【ライヴレポート】DAIGO、ツアー東京公演で爆笑トーク、ギター、ピアノ披露の濃厚3時間「もっともっと輝いて照らします」
DAIGOが4月28日、全国ソロツアー<DAIGO LIVE TOUR 2014 “DAIGOLD”>のセミファイナル公演をTOKYO DOME CITY HALLにて開催した。翌日に行われたファイナルの模様はすでに速報レポしたが、ここではその前日となる東京初日の模様を詳細にわたってレポートしたい。
◆DAIGO 拡大画像
その集大成を体感すべく詰めかけたオーディエンスも各々、ツアーグッズのTシャツに、東京公演限定発売のティアラにと“正装”に身を包んで気合い十分。場内に満ちる開演前特有の焦れた熱気が期待をさらに膨張させる。ステージを覆う深紅の紗幕、ビロードを思わせるノーブルな艶めきはまもなくスタートするライヴのめくるめく興奮を予感させて麗しい。
鳴り渡る「THEME OF DAIGOLD」のファンファーレとともに厳かに幕が上がると、ステージセットである城の頂上に、アルバムジャケットと同じ衣装をまとったDAIGO王子が現われた。“DAIGOのお城で行なわれる宴”というツアーコンセプトを見事に具現したオープニングに早くもテンションMAXに振り切れる客席。耳をつんざく凄まじい歓声は“黄色い声”ならぬ“金色の声”と呼びたいくらいだ。
「いくぞ、東京!」
シャウト一発、矢継ぎ早に繰り出されるは「STAY GOLD」、ローの利いたサウンドが容赦なくみぞおちを攻める。のっけにして歌声を求めるDAIGOに、待っていました!とばかり声を張り上げるオーディエンス。盤石のコール&レスポンスにステージと客席との相思相愛ぶりをまんまと見せつけられるがまま、3曲目「無限∞REBIRTH」へ。キーボードを基調とした流麗なアンサンブルがいっそうの躍動感を振りまいて場内を駆け巡る。
「東京のみなさん、元気ですか! “DAIGOLD”ツアーへようこそ、俺がDAIGOです! ついに東京に帰ってきました!」
一斉に「お帰りー!」の声がステージに注ぐと、「待ってたのは誰かな?」「DAIGO!!」と恒例の“誰かな?”コールでまたひと盛り上がり。続けて「全国でもらった元気をこの東京に全部集約させて最高のライヴにしたいと思ってます」と意気込むDAIGOを喝采が後押しする。DAIGOのライヴに際立っているのはこの、ファンとの熱くて温かい阿吽の関係性ではないだろうか。「とにかく今日は集まってくれたみんなと一緒に最高の宴、最高のパーティーにしたいと思ってます。思いっきりDAIGOLDなキラキラした時間にしましょう!」というDAIGOの言葉にもそうした関係性への慈しみと信頼が滲んでいる気がした。
DAIGOのみならずBREAKERZのサポートでもお馴染みのベース・Matsuを筆頭に、チーム最年少ながら図抜けたテクニックを誇るギタリスト・LEDA、数あるアーティストを支えてきた名ドラマー・牟田昌広、今ツアーにて初参戦となった腕利きキーボードのタッキーこと滝本成吾とそうそうたるメンバーの手によって織りなされるバンドサウンドは1曲1曲に込められたDAIGOの世界観を十二分に反映して、聴く者に迫る。9公演目を迎えたステージ、ツアーで育まれたバンドの絆がDAIGOにも相乗して働きかけるのだろう。その歌声もいつになくパワーを増して耳に、胸に、ダイレクトに届く。
デジロックな急進性が扇情的な「REVOLUTION EVOLUTION」、『新ウルトラマン列伝』主題歌にふさわしくヒロイックに展開する「ULTRA BRAVE」(音源未発売曲)、切なく疾走する「Realize」などアグレッシヴなロックチューンもさることながら、「このアルバム(『DAIGOLD』)は僕のこれまでの人生の総まとめ的なアルバムにしたかった。いろんな想いだったり思い出を詰め込みたいな、と。その中にこの曲もちゃんと入れておきたくて」と前置いて披露された「I Wish」の切々と歌い上げられる愛情、そのやさしさと温もりが何より滲みた。6年前、彼が出演する人気テレビ番組『天才!志村どうぶつ園』で親代わりを務めた赤ちゃんペンギン・ペンペンに向けて作ったという極上のラヴソング。今ツアー、全国各地でたくさんの愛情を改めて実感しただろうDAIGOが歌うからなおのことだ。
お色直しのため一旦、城の向こうに姿を消したDAIGOと入れ替わりで登場した王子の愛馬(という設定のぬいぐるみ)・ステイダイゴールド号によって振り付け指導が行なわれ、DAIGO、ダンサーとともに客席も一体となって踊った束縛男子の夢のナンバー「ジェラルミン」に、本人曰く“キュートでポップでキャッチーだと思ってたら体力的にはいちばんハードなナンバーになっちゃった”な「POP☆CORN」と、スタンダードに攻めた前半戦の熱狂を180°転換し、エンタテインメントに昇華した中盤戦。これができるからDAIGOは強い。ロック・アーティストとしての基本フォームにとらわれることなく、また、DAIGOというアーティストイメージをあえて凝り固まらせず、彼だからこその身のこなしで、瞬間瞬間、もっとも伝えたい形で音楽を表現する。彼の作り上げる楽曲すべてに通底するのはそうした自由闊達さ、このうえない素直さであり、それが無二の魅力なのだと今回のステージにつくづくと知った。しかも彼は中途半端を自らに許さない。アンコールでの「BUTTERFLY」も然り、3曲分のダンスをきっちり仕上げてくる辺りにも透徹した美学を垣間見る思いがする。まさに純金。柔らかで、けれど圧倒的な輝きを放ち続ける意志を思う。
ギターを掻き鳴らして場内の狂騒に拍車をかけた「SCAPE GOAT」や、アンコール1曲目にしてキーボードの見事な腕前にも目をみはらされた「いま逢いたくて...」(直後、朝ドラ『あまちゃん』のテーマ曲をノーミスで弾きこなす一幕も)とDAIGO手ずから楽器を奏でるなど、それにしてもなんと多彩だろう。本編中のMCでも先日、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔と連れ立って鑑賞したという映画『アナと雪の女王』の主題歌「LET IT GO~ありのままで~」をワンコーラス即興で歌ってみせたり、MC自体もMatsuのツッコミがなければいつまでもしゃべり続けそうな勢いだったり、とにかく徹頭徹尾サービス精神旺盛なステージ。『DAIGOLD』の楽曲に加え、DAIGO☆STARDUST時代の名曲やDAIGOも参加するブシロード7周年記念ユニット・BUSHI★7のために作詞作曲した「V-ROAD」などトータル21曲、トリプルアンコールの3時間弱があっという間に過ぎた。
「これからも僕という光がみんなを照らし続けることを約束します。もっともっと輝いて照らします」
この夜、DAIGOはそう誓った。ひとり一人に手渡される「I wanna be your star」、DAIGO☆STARDUST時代から変わらず彼の中で瞬いている願いだ。止まないアンコールに応えてエンディングは再びの「STAY GOLD」が飾った。カッコ悪くたって、遠回りしたっていい、誰でも輝ける。力強いメッセージがいつまでも耳の奥にこだましていた。
翌日の最終公演では2つのビッグニュースが緊急告知された。ひとつは来たる7月26日、東京・お台場はZEPP TOKYOにてSHINPEI with MUSCLE ATTACK、AKIHIDE、DAIGOのBREAKERZソロプロジェクト3組による対バンイベント<BATTLE ROYAL ZEPP 2014~第1回ソロ報告会~>の開催。もうひとつは2012年~2013年にかけて行なわれた<BREAKERZ LIVE TOUR 2013“BEST”>の映像作品化。ますます輝きを増す活動展開に刮目すべし、だ。
取材・文◎本間夕子
■<DAIGO LIVE TOUR 2014 “DAIGOLD”>
2014年4月28日@TOKYO DOME CITY HALLセットリスト
1. THEME OF DAIGOLD
2. STAY GOLD
3. 無限∞REBIRTH
4. REVOLUTION EVOLUTION
5. ULTRA BRAVE
6. Realize
7. STAND UP!
8. I Wish
9. いつも抱きしめて
10. SUPER JOY
11. ジェラルミン
12. POP☆CORN
13. V-ROAD
14. SCAPE GOAT
15. 永遠のスペースカウボーイ
16. YELL
EN.1 いま逢いたくて…
EN.2 さわって
EN.3 I wanna be your star
EN.4 BUTTERFLY
EN.5 STAY GOLD
■<BATTLE ROYALE ZEPP 2014 ~ 第1回 BREAKERZソロ報告会~>
2014年7月26日(土) ZEPP TOKYO
開場17:00/開演18:00
出演:DAIGO、AKIHIDE、MUSCLE ATTACK
6,300円 (税込)※ドリンク代別 ※未就学児入場不可
チケット一般発売日:2014年6月28日(土)
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888
◆DAIGO オフィシャルサイト
◆BREAKERZ オフィシャルサイト
この記事の関連情報
【ライブレポート】BREAKERZ、全国ツアー<Bintage>完遂「声が出る限り、ずっとずっと」
BREAKERZ、ワンマンツアー9/23東京公演をニコ生中継
【インタビュー】BREAKERZ、3年ぶり8thアルバムが物語る熟成と限界突破「時代に左右されない新たな自由の幕開け」
【レポート】BREAKERZ、アルバム『Bintage』リリース記念イベントが灼熱「KKZ (=季節 感 ゼロ)」
BREAKERZ、3年ぶりアルバム『Bintage』を7月リリース「ヴィンテージワインみたいに」
【レポート】45歳のオールドルーキー“一之森大湖”が初ステージで金爆とデュエット、歌謡界の新星はDAIGOプロデュース
【ライブレポート】DAIGO、20周年記念公演にスペイシーな感動「これからも俺たちの旅は続いていきます!」
【ライヴレポート】BREAKERZのAKIHIDE、10周年記念公演は二部構成の集大成「みなさんと一緒に大きな生命の物語を作っていきたい」
【ライブレポート】BREAKERZのSHINPEI率いるMUSCLE ATTACK、二部構成の10周年記念公演に感謝の気持ち「この場所のために頑張れる」