【インタビュー】フォロー・ユア・インスティンクト「あらゆる種類の動物がジャングルにいるように色んな曲調があるのがこのアルバムなんだ」

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ソングライター、プロデューサー兼ラッパーのAddis(アディス)とシンガー兼ラッパーのLionezz(ライオネス)による男女2人組ユニットFollow Your Instinct(フォロー・ユア・インスティンクト)が、9月23日(水)に日本先行デビュー・アルバム『ANIMAL KINGDOM(アニマル・キングダム)』をリリースした。アレクサンドラ・スタン、スヌープ・ドッグ、バスタ・ライムスといった大物アーティストたちが参加した豪華なこの作品について、プロモーション及びイベント出演のため来日した彼らに話を訊いた。派手なイメージとは裏腹に、アーティストとしての確固たる信念を語ってくれた非常に熱いインタビューとなったので、是非最後までじっくり読んでほしい。音楽を愛する者ならば、きっと深く感銘を受けるはずだ。

◆フォロー・ユア・インスティンクト~画像&映像~

■ヨーロッパとアメリカのダンス・ミュージックをミックスさせて本能に従って何かを作りたかった
■あらゆる種類の動物がジャングルにいるように色んな曲調があるのがこのアルバムなんだ


──10月2日(金)3日(土)に名古屋でZIP-FM主催のイベント(<ZIP-FM 22nd ANNIVERSARY 「ZIPPIE DANCE PARTY」>と<ZIP-FM 22nd ANNIVERSARY 「ZIP AUTUMN SQUARE」>)に出演されましたが、日本での初ライブはいかがでしたか?

Lionezz:本当に素晴らしいライブだったわ。初めての日本でのライブだから、どういう風になるのか自分たちでもわからなかったし、事前に日本の人たちはシャイだって聞いていたんだけど、全然そんなことはなくて。みんな手を上げてくれたりジャンプしてくれたり一緒にパーティーしてくれたから、自分たちも楽しめるライブだった。

Addis:オレもどうなるかわからなかったんだけど、結局は“Follow Your Instinct”というユニット名と同じで、自分の本能に従ってやるしかないと思ってステージに出て行ったら、本当に素晴らしいリアクションだったから良かったよ。


──Follow Your Instinctというグループ名はどんな意味で名付けられたのでしょうか。

Lionezz:私たちのアーティスト・ネームが雌ライオンを意味するLionezzと、爬虫類を意味するRaptile(※Addisのソロ活動名義)で、それぞれが動物の名前なの。その動物と、本能(Instinct)をかけた言葉遊びみたいな感覚があるのと、自分たちのフォロワーやファンの人たちに対するメッセージとして、他の人たちから“こうしなさい”と指示されるのではなくて、“自分の心が感じるままに自分の意思に従って動こうよ”、ということを伝えたくてこのグループ名にしました。

──ということは、『ANIMAL KINGDOM』というアルバム・タイトルもグループ名のコンセプトとつながっているということですね。

Addis:そうだね。もともとのFollow Your Instinctのコンセプトというか、オレたちのバック・グラウンドはアーバン・ヒップホップから来てはいるんだけど、出身であるヨーロッパ(※2人ともドイツ出身)のダンス・ミュージックと、今住んでいるアメリカのものをミックスさせて、そこで出てくる自分たちの本能に従って何かを作りたかったんだ。だからアルバムのそれぞれの曲を聴いてもらうとわかると思うんだけど、例えば「ベイビー・イッツ・オーケー feat. アレクサンドラ・スタン&ヴァイパー」なんかはすごくポップだし、「ビガー・ベター・ファスター feat. バスタ・ライムス&クリス・リチャードソン」なんかはポップでありながらもっとヒップホップ寄りだったりとか、あらゆる種類の動物がジャングルにいるように色んな曲調があるのがこのアルバムなんだ。

──全曲すごく躍動感があって、聴いていてとても元気になるアルバムですね。

Addis:本当?それは良かった!

Lionezz:とても嬉しいわ。ハッピーでポジティブで楽しい作品を目指したから。

──色んな曲調があってヒップホップやEDM等、さまざまなジャンルの要素があるクラブ・ミュージックになっていると思いますが、2人のルーツになっているのはどんな音楽なんですか?

Addis:オレはコモン・センスとか、1990年代のギャングスタ・ラップを聴いて育ったんだけど、Follow Your Instinctは1人じゃなくて2人でやるということもあって、やっぱり独自のスタイルを見出さないといけないと思ったんだ。それで今回トライしたのが、ヒップホップとEDMを掛け合わせるということだったんだよ。すごくディープなヒップホップ・ファンだと、EDMの“ブンブンブン♪”みたいな部分を嫌ったり拒否反応を示す人もいるし、逆の人もいるよね。だからそれぞれのサイドでファンを失うリスクもあったんだけど、あえてそのリスクを選んだんだ。結果的には、新しいものに対してとてもオープンな人たち、新しいファン層を獲得できたんじゃないかと思っているよ。

Lionezz:私はヒップホップね。私の父親はドイツのローラースケート・クラブでDJをやっていたから、小さい頃から音楽に囲まれて育ったの。そこにはアメリカ人も来ていて、毎週新しいアメリカの音楽を持ってきてくれて、よくヒップホップもかかってた。その頃はまだ英語はしゃべれなかったんだけど、ヒップホップに合せて意味もわからずにラップをしていたの(笑)。だから小さい頃からライムとかリズムが染みついていて、そこからヒップホップに入って行ったんだと思う。

──ヒップホップといえば、「ダイムス・オンリー!!(ガールズ‐DJ ポリーク・リミックス)feat. スヌープ・ドッグ&ジェイコブ・ラットレル」では、ヒップホップ界のレジェンドとも言えるスヌープ・ドッグが参加していますね。2人にとって彼はどんな存在ですか?

Addis:オレたちにとってもスヌープ・ドッグはまさにレジェンドだよ。自分の人生に於いてすごい存在だし、今回こうやって曲を一緒にやれることは本当にすごいことだった。この曲の彼のバースはLAの市内にある彼の部屋で、一緒にハング・アウトしながらソファーに座って、バスケットをテレビで観たり、お酒を飲んだりくつろぎながらレコーディングしたんだけど、彼はとてもプロフェッショナルそのものだったよ。やっぱり長い間、このビジネスの世界にいるから、オレたちが言う前に何が必要かというのをちゃんとわかってくれてキッチリやってくれた。それだけじゃなくて、オレたちにとっても何が必要かというのも示してくれるくらいだったんだ。

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