【ライブレポート】T-BOLAN、活動休止を発表「“挑戦”という道を選びました。解散ではありません」

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T-BOLANが3月8日、大阪・オリックス劇場にて<T-BOLAN LIVE HEAVEN 2014 ~ Back to the last live!! ~>を開催した。

◆T-BOLAN 拡大画像

4年間で1,700万枚というセールスを記録した伝説のバンドT-BOLANは、1995年3月の大阪厚生年金会館(現・オリックス劇場)公演を最後にステージから姿を消した。ヴォーカル森友嵐士の心因性発声障害は回復の兆しを見せず、バンドは1999年に解散を発表。以降、13年。4人は空白の時を乗り越えて2012年に復活を宣言する。そして2014年のこの日、ラストライブとなってしまった大阪オリックス劇場へ、19年ぶりに彼らが戻ってきた。

待ちに待ったライブのレアチケットを手にすることができたファンの前に映し出される映像。それは、上映されたばかりのドキュメンタリー『T-BOLAN THE MOVIE ~ あの頃、みんなT-BOLANを聴いていた ~』のワンシーンだ。山中湖で復活を誓い合い、この日のライブにかける想いを共有し合ったメンバーミーティングの場面が場内に流れ、スクリーンの中でヴォーカルの森友嵐士がこう話す。

「山中湖で探していたピースは、今の時点では3月のライブ。それはT-BOLANの挑戦でもあるし、T-BOLAN復活をきっかけに自分たちの力にかえてゆくスタート。13年間置き去りにしたワンピースをステージの上でぶちかましにいきますか」

メンバーがスクリーンから消えると、もうこれ以上待ちきれないといったファンとステージとの間にあった幕が振り落とされ、いよいよライブがスタートした。

オープニングナンバーは、ライブの定番であった「Only Lonely Crazy Heart」だ。続いてライブ初披露となる「Be Myself」へ。のっけから客席は総立ちとなり、会場は興奮のるつぼに。そして時は、瞬く間に1990年代へとタイムスリップした。最初のMCで森友が客席へこう語りかける。

「<LIVE HEAVEN!~ Back to the last live!! ~>へようこそ! 19年ぶりだよ、19年ぶり。こんな日がくるとは思っていなかった」

すると会場からは「お帰りなさい!」「待ってたよ!」と場外まで響きわたる拍手が長く続いた。ステージは、デビュー曲「悲しみが痛いよ」、ミリオンセールスとなった名曲「Bye For Now」などのヒット曲を立て続けに披露、「一曲一曲聴くと、その時のことを思い出すでしょ? 音楽は面白いよね。みんなもそうでしょ?」と、森友は会場が一つになったことを確かめた。

「愛のために 愛の中で」、「LOVE」、「離したくはない」などのバラードは彼らの大きな魅力のひとつでもある。これら楽曲が続けて披露されたセクションには、改めて個々のプレイアビリティの高さが浮かび上がった。森友のカリスマ的な存在感と胸を鷲掴みにするような切ない声、いつも太陽のような笑顔でパンチの効いた演奏が魅力的なドラム青木和義、色気溢れる音色を出すギターに加えハイトーンなコーラスで楽曲を彩る五味孝氏、寡黙ながらも存在を主張するベースの上野博文。4人が奏でるサウンドには空白の時間など微塵も感じさせない。むしろ時を重ねて熟成された感すらある。

本編の終盤は、「Happiness」、「SHAKE IT」、「傷だらけを抱きしめて」といったアップテンポナンバーが立て続けに繰り出される。もはやステージも客席も、会場のすべてが大合唱を響かせた。しかし、ハッピーな時間が過ぎるのは速い。この日、ライブ本編で演奏されたナンバーは全23曲。90年代にヒット・チャートを賑わせたシングル曲のほとんどが披露され、ファンにとってはまさにベスト・ライブと言える充実のステージとなった。

もちろん客席からは盛大な声援が飛んで、ステージ上に再び4人が姿を現した。アンコール1曲目は、「離したくはない(シネマバージョン)」だ。3月21日に発売を予定している彼らのドキュメンタリーDVD『T-BOLAN THE MOVIE ~ あの頃、みんなT-BOLANを聴いていた ~』に収録されたこのナンバーは、ギタリストの五味孝氏の伴奏のみで森友が歌い上げる。このレアな場面に、会場は水を打ったように静まり返る、感動の名場面となった。

ステージはT-BOLANの歴史が物語られるようなセットリストが続く。演奏されたのは、2011年、山中湖にてメンバー4人が13年ぶりに集まり、最初にセッションされた「いじけた視線を君に語るより光を見たい」。初めはぎこちなかったという山中湖での彼らは、森友の何気ないピアノ伴奏に五味が加わり、そして自然と「T-BOLANに時間の壁はなかったと実感した」という、そんなきっかけとなった一曲だ。

そしてこのアンコールのMCでは、森友が19年前を振り返る。「19年前の3月26日、このステージが最後のステージになってしまいました。それからいろんな道のりがありました。本当にいろんなことがあったけど、こうやって今日ステージに立てたのも、みんなが応援してくれたお陰です。感謝を言うのは照れくさいけど、本当に心からありがとう」と今までの感謝の気持ちを言葉にすると、思いもよらない告知を続けた。それは、T-BOLANは渋谷公会堂を最後に活動休止をするというものだった。

「今日は報告があります。T-BOLANとして、ステージに立つのは今回と渋公で、ひとつ“。(マル)”をつけます。またここからは、さらなる俺たちの挑戦としてそれぞれが新しい道を進んでいきます」

ファンの「嫌だ~!!」という悲鳴が会場に響いた。

「嫌だとは言わない。いろんなことがあって、この4人で色んなことを話し合って、“挑戦”という道を選びました。だからと言って解散ではありません。T-BOLANは永遠です。これからの挑戦をぜひ、応援してくれたらなと思います。ありがとう!」

こう締めくくった森友。そして、ラストに彼らが選択した曲は「Smile」だった。その歌詞にはこうある。“誰よりも幸せになると誓って”。メンバーそれぞれが幸せになるために、もちろんファンにもそうあってほしいとの願いが込められたT-BOLANらしいメッセージだ。会場にはこの瞬間が終わってほしくないと言わんばかりの大歓声が溢れた。すべての演奏を終了したT-BOLANは、“ステージに置き去りにするしかなかった想い”にピリオドを送った。

森友は今後ソロ活動の再開を、五味はギターソロユニットelectro53を、ドラムの青木和義とベースの上野博文は新たなるユニットを結成することも発表となった。4人はそれぞれの未来のため、ラストライブとして追加公演を4月26日(土)の渋谷公会堂で行うことも決定している。

なお、T-BOLANの全てを網羅したアルバムBOXセット(7月10日発売予定)のリリースも発表された。4月30日(水)までに予約された方には、メンバー直筆のサインがプレゼントされる。

撮影◎田中聖太郎



■<T-BOLAN LIVE HEAVEN 2014 ~ Back to the last live!! ~>
3月8日(土) オリックス劇場 【完売】
開場:17時15分 開演:18時
全席指定 7,500円(税込)

3月21日(金・祝) 渋谷公会堂 【完売】
開場:17時15分 開演:18時
全席指定 7,500円(税込)

◆【追加公演】<T-BOLAN LIVE HEAVEN 2014 ~ Last live for the future ~>
4月26日(土) 渋谷公会堂
開場:16時45分 開演:17時30分
全席指定 7,500円(税込)
※3歳以下入場不可、4歳からチケットが必要
●森友嵐士ファンクラブ会員先行受付
https://www.moritomo-arashi.jp/
●プレイガイド最速先行受付
受付期間:2014年3月8日(土)21時~3月11日(火)23時59分
受付URL:http://l-tike.com/t-bolan2014saisoku/ (PC・MB・スマフォ対応)
※1人4枚までお申込みが可能です。
※申し込み順の受付ではありません。当落・座席などは、期間内に申し込みいただいた中から抽選で決定いたします。

■完全保存版アルバムBOX『T-BOLAN THE COMPLETE』
全オリジナルアルバムとアルバム未収録曲を収めた完全保存版BOXリリース決定!!!
2014年7月10日発売予定
【完全予約受注生産】ZACD-1002 税込17,280円(税抜16,000円)
・CD7枚組+特典DVD [本作のために編集したスペシャル映像収録!] 
・全曲デジタル・リマスタリング 
・32P ブックレット付(未発表写真掲載!!)
・全アルバムのジャケットを30cm LPサイズにリメイクしたスペシャル・パッケージ仕様[三方背BOX収納]
<収録CD>
『T-BOLAN』(1991.11.21発売)
1. 悲しみが痛いよ
2. 気絶するほど愛してほしい
3. くちびるはNO KISS
4. 離したくはない
5. DEAD END
6. Dreamin'
『BABY BLUE』(1992.4.22発売)
1. あふれでる感情
2. WALKIN' IN THE RAIN
3. JUST ILLUSION
4. Heart Of Gold
5. 想い出がさがしてる
6. Lovin' you
7. 薔薇色の悪女
8. Sorry My Love
9. Baby Blue
10. 離したくはない(アコースティックバージョン)
『SO BAD』(1992.11.11発売)
1. じれったい愛
2. ガラスの刹那さ
3. 瑠璃色のため息
4. My life is My way
5. ためらいの真実
6. あこがれていた 大人になりたくて
7. 壊れかけのHistory
8. BOY
9. SO BAD
10. サヨナラから始めよう
『HEART OF STONE』(1993.5.26発売)
1. びしょ濡れの優しさの中
2. すれ違いの純情
3. 涙の笑顔
4. Only Lonely Crazy Heart
5. Shiny Days
6. Out of Time
7. おさえきれない この気持ち
8. 泥だらけのエピローグ
9. Friends
10. Heart of Stone
11. Bye For Now
『LOOZ』(1993.12.8発売)
1. わがままに抱き合えたなら
2. 悪魔の魅力
3. Dear
4. 傷だらけを抱きしめて
5. 想い出の落書き
6. Hot Hip Love
7. 刹那さを消せやしない
8. Pretty Woman
9. Rockin' In The Life
10. 不安なくちびる
11. 真夜中のLove Song
『夏の終わりに ~Acoustic Version~』(1992.9.22発売)
1. サヨナラから始めよう
2. あふれでる感情
3. 遠い恋のリフレイン
4. Teenage Blue
5. Heart of Gold
6. 夏の終わりに
『夏の終わりに II ~Lookin' for the eighth color of the rainbow~』(1994.8.6発売)
1. 悲しみが痛いよ ~Acoustic version~
2. 泥だらけのエピローグ ~Acoustic version~
3. Lookin' for the eighth color of the rainbow ~8番目の虹の色をさがしに~
4. すれ違いの純情 ~Acoustic version~
5. シャイなJealousy ~Acoustic version~
6. マリア ~Acoustic version~
『アルバム未収録曲』(オリジナル曲)
・Hold On My Beat (1st SG C/W)
・Teenage Blue (3rd SG C/W)
・心のかたち (4th SG C/W)
・Words and Mind (5th SG C/W)
・鏡の中の嘘が微笑むよ (6th SG C/W)
・シャイなJealousy (7th SG C/W)
・Happiness (8th SG C/W)
・いじけた視線を君に語るより光をみたい (10th SG C/W)
・LOVE (11th SG)
・No.1 Girl (11th SG C/W)
・マリア (12th SG)
・心とかして (12th SG C/W)
・愛のために 愛の中で (13th SG)
・10 Years Love Story (13th SG C/W)
・Be Myself (14th SG)

■ドキュメンタリーフィルムDVD『T-BOLAN THE MOVIE ~あの頃、みんなT-BOLANを聴いていた』
2014年3月21日(金)発売
【DVD2枚組】ZABL-5020~21 ¥5,600円(税別)
・本編映像(約105分)
・特典映像(未公開映像含む約60分)
・ブックレット32P
※HMV店舗&HMVオンラインショップのみの販売
http://www.hmv.co.jp/news/article/1312110002/


◆T-BOLAN オフィシャルサイト
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