【ライブレポート】LIPHLICH、ツアーファイナルでみせた確固たる信念。「永遠なんて、と笑うやつなんてくそったれ」
4月2日、LIPHLICHが川崎CLUB CITTA’にて単独公演ツアーのファイナル公演<LIPHLICH単独公演ツアー ウロボロス-頭->を行なった。同ツアーは、最新アルバム『蛇であれ 尾を喰らえ』を引っさげて、1月24日赤坂BLITZよりスタートしたもの。タイトルに冠されている“ウロボロス”とは、一匹の蛇が自らの尾を噛んで環になった様子を図案化したものを指し、今回のアルバムのテーマ“破壊と創造”“永続性”と同様の意味合いを持っているそうだ。ツアー自体を蛇になぞらえ、初日の<ウロボロス-尾->からファイナルで<ウロボロス-頭->に戻ってくることでそのテーマを表現したコンセプチュアルなツアーとなった。
◆ライブ画像(全5点)
遡ること約2ヶ月前、ツアー初日の終演後のインタビューで「ファイナル公演ではどんな自分たちになっていたいか?」とメンバーに質問を投げかけた。同日に新メンバーの小林孝聡(Dr)が加入したこともあり、久我新悟(Vo)は「あるがままにまわり、その結果できあがった4人の姿をただ楽しみたい」と話してくれたのだが、序盤で早くも彼らの変化を感じた。ここまで15公演をこなしてきたことで育まれたチームワークや自信が、サウンドやパフォーマンスにフィードバックされていると。そしてとても男らしくなった、と思ったのだ(決して今までが女々しかったという意味ではない)。通常のライブも含め、何かしらの飛び道具的な演出を取り入れることが多い彼ら。しかし、この日はそういった演出は組み込まれておらず、まさに“あるがままに”オーディエンスにぶち当たっていく姿を見せてくれた。
久我が「実験的なライブだった」と言ったように、アルバムのリリース前にも関わらず新曲全12曲をメインにセットリストが組まれていた初日公演。聞いたことの無い曲ばかりで戸惑うオーディエンスの姿も目についたが、ファイナル公演でフロアは熱狂に包まれていた。ツアーを経て楽曲も一緒に成長し、本当の意味でアルバムが完成したんだろうなとそう感じさせられたことも大きな違いだった。
また、ライブ中に3回鳴ったブザーについても触れておきたい。まず、暗転してライブが始まるタイミングで鳴った1回目は、そのままの意味で開演のブザーとして。本編1曲目「リインカーネーション」と2曲目「うねり」の間に鳴った2回目は、アルバムのラストに収録された「リインカーネーション」から1曲目に収録された「うねり」に戻り、彼らの“二周目”が始まったことを示したもの。そして、“ショーを続けなくてはならない”という意味を込めた本編ラストの曲「SHOW MUST GO ON」のイントロと同時に鳴った3回目は、LIPHLICHが新たなスタートを切ったことを告げるためのものだったという。
「永遠なんて、と笑うやつなんてくそったれ」
「僕らはいつまでもこの4人で夢を持ち続けていきたい」
「今日がツアーファイナルだけど、今日がこの4人の始まりだから」
彼らはこの日、“永遠にLIPHLICHを続けたい”という想いを飾らない言葉で素直に表現した。もちろん、“永遠”の保証なんてどこにも無いし、証明することだってできないけれど、疑うことになんの意味があるだろう? 彼らの音楽を、ライブを楽しむことができる。きっと、それだけで十分なのではないかと思うのだ。
以下に、ライブを終えた直後の久我のコメントを掲載する。
■久我新悟 コメント
ツアーファイナルが終わってほっとしてるんだけど、終わった感が無くてですね。ほんとに。今日ライブやる前にメンバーみんな「ファイナルって感じ、なんかいつもと違ってしないね?」「そうだね」みたいなこと言ってて。ライブもすごい早くて、今までで一番早かったかな。なんか一瞬で終わった感じがして。
いつも、ツアーが終わると燃え尽きてて2~3日くらい何もしたくなくなるんですけど、「明日からがんばろう」みたいな。いや、明日は無理だな、打ち上げ行って多分へばってるんで(笑) いつもだったら3日後なのに、「あさってからがんばれるかもしれない」みたいな。「始まったばかりだな」っていう感じがすごくします、今回は。いつもは、「さて次どうしようかな?」みたいな、ファイナルになるとしばらく何も考えたくないなって感じになるんですけど。「さあ、次だ次だ!」みたいな。すごく前向きな気持ちです。
text:BARKS編集部(高)
■セットリスト
2.うねり
3.ウロボロス
4.RACE
5.ヘンピッグ
6.slow virus infection
7.7つ目の大罪
8.マズロウマンション
9.旅
10.露天商通りの道理
11.Pink Parade Picture
12.一輪
13.シャルルの憂鬱
14.聖俗街
15.飽聴のデリカテッセン
16.GOSH!
17.不条理、痛快、蛇の歌意
18.フェデリコ9
19.My Name Was
20.SHOW MUST GO ON
EN1-1.SEX PUPPET ROCK’N’DOLL
EN1-2.夜間避行
EN2.リインカーネーション
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2.ショウ・リブラの場合
3.ガベル・マンの真相
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