえば前に進む」とGACKTは語る。やるとなればGACKTは全力でやると明言し、「世界を獲ってやろうと思ったら、一からバンドを作る時間なんてない。パワーのあるやつが集まって究極のバンドを作るしかない。そういう意味では、世界を獲れるバンドとして最も近いところにあるのがS.K.I.N.」と、その底なしのポテンシャルの高さを保証してくれた。



久しぶりの競演を心から楽しみ、まるで兄弟のようにじゃれ合い、時には熱く語り合う2人は、ワインも進み上機嫌だった。記念撮影時にはGACKTが「アヒル口」をYOSHIKIに指導しながらワイワイと仲の良いところを見せ、GACKTのニュー・アルバム『LAST MOON』を「よろしく」とYOSHIKIが告知すると、「初めてお兄ちゃんっぽいことしてくれた」とGACKTは満面の笑顔を浮かべて喜んだ。ちなみにグラスを交わしたY by YOSHIKIワインは、一流芸能人GACKTいわく「すごく美味しいワイン」だと番組終了後に語ってくれた。



YOSHIKIは、ディナーショーが8月30日(火)、31日(水)@リッツカールトン大阪、9月2日(金)、3日(土)@グランドハイアット東京で開催、GACKTは、3月にスタートを切った<LAST VISUALIVE>が7月2、3日@さいたまスーパーアリーナで千秋楽を迎える。


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