【インタビュー】蓮花、素顔の告白「一輪の花を添えて想いを届けるように」
■自分にはない明るさが花にはある
■だから行きつけの花屋さんもあって(笑)
──歌手になりたいと思った頃から、毎日書いてた詩も変わってきたんだとか。
蓮花:そうです。今度は音に乗せられる詞を書いてみようと思って、縦書きから横書きになって。たぶん芯の部分は今もあまり変わってないと思うんですけど、書き方は歳を重ねるごとにどんどん変わってきましたね。たとえば、今作の3曲目「Melody of Memory」に“思い出だけのmemory / 消したい過去のmelody”っていうフレーズがあるんですけど、melodyとmemoryっていう同じような響きの言葉を並べると耳に残るんじゃないかなとか、聴く人のことを考えるようになったというか。
──表題曲「Don't Cry」にも“夢見ていたいや / 夢見てリタイア?”みたいな韻を踏んだ表現がありますね?
蓮花:はい。私は心地よい音をみなさんに届けたいと思っているので、耳触りみたいなところは書くときに意識しています。
──蓮花さんの歌詞には“花”という言葉がよく出てきて、しかもその“花”は“自分”を指していたり、“想い”を花にたとえていたり、文字通り植物の花の意味だったり、その使い方も印象的です。それは、ご自身の名前も“蓮花”ということで、意識的に“花”という言葉を使っているんですか?
蓮花:いえ。できた歌詞を見て“あ、また花のことを書いてる~!”ぐらいの(笑)。自分でも気づかないうちに使っているんです。私は散る花も、花瓶に生けた花も、野に咲いている花も全部好きで。花が私の毎日の支えになっているので、歌詞にも自然と出るのかなって思います。私の歌も花のように、みんなの気持ちに寄り添えたらいいなっていうのがあって。
──なるほど。花は昔から好きなんですか?
蓮花:大好きです。自分にはない明るさが花にはあるから、常に部屋に飾っておきたい。だから行きつけの花屋さんもあって(笑)、“今日はどの花にしよう?”って考えてるときが、すごく幸せな時間です。
▲TVアニメ『薄桜鬼~御伽草子~』 |
蓮花:これは、先に「Don't Cry」という楽曲ができていて、それを『薄桜鬼』さん側が気に入ってくださったという流れだったんです。だからオーダーというのはなくて、たまたまリンクしたんですよね、桜の散る感じとか。
──なるほど。蓮花さんがこの歌詞に込めた想いというのは?
蓮花:生きていく上で、気持ちって揺らぐじゃないですか。でも泣かないで前に突き進んでいきたいっていう強い意志と、その反面、消えちゃいそうな情けない自分みたいな、強さと弱さをテーマに書きました。
──別れの歌にも受け取れますけど、恋愛は絡んでないんですか?
蓮花:実は絡んでないんですよ(笑)。もちろん恋人とか大切な人を歌に当てはめて聴いていただいてもいいし、どんな受け取り方をしてくださってもいいんですけど。たとえば“愛してる君にsay good bye / 儚き孤独を得る”っていうフレーズは、“何かを手放さないと、何かを得ることはできない”っていう想いを込めてるんですよね。
──何かを得るためには、何かを手放すことが必要というのは、自分の実感から?
蓮花:そうです。自分の夢を叶えることって、すごく大変なんだなっていうことを実感したので。あと、本当は常に穏やかな気持ちで生活したいし、そういう気持ちで人に接したい。でもそれがなかなかできないっていう葛藤の中で生活しているので、それも表現したかったんです。リスナーの方の耳って敏感だから、上っ面の言葉だと届かないと思うんですよ。だから歌詞を書くときは自分が実感したこと、自分が本当に感じた想いを書くようにしています。
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