【インタビュー】MY FIRST STORY、「VAMPSへの尊敬もありつつ負けたくない」

VAMPSが11月12日、ツアー＜VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666＞の初日をZEPP TOKYOにてスタートさせた。同ツアーはVAMPS恒例の“籠城型ライヴハウスツアー”を東京・大阪・名古屋で各6公演ずつ開催、各地に国内外からのゲストを組み込み、2マンによるジョイント形式で行なわれるというものだ。対バンとしてツアーに登場するのはMY FIRST STORY、MONORAL、ASH DA HERO、HIM、Nothing More、Apocalyptica。未発表アーティストを含め、ジャンルや国籍を超越した顔ぶれが連日激戦を繰り広げる。その初日を飾る対バン相手がMY FIRST STORYだ。

◆VAMPS × MY FIRST STORY 画像

MY FIRST STORYはVAMPS主宰＜HALLOWEEN PARTY 2015＞の神戸および幕張公演に出演したほか、ヴォーカルのHiroが同イベント最終日に飛び入り参加。HYDEとLINEグループをつくるなど、急速にVAMPSとの親交を深めていることは御存知の通り。BARKSはライヴ当日開演直前の楽屋で、VAMPSとの馴れ初めやライヴに賭ける意気込みを訊いた。MY FIRST STORYの5人のトークは、VAMPSに対する敬意やステージに臨むバンドの本質に至るまで多岐にわたった。

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■＜HALLOWEEN PARTY 2015＞は、ある種のアウェイだと思っていた
■いつもの演奏やパフォーマンスを捨てなくてよかった

──まず、VAMPSとの最初の接点から教えてください？

Hiro：個人的にはお客さんとして籠城型ツアーのZEPP TOKYO公演を観に行ったことがあるんですね。そのときに楽屋で挨拶させていただきました。

──いつ頃のことか覚えてます？　MY FIRST STORY始動以降のことですよね。

Hiro：はい。ただ、けっこう前のことで正確には覚えてないんですけど、挨拶させてもらったときにCDもお渡しして。初共演させていただいたのが、＜HALLOWEEN PARTY 2015＞の神戸公演です。

▲VAMPS主宰＜HALLOWEEN PARTY 2015＞＠神戸ワールド記念ホール2日目

──MY FIRST STORYとしてはVAMPS主宰＜HALLOWEEN PARTY 2015＞神戸2日目と幕張初日の2公演に参加するという抜擢ぶりでした。

Hiro：さらに僕が最終日に無理矢理HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAへ参加させてもらったという（笑）。それも当日の終わりぐらいに急遽決まったことで。そんな流れがあってから、今回のツアー＜VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666＞に誘ってもらえることになりまして。

──＜HALLOWEEN PARTY 2015＞の後に誘われたということは、そのときのステージをVAMPSが評価したということでもありますよね。それぞれ、初共演前までVAMPSに抱いていたイメージはどんなものでした？

Hiro：VAMPSが「LOVE ADDICT」でデビュー（2008年7月発表）したとき、僕は高校2～3年くらいだったんですけど、衝撃的にカッコよかった。でも、最初はHYDEさんのバンドだということを知らなかったんですよ。普通にVAMPSというバンドの音として聴いて、同級生とか友だちとかと一緒にカッコいいな！って好きになったんです。それからずっと聴いていたから、今回の対バンは夢のようですね。

Sho：僕にとってHYDEさんは、どちらかというとL’Arc～en～Cielのイメージが強かったんですね。VAMPSはL’Arc～en～Cielとカラーが全然違うじゃないですか、ゴシック調だし、攻撃的だし。でも、そのイメージがすごく合っていると思ってました。それに、あそこまでお客さんを惹き込めるということが自分に置き換えて想像できない。すごい人だなと。

──MY FIRST STORYは＜HALLOWEEN PARTY 2015＞の神戸公演や幕張公演でも、十分オーディエンスを惹き込んだじゃないですか。

Sho：いやいや全然ですよ（笑）。相当、HP（Hit Point：ゲーム用語）を消費しながら、“やるしかねーよ”っていう感じでした。でも、そのライヴの後にVAMPSさんから「カッコいい」と言ってもらったので、本当にうれしかったですね。僕らからすると伝説のような人。イメージはそれに尽きます。

Teru：僕もHiroと歳が変わらないので、VAMPSがデビューしたとき、高校3年生だったんです。まず、アーティスト写真を見て、“どんなに怖い人たちなんだろう？”と……ダークなものが多いじゃないですか。だから、＜HALLOWEEN PARTY 2015＞で初めて挨拶するときも震えながら楽屋に行ったら、実はみなさん気さくな方々で。打ち上げとかでもお話させていただいて、いい意味で完全にイメージが崩れました（笑）。

Nob：僕はL’Arc～en～Ciel世代なので、VAMPS以前にHYDEさんの印象が強かったですね。もちろんVAMPSの存在は知っていたし、音楽も聴いていたんですけど、ライヴを観たのは＜HALLOWEEN PARTY 2015＞が初めてだったんです。めちゃめちゃロックだった。今までのHYDEさんのイメージにプラスして、またとんでもないHYDEさんを発見したというか。今回また呼んでもらえたことに対しては、嬉しいという気持ちしかないですね。

Masack：VAMPSは海外のフェスに出ることも多いですよね。だから最初は海外のバンドなのかなと思っていたというか、海外でやっている日本人バンドの逆輸入的な感じなのかなと思ってたんです。ところが調べてみたら“あれ？HYDEさんなの？　こういうこともやってるんだ!?”と。僕も世代的に元々L'Arc～en～Cielが好きで、VAMPSの曲を聴いたら“L'Arc～en～Cielとは色が全然違うけど、かっけぇ！”と。その後に、HiroがVAMPSと知り合って、＜HALLOWEEN PARTY 2015＞で一緒にやらせてもらったという。そのステージはやっぱりすごいなと思いました。

──では、MY FIRST STORYにとっての＜HALLOWEEN PARTY 2015＞の印象はいかがでしたか？

Hiro：いろんなバンドさんが出たイベントですけど、僕らの音楽はジャンルが絶対的に違うから、今までの4年間は通用しないと思っていたんです。だからすべてを考え直してステージに臨まないと絶対にコケるというか。ライヴ前は“どうしたらいいんだろう”という不安とか恐怖しかなかったんです。仮装でライヴするというのも初めてだったし。実際本番が始まって、他の出演者の方々と仮装がかぶるというトラブルもありながら（苦笑）。

▲VAMPS主宰＜HALLOWEEN PARTY 2015＞＠幕張メッセ国際展示場9･10･11ホール初日

──シドの明希さんとナイトメアの柩さんとHiroさんの3人が『東京喰種 トーキョーグール』の仮装でかぶったという。でも、それが逆に、客席とも他の出演者ともグッと距離感を縮めたところがありましたよね。

Hiro：はい。まさに逆に（笑）。始まる前はテンションがガタ落ちで。“はぁー、先輩とかぶってるし……初出演なのに終わったな”と思ってたんですよ。それに、お客さんは“このバンドはどうなんだろう？”っていう吟味の目でしか見ないだろうことを予想していたので、プレッシャーもありました。でも、いざライヴが始まってみると、想像より遥かにお客さんが温かくて、みんなしっかり聴いてくれていたし、煽ったらのってくれる。お客さんや先輩出演者の方々も含めて、本当に今までで一番楽しいイベントでした。

──MY FIRST STORYとしてはこれまで＜SUMMER SONIC＞や＜ROCK IN JAPAN FES＞をはじめとする巨大フェスへの出演経験も豊富なわけで。＜HALLOWEEN PARTY 2015＞は畑が違うところがありつつも、必勝のセットリストが組まれていたわけですよね？

Hiro：いやもう全然、勝つとかはないですよ！　僕たちの曲の中で、“この曲をやったらこういう反応を得られるかもしれない”という想像はありましたけど、確証はほぼ0%でした。＜SUMMER SONIC＞とか＜ROCK IN JAPAN FES＞とかのフェスのほうが慣れているというのもあって、遥かに楽というか、想像がつきやすいんです。＜HALLOWEEN PARTY 2015＞は、ある種のアウェイだと思っていたので、誤魔化しがきかない。でも、変に合わせにいくのはイヤだし、その擦り合わせが難しかったですね。結果、自分たちの中では違和感なく一番いいカタチが見つけられたセットリストだったと思います。

Sho：いい意味でお客さんのためのセットリストに悩んだところはあったことも事実です。でも、演奏するとなったら、みんなそんなことは忘れていて。いかにMY FIRST STORYというものを誰彼構わずぶつけられるか、そんな雰囲気になっていたと思います。初めてガチで仮装したし、空気感の違うところだったけど、やりきった感は絶対にあった。それをVAMPSとか他の出演者の方々が見てくれて、結果的に興味を持ってもらえたから、終わった後に仲良く話が出来たんじゃないかと。俺はいつものMY FIRST STORYの演奏やパフォーマンスを捨てなくてよかったと思いましたね。

──VAMPSもMY FIRST STORYにそういう新風を求めていたんだと思います。仲良くなったという意味では、『東京喰種 トーキョーグール』の仮装かぶりから、Hiroさんと明希さんと柩さんの3人にHYDEさんを加えたLINEグループができたんですよね？

Hiro：そうそう（笑）。急にHYDEさんから「さみしいー」ってLINEが入ったりしましたよ。朝の5～6時ぐらいに（笑）。「いったいどうしたんですか!?」っていう（笑）。

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