【インタビュー前編】デヴィッド・カヴァーデイル「リッチー・ブラックモアと絆を取り戻したんだ」
──それが『ザ・パープル・アルバム』に発展していった経緯について教えて下さい。
デヴィッド・カヴァーデイル:ジョンを失った悲しみと、彼への感謝についてリッチーと連絡を取り合ううちに、彼のマネージャーが「リッチーと一緒にやってみない?」と提案してきた。それが“ブラックモア/カヴァーデイル”になるのか、ディープ・パープル第3期に近いリユニオンになるのかは決まらなかったけど、どちらかといえば後者に近い雰囲気だった。それで私が在籍した第3期・第4期ディープ・パープルの曲をリメイクするというアイディアを提案して、収録する曲のピックアップや、アレンジのアイディアを練り始めたんだ。でも話し合いを続けるうちに、幾つかズレが生じてきた。このプロジェクトに興味を示すファンの数は天文学的になるだろうし、私にとっても大きな意味を持つものだから、しっかりと組み立てたかった。それで結局、私が身を退くことになったんだ。
──それは残念ですね。
デヴィッド・カヴァーデイル:ただ、決してリッチーとの関係が決裂したわけではなく、2週間ほど前、マネージャーと話したばかりなんだ。リッチーが現在やっているプロジェクトに、何らかの形で協力することになると思う。「幾つかリフを送ってくれ。私が歌詞とメロディを付けるから」と伝えておいたよ。これから何が生まれるのか、楽しみにしている。私としては、リッチーにまたロックをやってもらいたい。彼はロック史上最高のスーパー・プレイヤーの一人だからね。…“ブラックモア/カヴァーデイル”プロジェクトがいったん消滅したことで、かなりガッカリしたんだ。3枚のアルバムを聴き返して、40年以上ぶりにリッチーやジョン、グレン・ヒューズやトミー・ボーリンと一緒に書いた曲と密接に向かい合ったからね。それでシンディに「残念だよ」と話していたら、「ホワイトスネイクとしてパープル・アルバムを作ってみたら?」と言われた。『ザ・パープル・アルバム』というタイトルは、その瞬間生まれたんだ。