【インタビュー】フォロー・ユア・インスティンクト「あらゆる種類の動物がジャングルにいるように色んな曲調があるのがこのアルバムなんだ」

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■アレクサンドラ・スタンは素晴らしい人柄だし才能もある女性だから
■レコーディングもビデオ・シューティングもすごくスムーズだったよ


──スヌープ・ドッグをはじめとして、他にも色んなアーティストが参加していますね。日本でもとても話題になっているアレクサンドラ・スタンとのコラボレーションはどのような形で生まれたのでしょう。

Addis:じつはこのアルバムを作っていた当時、ソニー・ミュージックエンタテインメント・ジャーマニー(Sony Music Entertainment Germany GmbH)と契約していて。そのときの担当A&Rが前からオレらとアレクサンドラ・スタンを組ませてみたらどうか、というアイデアを持っていたらしいんだ。そこで引き合わせてもらって、オレたち自身もK.C.&ザ・サンシャインバンドの「ギブ・イット・アップ」をサンプリングするというアイデアがあったんで、それを一緒にやろうということになったんだ。実際に会ってみたら彼女は素晴らしい人柄だし、才能もある女性だったから、レコーディングもビデオ・シューティングもすごくスムーズに行ったよ。


──とてもキャッチーな曲ですし、ミュージック・ビデオも楽しめますね。

Addis:そうだね。このMVはスペインで撮ったんだけど、本当に良い天候に恵まれて、パーフェクトな撮影日和だったよ。だからみんな良いムードで楽しくできたんだ。

──「ビガー・ベター・ファスター feat. バスタ・ライムス&クリス・リチャードソン」ではバスタ・ライムスと「アメリカン・アイドル」出身のシンガー、クリス・リチャードソンという意外な組み合わせがフィーチャリングされていますね。

Lionezz:この2人が同じレーベルにいたからやりやすかったこともあってこのプロジェクトが進行したというのもあるんだけど、バスタ・ライムス自身も、私たちだけじゃなくて同じレーベルも含めて他のアーティストに客演したり「アメリカン・アイドル」と絡んだり、色々やっているの。

Addis:音楽的な部分で言うと、オレたちがそれぞれソロでやっていたときから今まで継承されていることなんだけど、ハードな部分とメロディアスな部分を両方兼ね備えたものをやりたいと思っていて、メロディアスな部分でフックを作ってコマーシャル的なアピールをしたいというコンセプトがあるんだ。それでバスタ・ライムスとクリス・リチャードソンをフィーチャリングしたんだよ。

──「ビガー・ベター・ファスター」「ダイムス・オンリー!!(ガールズ‐DJ ポリーク・リミックス)」「オン・ザ・フロア」には共通してオリエンタルな音が入っているのが面白いなと思ったのですが、こうしたサウンドを入れているのは何故ですか?

Addis:自分たちの感覚として、そういうメロディが好きなんだよね。マッチングとして、この3曲に関してはこういうサウンドが合っていると思ったんだ。それと、バックグラウンドで言えば、ドイツにはとても移民が多いんだ。トルコやアラビア諸国から来ている人も多いから、きっとそういう影響もあるんじゃないかな。

──Addisに伺います。日本でも、自分で作ったトラックをインターネット上で発表する人が増えていますし、そうした音楽でサクセスしたいと思っている人もいます。そういう人たちへのアドバイスはありますか?

Addis:ここ10年間で、音楽産業は非常に大きな変化を遂げて、今やみんなが自分で配信できるような状況になっているけど、それには良い面と悪い面があると思う。良い面では、クリエイティブなことをできる機会が増えて、自分で作ったものをどんどん世に出せるということ。悪い面は、あまりにも音楽がそういう形でネット上に溢れ過ぎていて、クオリティ・コントロールが出来ていないような状況だと思うんだ。その中で音楽をやって行く上で大事なことは、最初に話したように、“Follow Your Instinct”ということで、自分の本能に従って、自分がどう感じるのかを大事にすることが一番キーになるんじゃないかな。オレたちみたいに何年も経験を重ねたアーティストであっても、何かを作ろうとスタジオに入ったときに、あまりにも考え過ぎてしまうと、やっぱり行き詰ったり全然良くないものができてしまうというところに陥りがちなんだ。だから良いものを作るためには、自分のインスピレーションや心が自分に告げるものに目を瞑って耳を傾けることが大事だと思う。それが、ラジオでかかっている曲を聴いて「この曲みたいなものをやりたい」という感じになってしまうと、そこでもう終わりなんだよ。だから新しいものを作るつもりで常にトライして欲しいと思う。

──なるほど、あなた自身が作品を作るときの信念でもあるんですね。

Addis:それと、音楽をやるのであれば、本気で音楽を愛して取り組むべきだと思う。世の中には、才能に溢れたアーティストはごまんといるから、その中で生き残っていくには、本当に激しい競争を経験して乗り越えないといけない。お金や名声を求めて音楽をやるのであれば、そこを勝ち抜いては行けないと思う。アーティストとして成し遂げられるようになるまでは、何百マイルもの暗闇を歩いて行かないといけないんだ。それをちゃんとくぐり抜けて行くには、自分が人生で本当に愛していること、好きなことをやるべきだし、やらないとそこをくぐり抜けられないと思う。もし本当に自分が好きなことをやっていれば、暗闇を暗闇と感じないはずだし、きっとそれを良い旅路だと思えるはずだよ。

──Lionezzは、あなたのようにステージに立ってパフォーマンスしたいという女性にはどんなアドバイスを送りますか?

Lionezz:音楽ビジネスを女性がやっていくのは、男性よりもさらに過酷だと思うし、男性の10倍努力しないといけないと思う。女性アーティストとして成功するのは本当に大変だし、自分が成功を掴むんだという気持ちを常に持ち続けないといけない。失望したりすることも起こると思うけど、そういうときでも、自分自身に才能があってやりたいことがわかっていれば必ず立ち上がれるんじゃないかな。自分はラッキーなことにAddisのようなサポートしてくれる人と巡り合えたけどね(笑)。

──次に来日した際には、東京でもライブ・パフォーマンスを観せてくれますか?

Addis:じつは、来年1月に<東京オートサロン2016>でライブをするのが決まっているんだ。それに向けて新しくプランしていることがあるから、それまでにこのプロジェクトが発展して、東京のライブだけじゃなくさらにプラスして日本のみんなにお届けできればなと思ってるよ。楽しみにしていてほしいね。

取材・文●岡本貴之


デビュー・アルバム『アニマル・キングダム』

2015年9月23日発売
VICP-65333 解説・歌詞・対訳付 \2,000+税
<TRACK LIST>
01.INTRO/イントロ
02.MY CITY (DJ POLIQUE REMIX) FEAT. KARINE HANNAH
/マイ・シティ(DJ ポリーク・リミックス)feat. カリーナ・ハンナ
03.MUSIC LOUD!! (BANG, BANG)/ミュージック・ラウド!!(バン・バン)
04.BABY, IT'S OK FEAT. ALEXANDRA STAN & VIPER
/ベイビー・イッツ・オーケー feat. アレクサンドラ・スタン&ヴァイパー
05.DIMES ONLY!! (GIRLS - DJ POLIQUE REMIX) FEAT. SNOOP DOGG & JACOB LUTTRELL
/ダイムス・オンリー!!(ガールズ‐DJ ポリーク・リミックス)feat. スヌープ・ドッグ&ジェイコブ・ラットレル
06.NO MATTER WHAT THEY SAY FEAT. SAMU HABER (SUNRISE AVENUE)
/ノー・マター・ホワット・ゼイ・セイ feat. サム・ハーバー(サンライズ・アヴェニュー)
07.WE GON' MAKE IT FEAT. VIPER & CRONITE
/ウィ・ゴン・メイク・イット feat. ヴァイパー&クロナイト
08.ON THE FLOOR/オン・ザ・フロア
09.BUSSALUDE/バッサルード
10.BIGGER, BETTER, FASTER FEAT. BUSTA RHYMES & CHRIS RICHARDSON
/ビガー・ベター・ファスター feat. バスタ・ライムス&クリス・リチャードソン
11.DON'T WANNA GO HOME FEAT. DJ POLIQUE
/ドント・ワナ・ゴー・ホーム feat. DJ ポリーク
12.GIRLS FEAT. SEAN KINGSTON & VIPER
/ガールズ feat. ショーン・キングストン&ヴァイパー
13.JUNGLEFEVERLUDE/ジャングルフィーバールード
14.TARZAN FEAT. KEVIN COSSOM/ターザン feat. ケヴィン・コッサム
15.PORTILLA DE BOBO - LOL DEEJAYS VS MINELLI & FYI FEAT. VIPER *
/ポルティラ・デ・ボボ‐LOL・ディージェイズ VS ミネッリ&フォロー・ユア・インスティンクト feat. ヴァイパー
16.MY CITY FEAT. VIPER/マイ・シティ feat. ヴァイパー
<(15) * 日本盤ボーナス・トラック>


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