【インタビュー】Ray「最終話まで観てから改めて曲や歌詞と向き合ってもらえれば、また違ったものが感じられるんじゃないかな」

ポスト
2012年2月のデビュー以来、数々のアニソンを歌ってきたRayの5thシングルは、前期に引き続いてテレビアニメ『凪のあすから』のオープニングテーマに抜擢。ヒロインの切なすぎる心情を甘く伸びやかな声で歌い上げて、作品との完全なシンクロを果たすと同時に、誰もが共感できる普遍性を兼ね備えた珠玉のラブ・バラードとなっている。2013年夏に地元・北海道から上京したばかりで、“いまだに東京の人の多さには慣れないんです”と語る彼女。“アニソンの楽しさを全国に伝えたい”と、純情ピュアガールの野望は果てしなく広がってゆく。

◆Ray「ebb and flow」拡大画像

■今回は2期のヒロイン・美海の目線で歌われているバラード
■バラードをアニメの主題歌として歌うのはすごく嬉しかった


――これまで数々のアニメタイアップ曲を歌ってこられましたが、Rayさんご自身もアニメはお好きですか?

Ray:はい。放送されているものは出来るだけ全て見ようと、データが許す限り録画してて、とりあえず3話くらいまでは全部観ます。特に観ちゃうのが魔法系のファンタジーで、私、ちょっと現実離れした世界が大好きなんですよね。

――じゃあ、前回に引き続きオープニングテーマを担当することになった『凪のあすから』はドンズバだったんじゃありません? 海中に住む人々と陸に住む人々、二つの種族が存在する世界のお話ですから。

Ray:もう、ツボでした!(笑)でも、歌のほうは現実離れしてなくて、きっと男性女性関係なく皆さんが共感できる歌詞になっているんですね。前作の「lull~そして僕らは~」が主人公の少年・光の目線で描かれていたのに対し、今回は2期のヒロイン・美海の目線で歌われているバラードなんですよ。もともとバラードは大好きで、カラオケに行くとかなり高確率で歌いますし、それをシングルで、しかもアニメの主題歌として歌うのは初めてだったから、すごく嬉しかったです。

――これは聴かせどころだと。


▲初回限定盤

▲通常盤
Ray:そうですね。川田まみさんに詞を書いていただいた今回の「ebb and flow」は、もう本当に切ない片想いソングで……美海は光が好きで、でも、光はいなくなってしまった別の少女のことが好きなんです。それも全部わかっていて、美海は光のことを想っているんですよ。

――切なすぎる……! その切なさを歌声で表現するには苦労したのでは?

Ray:もちろん私も片想いの経験はあるんですけど、14歳の美海のようにちょっと大人っぽい女の子が自分の想いを素直に伝えられない心理を、どんなふうに表現しよう?っていうのは、すごく悩みましたね。タイトルの「ebb and flow」は潮の満ち引きを意味していて、好きな人に近づけた!と思ったら、ふとした瞬間に遠くに感じてしまう美海の心境を、そのまま表している言葉なんですよ。なので、時に強く歌ってみたり、もう消え入りそうな表現をしてみたりと、メリハリをつけて歌ってみました。

――曲の前半には、そんな美海の想いをズバリ表わした台詞も入っていて、切なさを倍増させていますよね。

Ray:そこは一番苦労した部分で、何度も何度も録り直したんです。今まで台詞付きの曲は何度か歌っているんですけど、やっぱりアニメのオープニング曲で、しかもその部分がテレビで流れるとなると、ちょっと意識が違うんですよね。主題歌として流れたとき、みんなどう思うんだろう?って正直不安だったから、放送まで緊張してました(笑)。

――実際、オンエアを観たときは?

Ray:私自身もハッとしました! 自分で歌ったし、完成した音源を何度も聴いてるのに、改めてアニメの映像と一緒に流れると、ちょっとドキッとするというか……また違った気持ちでしたね。

――美海というキャラクターが、あの台詞でフワッと浮き上がってくるような感じがしますよね。

Ray:そうですね。歌うときには常に主人公の気持ちになって歌うようにしているんですが、特に今回は明確に“美海”というものがあったので、もし、彼女と同じ想いや気持ちを抱えたら自分はどうするか?というのを頭に置いて歌いました。

――ちなみに自分が美海の立場になったらどうします?

Ray:……きっと美海と近い行動を取りそうですね。やっぱり好きな人には笑顔でいてもらいたいから、悔しいけど彼の恋を応援しちゃうかもしれないです。だから、割と美海の目線にはなりやすかったですね。

――MVも深海で人魚姫のような憂いを見せるRayさんが、後半は陸にあがってハッピーエンド……かと思いきや最後は宝石になってしまうという、これまた切ない仕上がりで。

Ray:あれは海の中で生活している女の子が、地上の女の子に憧れるっていうストーリーがあるんです。切なくて割と重い感じだったのが、曲が進むにつれて前向きになり、自分の中だけじゃなく外に語りかける感じになっていく歌声に合わせた展開になっているんですけど、この曲自体、完璧なハッピーエンドではないので。アニメのほうともいろいろリンクしている部分があるので、最終話まで観てから改めて曲や歌詞と向き合っていただくと、また違ったものが感じられるんじゃないかと思います。

◆インタビュー続きへ
この記事をポスト

この記事の関連情報