【インタビュー】ブルゼッケン88「言うならば“フェイクラウドミュージック”でいいんじゃないかって思うんです」
■これまでもカッコイイだけじゃなくて外したこともやってきたけど、ここまで曲で遊んだのは初めて
■これまで音は正当派でしたからね。でも、今回は完全にコミックですからね(笑)
──「WENDY」がゴリゴリのヘヴィロックだったから、いきなりこのポップな展開はなんだなんだ!? って感じだったんだろうね。また余計にトレーラーはポップなとこだけを繋げていたから。
IKUO:そこが戦略だったんですよ! ボーカルが出て来ないトレーラーって前代未聞じゃないです!? しかも、“誰!?”っていうパンチのきいた女子だかなんだか解らない人がキラキラサラサラしちゃってるっていう(笑)。
栄二郎:あぁ~イラッとするわぁ(笑)!
IKUO:あはははは。それで、そんなセバ子フィーチャーのトレーラーの後に、今度はヘヴィな部分だけを魅せた第2弾トレーラーを打ち出したんです。同じ「WINK」っていう曲タイトルでね。
栄二郎:そう。セバ子無しのカッコイイやつね。ラウド部分だけのやつ。つまり、それを見た人たちは、“え!? どういうこと? 「WINK」ってどういう曲なの!?”って戸惑うっていうね。
IKUO:そう。買って聴くまで解らないっていう。そこが狙いだったんです(笑)。もぉね、その反応を見るのが楽しみで楽しみでしかたなかったんです!
──全然スランプ曲じゃないし。最初から狙いを定めて作った曲になったよね。
IKUO:あははは。結果そうなって良かったなと(笑)。
栄二郎:結果大成功! みたいな(笑)。
──BULL ZEICHEN 88色みたいなのが、この曲でハッキリと出来たよね。【ハードでヘヴィでライヴも思いっきりカッコ良いんだけど、でも、ここまでいききったこともやっちゃいます!】っていうね。男の子が憧れるバンドだなって感じ。
IKUO:それ嬉しいですね! でも、そうなんですよ! 「WENDY」は、曲は普通にゴリゴリのラウド曲で、歌詞だけをおもいっきりいききらせてたし、これまでもミュージックビデオやジャケットでは、カッコイイだけじゃなくて、敢えて外したこともやってきたけど、ここまで曲で遊んだのは初めてでしたからね。これまで音は正当派でしたからね。でも、今回は完全にコミックですからね(笑)。イメージ的には、【BULL ZEICHEN 88 feat.セバ子】なんですよ。本当は、今回【BULL ZEICHEN 88 feat.セバ子】名義でリリースしようと思ったっていう(笑)。ゲストボーカルとしてね。
栄二郎:WENDYくんみたいなもんですね、セバ子は。もうキャラクターです。BULL ZEICHEN 88のアイドルです(笑)。
──あははは。キュンキュン部分はセバ子が歌っているからね。まさに、BULL ZEICHEN 88初のツインボーカル曲でもあるわけだね(笑)。
栄二郎:そうなんですよ。でも、いいか、セバ子、俺の歌の邪魔だけはすんなよ! と、そこは強く言っておきたいですね(笑)。
──あははは。ゲストボーカルなのに(笑)。
IKUO:フィーチャリングなのにね。
──アイドルなのに、雑な扱い(笑)。
栄二郎:それがsebastianなんです。
──あははは。ところで、栄二郎曲の「NOW」は、カップリングを意識して作られた楽曲だったの?
栄二郎:そうなんですけど、僕もIKUOさんと同じく前回の「WENDY」の曲作りで曲を出し尽くしたばっかりだったんで、なかなか作れなくて苦労してたんですよ。サビの部分のメロディをIKUOさんが変えてくれていい感じになったんですよ。
IKUO:シンセアレンジを入れたんですよ。ちょっとコーラスとか入れたりもして、懐かしい雰囲気に仕上げたんです。前回のシングルのバランスとは、またちょっと違った3曲になってるんじゃないかなと思いますね。
──そうだね。「NOW」はガッツリ聴かせてくれてるからね。攻め曲でもあるけど、すごくメロディアスなサビを持った1曲だし。3曲目の「Remember」なんてワオッ! って感じ。こんなBULL ZEICHEN 88もあったの!? みたいな柔らかな印象を宿した綺麗なメロディだし、歌詞もすごく純粋だよね。
栄二郎:そうなんですよ。「Remember」は、結成した当時にIKUOさんが俺たちに聴かせてくれた曲なんです。
IKUO:そうそう。「Remember」は9年前の曲なんですよ。BULL ZEICHEN 88はそこから一気にラウドな方向に進んでいったので、出すタイミングがなかったんですよ。それでも、たまにライヴでやってたりしたんですけどね。それをちょっとリニューアルさせて、前回のツアーのときに、ファンクラブの人たちだけに聴かせてあげる機会を作ったんです。いつか形にしたいなと思ってはいたんですよ。歌詞は栄二郎が書いたんですけど、結成当初の想いをすごく素直に書いた歌詞でもあるんでね。
栄二郎:そう。だから、ものっすごいストレートなんですよね。
──なるほどね。ここ最近のBULL ZEICHEN 88にはなかった歌詞だよね。
栄二郎:ですね。確実に淳兄の書いた「WINK」とは書き手が違うのが分かりますよね(笑)。
──うんうん(笑)。「WINK」とは違ったキュンがあったよ、この曲と歌詞には。
栄二郎:そうですね。ちょっと泣けちゃいそうになるでしょ。僕ね、すぐ泣くんで、泣きそうになるんですよ。「Remember」の歌詞すごくピュアですからね。当時の僕はすごくピュアでしたから。正直ね、すっごいスキルの先輩である淳兄とIKUOさんと一緒にバンドをやるっていうことでのプレッシャーって半端じゃなくて。すっごく辛かったんですよ。でも、まだこうして音楽を続けていられるのは、この人たちと出逢えたからだしって思えたし、自分がそんなプレッシャーがあるからこそ成長できてるのが解ったし。そういう気持ちを全部ぶち込んだのが、この「Remember」なんですよね。やんちゃだけどスキルは0っていう当時の自分と思うと、今の自分はちょっとだけ歌えるようになったのかな? って考えながら歌ってるんですよね、この曲歌うときって。
──おぉ。ピュアだね、栄二郎。泣けてくる。
栄二郎:ピュアでしょ? ま、今は真っ黒ですけど(笑)。
IKUO:あははは。2015年で9年目で2016年は10周年目なんで、ここらへんで原点回帰してもらうのもいいんじゃないかなって思ったんですよね。1曲目で冒険も出来たし、3曲目では原点回帰するのもいいかなと。でも、ある意味、この曲ではテクニカルなこと一切やってないですからね。すごくシンプル。ドラムなんて1テイクですからね。これは敢えてなんもやんないでおこうって。それも珍しいというかね。これもかつてないんですよ。絶対になんかテクニカルなことしてますからね(笑)。この曲はね、“BULL ZEICHEN 88でも、こんなに大人な演奏できるんだぞ!”ってとこを見せつけたみたいな感じかなと。逆に売れ線かなと(笑)。売れ線も出来るよ! ってとこを見せてやろうかなと(笑)。
──なるほどね(笑)。「WENDY」を聴いたときは、一聴して、“あ、この人たち、もう売れようと思ってないのかも。スキル全開で爪立てまくって、好きなことをとことんやって、ファンと共に自分たちの音楽を楽しもう! ってことなのかな”って思ったんだよね。でも、「Remember」聴いて、“あ、まだ売れ線持ってる!”って(笑)。
IKUO:あはははは。そうそうそう(笑)。なんかね、すごくいままでやっぱり迷いがあったというか、ガチでラウドな音楽をやっていたというか、本格派思考だったというか。coldrainとかCROSSFAITHっていうラウド系のバンドと同じジャンルで括られるような音楽性というか。けど、そういうバンドと同じことやっていてもしょうがないな、個性を出していかないといけないなって思うようになったんですよね。本物志向を捨てたというか(笑)。いや、もちろん演奏はとことんスキルを見せつけていきたいんですよ。でもね、なんか、そこだけじゃないというか。言うならば、【フェイクラウドミュージック】でいいんじゃないか? ってね。ほら、見た目がこんなんですから、ヴィジュアルというジャンルにも括られるというかね。どこにも括られず、唯一無二の存在でありたいなって思うというか。
──でも、さっきも言ったけど、やっとここにきてBULL ZEICHEN 88というバンドのジャンルが確立された気がするよね。
IKUO:そうですね、なんか、やっと確立できた気がしますね。
栄二郎:そうそう。前にね、宇頭巻とかと一緒に対バンしたとき、知り合いが見に来てくれてたんですけど、BULL ZEICHEN 88が出て来たとき、外タレが出て来た感覚だったって言ってくれたんですよ。なんかそれがちょっと嬉しかったんです。ジャンルが、ラウド系とかヴィジュアル系とか、そういうんじゃなくて、なんか分かんないけど、すげぇの出て来たな! みたいな、そんな感覚だったって。見た目もあると思うんですけど、そういう位置づけっていいなって、そのとき思ったんですよね。規格外みたいな存在というかね。枠に嵌めてもらえないというか(笑)。
IKUO:そうだね。自分たちのレーベル名が【Visureamo】っていうんですけど、つまりは、ヴィジュアルスクリーモっていう意味なんですよ。いつかね、ヴィジュアル系かラウド系かよく分からないっていうバンドばっかり集めてイベントライヴしたいなって思っているんですよ。なので、そこ目指して頑張りたいと思います、BULL ZEICHEN 88(笑)!
栄二郎:規格外で頑張ります(笑)!
──じゃぁ最後に、オマケコーナーとして。2人が“キュンキュンする瞬間”を聞いてみようかと。そもそも。男の子ってキュンキュンするの?
IKUO:キュンキュン? キュンキュンするかなぁ(笑)? ワクワクとかならするんだけど。ストライパーとかのメロディとか聴くとワクワクするけど、キュンキュンもするかな(笑)。
──ストライパーって、また古いな(笑)。
IKUO:あははは。しません? サビのメロとか聴くとキュンとしちゃう。あの、メロディックハード系のサビはキュンキュンしちゃいますね。
──あ、でもBULL ZEICHEN 88ってストライパーの要素あるかも!
IKUO:そうなんですよ! わりと長い音符で綺麗にハモらせるっていうね。サビは広がりのある綺麗なメロディにするっていうのが、BULL ZEICHEN 88の狙いでもあるんです。エイティーズの感覚。特にアメリカですね。
栄二郎:うんうん。大陸的な感じね。そうそうそう。
──解る解る! そこで、半音下げられちゃったりすると、もぉキュンキュンしちゃう。
栄二郎:あはははは。解る解る! 一瞬垣間みるマイナー感ですよね。キュンキュンきますね、そういうの(笑)。
──じゃぁ、これまたベタに、“女子の仕種でキュンキュンする瞬間は?”
IKUO:僕はね、笑ったときに目が細くなるのとか見ると、キュンキュンしちゃいますね(笑)。
栄二郎:女子かぁ?。あ、あるある! 女の子にイタズラとか、ちょっかいかけてつねったりしたときに、“痛っ”って可愛い声で言ってる流れで、ちょっと強めにつねったら、“イテッ!”って、思わず本気な声が出ちゃったときの女の子には、キュンキュンしちゃいますね、俺。え、そんな声出すの!? って、キュンキュンしちゃうんです(笑)。
──それ、マニアックすぎるかと………。
IKUO:あははは。たしかに。ちょっと解るかも(笑)。
──まさに、垣間みるマイナー感だねそれは(笑)。
栄二郎:あははは。そうそうそう(笑)。BULL ZEICHEN 88の曲たちにも、そんなキュンキュンするポイントがたくさんありますので、ぜひ聴いてキュンキュンしていただけたらなと思います。
取材・文●武市尚子
10月7日New Single『WINK』
<Aタイプ>VR88-004 2300円(税込)
DVD収録内容:Music Video、Making Movie 前編
<Bタイプ>VR88-005 2300円(税込)
DVD収録内容:Music Video、Making Movie 後編
CD
1. WINK
2. NOW
3. Remember
ライブ・イベント情報
10/20(火) 高田馬場CLUB PHASE OPEN 18:30 / START 19:00 ★追加公演
11/10(火) 仙台HOOK SENDAI OPEN 18:30 / SART 19:00
11/11(水) 新潟GOLDEN PIGS RED OPEN 18:30 / SART 19:00
12/15(火) 名古屋ell.FITSALL OPEN 18:30 / SART 19:00
12/16(水) 大阪am HALL OPEN 18:30 / SART 19:00
12/27(日) 東京Shinjuku BLAZE OPEN 17:00 / SART 18:00
一般販売:10月10日(土)10:00~
受付URL:http://l-tike.com/bullzeichen-fc15/
<WINK インストアイベント>
10月06日 16:00~ J-SQUARE SHINAGAWA JOYSOUND 品川港南口店2F(握手)
10月10日 17:00~ HMVららぽーと豊洲店(トーク&握手)
集合場所:HMVららぽーと豊洲店内
集合時間:トーク&握手会開始30分前
問い合わせ:03-3533-8710
10月10日 19:30~ エソラ池袋店(トーク&握手)
集合場所:HMVエソラ池袋店内イベントスペース
集合時間:トーク&握手会開始30分前
問い合わせ:03-3983-5501
10月11日 17:30~ HMV大宮アルシェ(トーク&握手)
集合場所:HMV大宮アルシェ店内
集合時間:トーク&握手会開始30分前
問い合わせ:048-657-6530
10月11日 20:30~ タワーレコード新宿店(トーク&握手)
集合場所:タワーレコード新宿店7Fエレベーター横階段
集合時間:トーク&握手会開始30分前
お問い合わせ:03-5360-7811
◆インタビュー(1)へ戻る
この記事の関連情報
IKUO、ツアー追加公演を関東・名阪で開催
【インタビュー】IKUO、超絶テクのマニアックな音楽性ながら爽快感に溢れた聴きやすいロック・アルバム『Easy come,easy core!!』
BULL ZEICHEN 88、活動再開となる東名阪ツアー決定
BULL ZEICHEN 88、年内で活動休止「ちょっとだけ休憩します」
BULL ZEICHEN 88、「とりあえず生」MVではしゃぎまくり
BULL ZEICHEN 88、メジャーデビューALの全貌公開
【対談】FEST VAINQUEUR×淳士(BULL ZEICHEN 88)、「マシンガンかと思いました」
BULL ZEICHEN 88、徳間からメジャーデビュー
PENICILLINの千聖、2018年春に<Spring Fes>開催