【ライブレポート】Raglaia、華麗なるRAMIの復活
AldiousからボーカリストであるRAMIがバンドを去ったのは約3年前のことだった。美貌とボーカリストとしての強いアピールを兼ね揃えた彼女のシーンからの離脱は、メタルファンに少なからずのショックを与えた出来事だった。そして彼女の復帰を望む多くの人の声に支えられ、RAMIはプロデューサーでありギタリストのK-A-ZとともにRaglaia(ラグライア)という新たな活躍の母体となるバンドを引き連れて見事にシーンへの復帰を果たした。バンドには百戦錬磨のK-A-Zをはじめ、ERY(Bass)、YOUTH-K!!!(Drums)と、いずれもキャリア、テクニック共に申し分ない強力なミュージシャンが脇を固めている。4月にデビューシングル「Breaking Dawn」をリリース、そして6月12日には東名阪を回るシングルリリース記念ライブをスタートした。6月12日はまさにバンドのデビューライブでもあった。
◆Raglaia画像
この日のライブでは、オープニングアクトとしてCherry Heartsが登場した。近年ガールズバンド界でメキメキと頭角を現しつつあるガールズロックバンドだが、彼女らのサウンドはRaglaiaのヘヴィメタルサウンドとは一見、全く接点のない、ポップでグルービーなもの。ボーカリストとしてRAMIを尊敬しているというフロントマン笹宮千穂の「QUATTRO~、かかってこーい!」と度胸たっぷりの一言から、迫力のステージが展開され、骨太なリズムとギター、そして思わず体が動いてしまうような絶妙なパフォーマンスで会場を温め、Raglaiaのステージへの期待をいっそう高めることとなった。
そしていよいよRaglaia初お披露目の時間が近づいてきた。BGMにJudas Priestの「Painkiller」が流れはじめると、フロアの観衆達はスタート前からもういてもたってもいられないとばかりに大きな歓声を上げ、バンドの登場を促していた。そしてミステリアスなBGMとともに、メンバーが登場すると、観衆の興奮はさらに高まっていく。見るからにタフな風貌を持ったK-A-Z、YOUTH-K!!!、そしてしなやかながら自信にあふれた立ち振る舞いを見せるERYと、その3人の立ち姿に死角は見られない。ついにBGMはブレイク、ヘヴィなサウンドがステージより繰り出されはじめると、フロアはもう蜂の巣をつついたように混沌とした様子を見せ、RAMIの登場を促した。
この日のステージでオープニングを飾ったナンバーは「Cross」。リリースされた最新シングルに収録された重量感抜群のこのナンバーが流れると、フロアの観衆はもう「待ってました!」とばかりに大きく波を打ち始めた。観衆が振り上げた腕は、彼らが待ち焦がれたRAMIに向けられ、8月リリース予定のシングルに収録される「Aching Memories」に続いたナンバーがAldiousの「Eversince」とわかると、フロアから延びる腕の数はさらに多くなり、会場の温度を上げていった。
RAMIの表情には、ステージに登場した際には若干の緊張も見られたが、多くの観衆が盛大な歓迎の意を表す様子に、いつしか満面の笑みをたたえていた。とても長いブランクがあったとは思えないほどに安定した歌唱を見せていたRAMIの声は、抜群のテクニックと情感を兼ねそろえたK-A-Zのギター、そして気持ちをドンドンあおってくるERYとYOUTH-K!!!のアクティブなリズムセクションに支えられて伸びやかに会場を震わせる。
この日披露されたセットは、既にリリースされているデビューシングルの内容と共に2ndシングルに収録される予定の曲、さらに1stシングル挿入候補に挙げられながら未発表となった「Ability」と充実したものだった。さらにAldiousのバラード「Across」や浜田麻里の「Don't Change Your Mind」のカヴァーなど、聴かせどころもたっぷり。「Don't Change Your Mind」は、翌日の名古屋CLUB QUATTRO公演でもプレーされており、公開された動画からもそのRAMIのシャウトが持つ破壊力が伝わってくる。
ラストにプレーされたのは、Aldiousの「Spirit Black」だった。かつて未来を歩む決意を表明するが如く発表されたというAldiousの2ndアルバム『Determination』に収録された楽曲であり、かつRAMIを象徴する曲のひとつでもある作品だ。その激しいギターのリフとリズムが打ち鳴らされると、フロアは大きなうねりを見せていく。縦横無尽にギターの指板を駆け回るK-A-Zの指が、このクライマックスの曲の中で、RAMIの歌を最高に輝かせる演出を行い、観衆の興奮度を最高潮まで高めていった。
アンコールをせがむ観衆の声に応え、この日改めてステージに立った喜びを「ただいま!」という言葉で表現したRAMIに「おかえり!」とオーディエンスから返ってくる。感極まりそうになりながらも、RAMIはぐっとこらえて笑顔だけを見せ続け、アンコールナンバーとして最新シングルの曲「Forlorn?」をパフォーマンス、美しく、そして激しく、はかなくも未来への希望を込めたメロディをしっかりと受け止め、オーディエンスはそのサウンドに酔いしれていた。
<Raglaia “Breaking Dawn Tour 2015”>
17:30開場 / 18:30開演
オープニングアクト:CherryHearts(18:15演奏開始)
・チケットぴあ:0570-02-9999(Pコード:259-755)
・ローソンチケット:0570-084-005(Lコード:52360)
・e+:http://eplus.jp
Raglaia 1stシングル「Breaking Dawn」
初回盤B(CD+DVD) RAMI-002 税抜1,500円
通常盤(CD) RAMI-003 税抜1,000円
レコード付限定盤C RAMI-004 税抜3,000円
※初回盤にはそれぞれの特典映像を収録したボーナスディスク(DISC 2)付き
※通常盤のみ、生写真(柄:RAMI)を封入
◆ラグライア・オフィシャルサイト
◆RAMI オフィシャルブログ
◆RAMIオフィシャルTwitter
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