【ライブレポート】吉川友、初主演ミュージカル決定。ネコ耳コスの秋ツアー東京公演で発表

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吉川友の秋ツアー<吉川友 2015秋TOUR ~WILDSTRAWBERRYを召し上がれ~>東京公演が、10月31日にAKIBAカルチャーズ劇場にて開催された。なお、本公演にて新しい発表があるとのかねてからの告知どおり、2016年3月に上演されるミュージカル『雪のプリンセス』に、吉川友の主演決定が本人の口から明らかになった。

◆<吉川友 2015秋TOUR ~WILDSTRAWBERRYを召し上がれ~>東京公演 画像

「東京! みなさん盛り上がっていきますよ!」

すでに掲載している10月24日のツアー初日レポートで紹介したように、今回のツアーは「アカネディスコ」から始まり、きっかのライブでは定番盛り上げナンバーを6曲連続ノンストップで披露するという“疾走感”がテーマ。きっかは、どこかで見たエクササイズに似た動きをふんだんに取り入れ、“吉川ブートキャンプ”と名付けられたこの曲で会場をまず煽っていく。

一方、札幌初日公演でこの怒涛の展開が明らかになってから一週間。東京では(きっと)友フレも準備万端で、腹筋を意識し、ウエストの脂肪を燃焼させる振りコピで、きっかの気合いに負けない熱量を飛ばしていく。たとえ「アカネディスコ」では体力を温存しようなんていう計算をした友フレがいたとしても、その次に控えるのは、その思考もろとも吹き飛ばさんとする熱いコールが飛び交う「いいじゃん」。このコンボは否が応でも盛り上がるというもの。これに「Time to zone」が続けば、体は完全に脂肪燃焼モードへと移行。もっとも、きっかにも若干バテたような仕草が見え隠れするのは、友フレの盛り上がりに負けじと、札幌初日よりアクセルを強めに踏み込んだゆえか、はたまたトークイベントを含めた東京3公演目(夜公演)だったためか。

「OK、それじゃあラストの曲! みなさん、始まって20分でラストでございます!」

大胸筋を意識的に動かすクラップをオーディエンスに頻繁に求めてきたきっかは、怒涛の序盤を締めくくるタオル回しの定番曲「水色」にてフロアに降臨。盛り上がりはいよいよ最高潮へと達する。そしてこの“タオルを使った上腕二頭筋のエクササイズ”が終わる頃には、なんとなく友フレも開演前より引き締まった魅力的なボディーを手に入れていた。多分。

「ありがとうございました! 吉川友でした!」と一言挨拶をするきっか。先にレポート記事を掲載した札幌の初日公演と違うところがあるとするならば、開演から約20分、このまま彼女はステージを降りてしまい、会場は暗転してしまった、ということ。さすが疾走感をコンセプトにした今回のツアー。いろいろあっという間過ぎる。

そうこうしていると、アンコールの際に発生する「きっか!」コールが客席から巻き起こる。そして、1、2分のインターバルを挟んで、冒頭のブルーを基調としたプリンセス衣装から衣装チェンジしたきっかが再びステージイン。次の衣装は、札幌公演で「トラかと思ったらヒョウ、ヒョウだと思ったら鳥」と、ゲスト出演した城太郎にアドリブで歌われ、そしてこの日の東京公演では鳥の髪飾りではなくネコ耳のカチューシャを装着した“ひとり鳥獣戯画”。野獣衣装である。

「いやー、すみません。最後の曲かと思ってハケてしまいました。そのくらい駆け抜けたライブ、始まりました。ようこそみなさんお越しくださいました。ありがとうございます。」

きっかは「これ、私、コスプレじゃないですよ? 仮装じゃないですからね。」と、野獣衣装を見せつけつつ、代わりに客席で仮装している友フレを弄っていく。そしてMCで一息ついた後、2ndシングル「ハピラピ~Sunrise~」のカップリング曲だった「LOVE YOU FOREVER」を回替わり曲として披露し、このまましっとりとアコースティックコーナーへ。音に歌声を乗せていくように、情感豊かに「さよなら涙」を聴かせると、秋ツアーの目玉のひとつ「プラネタリウム」の歌唱を前にゲストミュージシャンを呼びこむ。東京公演は、同曲の楽曲提供を行なった石橋光(いしばし・こう)。


東京公演1回目のトークイベントでは、きっかにギターを指導した石橋(さらに2回公演以降ではライブ前にオープニングアクトとしても登場)。友フレからも熱い支持を得たようで、ステージに姿を見せるなり「光くん!」と名前を呼ぶ声が飛んでくる。さらに会場の物販で販売していた石橋のCDは夜公演までに完売してしまったということで、この人気っぷりは確かに本物。「軽く嫉妬しています、私。光さんに軽い嫉妬ですよ。」と、友フレの推し変を危惧するきっかである。

「そんなかっこいい光さんに、ギターで即興で、なんか1曲弾いてもらおっかなー。」と、札幌でも発動した“吉川友のゲストミュージシャンに1曲即興で歌ってもらってみっか”。「テーマは、そうだなー。私が一番最初に着てたドレス、あるじゃないですか。あれのイメージが“シンデレララ”なんです。“シンデレララ”を……ラが一個多いですね。」と、「シンデレラ・吉川友」のテーマで、石橋が即興で曲を披露する。<ギターが弾きたいプリンセス 友ちゃん♪>というロマンチックな出だしに、吉川友もテンションが上がる。爪を切って準備万端という歌詞にも関わらず、なぜか結婚指輪でも見せてるかのような仕草で客席にアピールしたかと思うと、観客にエスコートされながら、これまたなぜかフロアへと降りていく。気づけば全員を巻き込んで<シンデレラ YOU>の合唱が起こる中で、きっかは完全に(ハロウィンだけに)かぼちゃの馬車から降りて舞踏会へと向かうシンデレラ。そんな至福の一時を過ごしたのだった。

そしていよいよ、石橋光のギターをバックに、吉川友が幻想的なブルーの照明の中で「プラネタリウム」を歌唱。静まり返った客席に爪弾かれた石橋のアコギの音ときっかの歌声が染みこんでいく。歌い終わったきっかは「心から、こんな素敵な曲、ありがとうございます。」と、あらためて石橋に感謝の気持ちを伝えたのだった。

なお、石橋からギターを習った吉川友は、秋ツアー最終日となる11月29日の福岡公演で「プラネタリウム」をギターで弾き語りすることを目標に掲げた。また練習の途中経過については、吉川友の公式YouTubeチャンネルにて動画で報告されていくとのこと。「もし(動画が)公開されなかったら、“あ、挫折したんだな。そうですか。”と。」と、福岡公演での弾き語りチャレンジについて“保険”をかけたきっかだったが、動画が公開されるにせよ、されないにせよ、11月29日の福岡公演は面白そうな展開になりそうである。

初日公演レポでは触れなかったが、「プラネタリウム」の披露が終わってからは、アルバム『YOU the 3rd. ~WILDFLOWER~』のリード曲「WILDSTRAWBERRY」を含めた疾走感溢れるセットリストが再開され、パワフルなステージが展開されることになる。今回の秋ツアー、本当にハードであり、本当に盛り上がりポイントの連続。「花」のショートバージョンには、きっかがその日、その瞬間で思いついたことを台詞に盛り込むアドリブも。本公演では<今日の夜は1人でハロウィンかなあ? 平気よ、仮装だって楽しい!>と、ハロウィンにかけたフレーズを口にして、会場は爆笑。この反応に、きっかも思わず会心の笑みを浮かべていた。
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