【インタビュー】SUGIZO × J、<LUNATIC FEST.>を語る_第四夜「みんなの狂気が必要」
■改めてこの中に俺たちがいることがすごく光栄
■LUNA SEAこそが音楽シーンや世代を繋ぐハブになれる──SUGIZO
──最後にピックアップするのは6月28日に出演するAIONです。1983年に結成。当時X JAPANやDEAD ENDらと共演しながら、1991年にメジャーデビューを果たしています。結成から30年以上にわたり孤高で気高い存在であり続けるバンドですが、おふたかたには語りたい、いろんなエピソードがあるんじゃないかなと思いますけど。
J:俺はもともとAIONのスタッフをやっていたんです。高校時代ライヴハウスへ観に行って、衝撃的にカッコいいバンドだったんですよ。その時はもう自分でもバンドをやりたかったんだけど、ライヴハウスにはどういうふうに出るんだろう?みたいなところも何も知らなかった。なので、手っ取り早くノウハウを知るのはバンドのスタッフになり、搬入搬出から、チケットの売り方から、全部を直に学ぶことがいちばん早いだろうと思って志願したんですよ。まぁ、いちファンでもあったんですけど(笑)。
──どれぐらいの期間スタッフをやられたんですか?
J:2年ぐらい。「実は今、LUNACYっていうバンドやってるんです」ってなかなか言えなくて。それぐらいの時期までやってましたよ。
──ある意味、Jさんのプロミュージシャンとしての礎を作ってくれたバンド?
J:そうですね。一から十まで。バンドとして音楽に向かう姿勢だったりとかね。ツアーをするなんて、当時の自分にしてみたら夢のような話じゃないですか。そういった時にどういうことが起きて、どういうことが生まれて、そのすべてを学んだバンドですよね。
──今だから言えるスタッフ時代の思い出は?
J:俺はベースのDEANさんについてたんですけど、とにかくAIONは当時から暴れ方がハードなバンドだったので、ステージの上とかすごいんですよね。俺はアンプの裏にいつも隠れていてトラブった時にベースのケアをするんですけど、たまたまその時に楽器の弦に吹きかけるフィンガーイーズっていうスプレーがアンプの上からコロコロってステージに転がったんですよ。それを取りに行かなきゃと思った次の瞬間に、バーン!って目の前が真っ白になったんです。
──え、どうしてですか?
J:彼が振り返ったベースのヘッドが俺に当たって。一瞬何がなんだかわかんなくなって、その時にはもう鼻血ドバーですよ(笑)。でもライヴは続いてるから、1秒でも早く戻らなきゃって。その後も腫れた鼻をおさえながら必至でしたね。それぐらいの勢いでやってました。
──そのライヴを観てた人は、あの時鼻血を押さえてたあの人がJさんです(一同笑)。
J:それぐらい想いを重ねたバンドですね。
──今までの流れでいくと、いちばん最後に紹介するバンドはだいたい怖い先輩だったりするんですけど。SUGIZOさん、怖いエピソードは何かあります?(笑)。
SUGIZO:とにかく一番最初にお世話になった大切な先輩ですね。LUNA SEAの5人が集まってすぐの頃、既にJはスタッフをしてたので、彼に連れてってもらってメンバー全員で鹿鳴館に観に行ったのね。で、AIONの皆さんに会った時は予想をはるかに超えた衝撃が起きたんですよね。ステージが始まって出てきたと思ったら、ギタリストのIZUMIさんの金色の髪の毛が1メートルぐらいのモヒカンになってるわけ(一同笑)。でっけえモヒカンだな~!みたいな。その風貌だけでもう失禁しそうでしたよ。その後に出てきたDEANさんも1メートルぐらいの歌舞伎のような真っ赤な頭。1メートルのモヒカンって考えてみてくださいね。
J:DEANさん、背デカいもんね。
SUGIZO:だからもう2メートル30センチぐらいある(笑)。
J:いや、もっとあるよ。
SUGIZO:そうか、プラス1メートルだもんね。2メートル85ぐらい(笑)。
──2階ぐらいの大きさですよ。
SUGIZO:ホントにね、巨人。モンスターというか。メイクもデスメイクで、奏でる音はとにかくハードコア。カッコよすぎて怖すぎて震えあがって。もう25年経ってますけど、その印象がいまだに離れない。それぐらいインパクトと最狂の説得力がありましたよ。
──改めてAIONの音楽的な魅力でいうと?
J:やはりバンドとして、ものすごく上手いんですよ。
SUGIZO:上手い。速い。
J:うん、速い。その当時、いわゆるスラッシュメタルって言われていたような音なんですけど、でも、それだけじゃ語り切れないぐらい個性的だったし、なんじゃこりゃっていう世界ですよ。
SUGIZO:よくIZUMIさんに言われたの。「SUGIZOな、速く弾かなあかんで。“味”というのは逃げや。お前もっと速く弾かんかい」って。「わかりました」って(笑)。「あんなもん、俺は認めん」みたいな(笑)。そう言ってるIZUMIさんがいちばん味があるんですよね(笑)。
J:とにかくすごいですよ。
SUGIZO:で、怖い経験というか、俺もJに似てるエピソードがあって、当初どこかの学園祭で対バンしたんだよね。そのAIONのライヴの時にLUNA SEAのメンバーがコーラスでうわーって出て盛り上げようとなって。みんなでバーンって飛び入りしたんだけど、当時のIZUMIさんのギターが凶器のようにヘッドがナイフみたいにすごい尖がってて、ボディもナイフみたいに尖がってて、ほとんど武器みたいで(一同笑)。そのヘッドが僕の鼻にバーンって刺さって(笑)。
J:鼻繋がりじゃないですか。
SUGIZO:そうそう、コーラスしたときIZUMIさんのヘッドが鼻に刺さったんですよね。流血コーラス(笑)。
──もしかしたら、じゃあ今回のフェスでも鼻が危ないかもしれない(笑)。
SUGIZO:鼻を守らないとダメですね(笑)。
J:でも、俺らが大阪へツアーに行ったのもAIONが招待してくれたというか。
SUGIZO:1990年の4月だね。
J:初めてツアーに行った場所がそうなんですよね。
SUGIZO:25年前。
──今さらりとSUGIZOさんがまた数字を言いましたけど、びっくりしました(笑)。今回はBUCK-TICK、DIR EN GREY、Fear, and Loathing in Las Vegas、minus(-)、AIONをお送りしてきました。4日間のうちの3日間をJさん、そしてSUGIZOさんに担当していただいたんですけども、いかがだったでしょうか。
J:もうしゃべってるだけで痩せてくるようなこの濃さ。遂に本番が迫ってきたって感じですね。
──当日はこの何倍カロリーが(笑)。
SUGIZO:改めてこの中に俺たちがいることがすごく光栄、そして。出演者の皆さんに対してとにかく感謝しかないですよ。俺たちがハブになって、このフェスができることが素晴らしいんですが、何よりもすべてのアーティストからすごく強い刺激と影響を受ける。それが光栄極まりないです。
──最後に、これから会場に行くのを楽しみにしている皆さんにメッセージをいただきたいと思います。
J:遂に迫ってきております<LUNATIC FEST.>。とんでもないことになると思います。歴史の証人になってもらいたいですね。とにかく頭で考えずに、その瞬間をみんな楽しんでほしいな。楽しむっていうことはすごいエネルギーが必要だから、みんなで奇跡を楽しみましょう。
SUGIZO:本当に光栄なんですが、LUNA SEAこそが音楽シーンや世代を繋ぐハブになれると思ったんです。それがこうやって実現して、次なるシーンに一石を投じられることがすごく重要であり、全身全霊で気合いを入れようと思ってます。俺が一番言いたいことは放送コードに引っかかってしまうので変換して言いますが、みんなただただブチ切れてほしいです。
J:来てくれるみんなの狂気が必要だね。
取材協力◎InterFM
<LUNATIC FEST.>
2015年6月28日(日) 幕張メッセ 1~4 ホール
OPEN 9:30/START 11:00 / END 20:00 予定
■出演アーティスト
LUNA SEA(6月27日、28日両日)
【6月27日(土) 全12組】
LUNA SEA、X JAPAN、DEAD END、DIR EN GREY、Fear, and Loathing in Las Vegas、SIAM SHADE、LADIES ROOM、coldrain、TOKYO YANKEES、the telephones、9mm Parabellum Bullet、LUNACY(Opening Act)
【6月28日(日) 全12組】
LUNA SEA、BUCK-TICK、D’ERLANGER、GLAY、[Alexandros]、MUCC、KA.F.KA、AION、minus(-)、ROTTENGRAFFTY、凛として時雨、LUNACY(Opening Act)
■各プレイガイド一般発売日:2015年5 月30日(土)
■チケット料金: 各日¥15,500(入場チケット¥15,000+DRINK代¥500 / 税込)
[問]:LUNATIC FEST.実行委員会
0180-993-122(24 時間テープ対応)
関連リンク
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