【ライブレポート】三浦大知が日本屈指のダンサーたちと魅せた<LIVE-En Dance Studio × Daichi Miura->

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「モノづくりを一緒にやる仲間として」── ひとりのアーティストとダンススタジオが、ともにひとつのステージを創りあげる。そんな今までにないエンターテインメントが2015年、TOKYO DOME CITY HALLに誕生した。

◆<LIVE -En Dance Studio × Daichi Miura->画像

そのひとりのアーティスト、三浦大知はシンガー、ダンサーとして活躍しているのはもちろんのこと、コレオグラファー(振付師)としてもダンスシーンでは圧倒的人気を誇る。また、この奇跡ともいえるコラボレーションを実現させたのは、公私ともに三浦大知との親交が深いEn Dance Studioの総合プロデューサーであるダンサー・Puriである。この共にステージを創りあげたEn Dance Studioは、日本をはじめ、海外からも最前線で活躍するプロダンサーたちを数多く講師として迎える、日本で最も旬なダンススタジオだ。

そんな多くの次世代ダンサーたちから支持を得ている両者が、かねてから描いていた夢、それが今回の<LIVE>である。

このステージは、普通のライブを観に行く感覚でいると、まずオープニングから面食らうであろう。なぜなら通常のアーティストライブといえば、主役であるアーティストを、バックダンサー数名がステージに花を添えるというものだが、この<LIVE>はそうではない。ダンサーも三浦大知同様“主役”なのだ。そう、なんとオープニングはダンスのみ。そして彼らが魅せる圧巻のパフォーマンスと、それを彩るステージセット、照明。否が応でも期待に胸が膨らんだ。

そしてついに三浦大知が登場。彼の楽曲の中でも、ダンスナンバーとして多大な人気を誇る「Bring It Down」を披露。彼を含む7人の、切れのあるムーブに会場はヒートアップ。パワフルな歌声で、一気に3曲を駆け抜けた。

歓声も鳴り止まぬ中、このダンススタジオとひとりのアーティストがコラボすることで、誰も見たことの無いエンターテインメントを創りあげられたことへの感謝、またそれによって「みなさんの心の中に生まれる、新たな感動に心地よさを感じてほしい」というMCに三浦大知のこのステージに関わるすべての人への想いが伝わってきた。

ここからのステージもダンススタジオとのコラボならでは。まず、オーディションによって選ばれたキッズダンサーたちと「Right Now」を披露。大人のダンサーと見紛うくらいの高いスキルを持ったキッズダンサーたちが、三浦大知の滑らかな歌声にノってステージを盛りあげる。

さらには弾き語りで魅せる「Listen To My Heart Beat」。これも単なる弾き語りではなく、ダンサーとのコラボレーションでよりエモーショナルな展開に、観客は息をのんだ。

なぜならこの曲の主人公の“鼓動”を表現したのは、今世界のダンスシーンはもとより、エンタメ界にもその名を轟かす、KOHARU SUGAWARAである。彼女と三浦大知の歌声が、切なさ、苦しさ、喜びを全身で奏で、まさに「君の鼓動に寄り添う」ワンシーンが涙を誘った。

続く「IT'S THE RIGHT TIME」でも、世界トップレベルのダンスチーム、s**t kingzそしてShingo Okamotoが主人公の張り裂けそうな想いをそれぞれのソロムーブで表現。詩とメロディにダンスが加わることで、こんなにも豊かに心情表現が出来ることが証明され、ダンスの持つ可能性も感じさせてくれた。

その後もポールダンスや海外トップダンサーによるコント(!?)を含んだ、贅沢なダンスショーケースなどで、会場は終始熱狂の渦。この<LIVE>も終盤を迎え、三浦大知とダンサーたちの踊りもどんどんキレが増していく。

そしてラスト数曲を残し三浦大知が想いを伝える。「ダンスジャンルとかそういうもの全部関係なく、今日ここにいるみんなで繋がった縁を大切にして、みんなでつくったこのパワーがもっともっと外にあふれていってほしい」と。

ラストを迎え、新曲「Unlock」が披露された。もちろんダンサーは彼が最も信頼を置くs**t kingzとKOHARU SUGAWARA。間違いなく、今この日本で最高峰といえるエンターテインメント・ライブが実現した瞬間だ。もう、この圧巻のステージに、会場からはただただ感動による歓声が響いていた。

入れ替わり立ち替わりステージ上を駆け巡る70人のプロダンサーと、彼らをリスペクトし、彼らといかにすばらしいステージがつくれるかを考えて、歌い、踊る三浦大知。まさにダンサー、観客への愛があふれるステージであった。

text by 木村恵子

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三浦大知のライブではおなじみ、DJ DAISHIZENがフロアを温める開演前。そしてステージを覆う紗幕に浮かび上がる、「Twinkle Shiny Star -CHOREO VIDEO-」で背景に描かれていたのと同じ、En Dance Studioのシンボルマーク。そして「En Dance Studio × Daichi Miura」の文字。

長きにわたり三浦大知をサポートし続けるダンサーのPuriがプロデュースし、ダンススタジオの発表会と三浦大知のライブを融合させるという試み。<LIVE -En Dance Studio × Daichi Miura->は、MCで大知自身が語っていたように、ただ単にダンスにより特化したというだけではない、「今までにない、新たなエンターテインメント」を我々の前に提示してみせた。

ミラーボールの光が暗闇をサーチライトのように切り取る空間の中、ダンサー・Puriを中心にして真っ白な衣装に身を包んだ22人のダンサーによるオープニングダンス。そして眩いばかりの世界から一転して、ラグジュアリーなムードの中に浮かび上がるシルエット。もうそれだけで彼ら=s**t kingzとわかった大知ファンからは黄色い歓声が上がる。4人の息の合ったパフォーマンス。それは、かつて三浦大知が、「ダンスが上手い人は振りが流れない。ピタリと動きを止める」なんていう話を思い出させるほどに、0から100へと一気に展開する“お手本”のよう(ダンスで世界を制した4人に対して“お手本”なんて軽々しく言ってしまうのもアレだが……)。そんなs**t kingzに、フロアも急速に熱量を高めていくのがわかる。

その後もしなやかさと芯の強さを感じさせる女性ダンサー陣や、ラテン・ミュージックにエネルギッシュに乗せたストリートのダンス。コミカルさとセクシーさを両立させたパフォーマンスが展開され、集まったオーディエンスやダンススタジオの生徒たちを魅了していく。

やがて、ステージ奥の扉が開いて、強烈な逆光の中に浮かぶひとりのアーティストの姿が。そう、ここからは三浦大知のライブへ。Puri、Shingo Okamoto、Taabow、shoji、shota、Akihiroの6人のダンサーを従えての「Bring It Down」。そして「En×DMライブにようこそ!盛り上がる準備できてますか!」という呼びかけての、フロアもスタンドも突き上げる拳。12人まで増えたダンサーたちとの「Shout it」で、会場には興奮の渦が発生する。ホールを包み込み高く突き上げられていくような感覚の中で、三浦大知も感無量という顔で熱狂するオーディエンスの顔を眺めながら頷いてみせる。

En Dance Studioのショーケースという意味合いもある公演ということで、大知もまた、いつもより増量したダンスでも魅せていく「Black Hole」。巷では「太陽の120億倍という超巨大ブラックホールが発見された」なんていうニュースも流れたが、この日、この地球上で最も質量を持った「Black Hole」はというと、それは三浦大知のシャウト。ステージ上に生まれた求心力が、オーディエンスの視線を釘付けにして離さない。

当然のことのように、イントロだけで悲鳴のような歓声が巻き起こる「Right Now」。一方で、本公演での「Right Now」に感動を覚えた、というファンもいたことだろう。三浦大知のこのキラーチューンにおいて、この日、大知の周りを固めたのは、オーディションによって選ばれたというキッズたち。彼らもまた、大人にも負けないダンススキルをステージ上で披露し、熱い歓声を浴びていた。

本公演において、三浦大知のライブパートは、Puriと大知がアイディアを出し合って演出を決めたという。大知のライブにおけるテッパンともいえるこのチューンでの、若い(幼い)ダンサーたちとの共演、というスタイルを選択した両者。そこには、かつての自分たちがそうであったように、キッズたちに大きなステージで大歓声を浴びる経験を与え、そして彼らに夢と希望に溢れた未来をプレゼントしたのだろう。

子供たちに夢を与えること。言うまでもなく、それはTHE Entertainerの使命なのである。

アカペラから始まった「Two hearts」は、大知のソロパフォーマンス。揺らぎのようであり、オーロラのようであり、星雲のようでもある、そんな柔らかな紫の光の中で歌い上げる。さらに、下手手前で鍵盤の前に座り、「Listen to my heart beat」を弾き語る大知と、その対角となる上手側では、Koharu Sugawaraが、長い手足を生かしてのドラマティックなダンス。このふたりによる、まるで映画のワンシーンのような光景は、歌の世界にオーディエンスを一気に引き込み、誰もが物音ひとつ立てずに魅入ってしまう。ともすれば、すすり泣く音すらも聞こえてくるほどだ。

そしてこの雰囲気のままで、今度は4人のダンサーと、暖かいライトに照らされての「IT'S THE RIGHT TIME」。熱狂の汗を流させるさせるだけでなく、感動の涙を落とさせるダンス、そして歌声。「今までにない、新たなエンターテインメント」という大知の言葉が、耳元でリフレインするように思い出される。

この後、一旦、大知はステージを降り、再びダンスメインのステージが繰り広げられる。ポールダンスも取り入れたセクシーでアグレッシブなパフォーマンスに、そして、アクロバティックな動きも随所に散りばめたストーリー性のダンス。さらに、椅子が運び込まれての学園をモチーフにしたコミカルなパフォーマンスで、会場は笑いと歓声に包まれた。

スモークが立ち込め、再度、三浦大知が登場しての「Can You See Our Flag Wavin' In The Sky?」に、6人の女性ダンサーとのスティミュラントな「Good Sign」。思えば女性ダンサーたちと三浦大知という組み合わせは、なかなか珍しい。これもまた、今回のイベントだからこその光景なのだろう。

本公演最大の熱狂を生み出したのは「Unlock」のライブ初披露だった。久しぶりの徹底的に踊りまくるシングル曲ということで、めくるめく展開され続ける大知とs**t kingzのパフォーマンス。そして中盤には、この曲を振り付けしたKoharu Sugawaraがステージイン。三浦大知と鏡写しかのような完璧なるシンクロを見せつけた瞬間、この日の一番の、いや、昨今のライブの中でも一番じゃないかというほどの、激しいまでの興奮と熱狂、大歓声を作り上げた。終わった直後の、客席のいたるところから上がった「最高!」の声と、そのステージを目撃した誰もが感じた武者震いのような震えが、いかにこのステージが凄まじいものだったかを物語っていた。

ラストは「ふれあうだけで 」。大知の歌声に、会場はオーディエンスひとりひとりの白のペンライトの光ひとつひとつで輝き出し、そして70人という出演者全員がステージ上に一堂に会してのカーテンコールへ。誰もが満足気な笑顔で、オーディエンスの声援に応えていた。

それにしても、今まで誰も見たことがなかった、新しいエンターテインメント。それは、恐ろしくなってしまうくらいの興奮と感動が一気に襲ってくるような、そんなライブ・パフォーマンス。

<LIVE -En Dance Studio × Daichi Miura->は、その扉を確かに開けてしまったのかもしれない。

text by ystuji a.k.a.編集部(つ)


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