【インタビュー】DAIGO(BREAKERZ)、ソロ1stシングルリリース「自分の気持ち次第で人生は何回でもやり直せたり、生まれ変われる」
BREAKERZのDAIGOが7月31日、1stソロシングル「いつも抱きしめて/無限∞REBIRTH」をリリースする。BREAKERZメンバーが、それぞれのソロプロジェクト始動を発表したのが2013年2月。その第一弾となるギタリストAKIHIDEの1stソロアルバムに続く第二弾が、ボーカリストDAIGOの作品だ。
7月26日、“DAIGO☆STARDUST”名義にて行なわれた<帰ってゆくDAIGO☆STARDUST>のエンディングで彼がみせたのは、“僕にとって大事な一部”と語ったDAIGO☆STARDUSTと、DAIGOの合体だった。過去も現在もすべてを同化して生まれた新生DAIGOによるこのシングルは、「BREAKERZではやらないことをやろう」というDAIGOの言葉に集約される。
DAIGO☆STARDUSTデビューから10年、苦悩と試行錯誤のすえに確立したDAIGOスタイルが、彼ならではのユーモアと強い意志を交えて語られたロングインタビューをお届けしたい。
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■純粋にいいと思える楽曲、いいメロディと、いい歌を乗せて届けたい
■エレキギターが入ってないシングル曲は生まれて初めて
──DAIGO☆STARDUST以来、10年ぶりとなる“DAIGO”名義でのソロ活動がスタートしますが、その経緯から聞かせてください。
DAIGO:この5年間BREAKERZで突っ走ってきて、メンバーといろいろ話をしたときに、BREAKERZ号もちょっと一度メンテナンスが必要な時期だねということになったんです。僕は、BREAKERZが人生最後のバンドだと思っているので、より長く続けていくためにも一度ここでピットインしようと。ピットインとなる期間は、各々がソロ活動をして、またパワーアップした状態でBREAKERZをやれたらいいよねっていう。
──DAIGOさん自身、ソロ活動にあたって考えられた方向性は?
DAIGO:どうせならBREAKERZでやらないことをやろうと思いました。いい意味でBREAKERZとの差別化もできるし、新鮮な気持ちで取り組めるかなと。実際にいろいろな曲を作りながら考えてたんですけど、何をソロの第一歩として伝えるのがベストかな? と思ったときに、自分の中で純粋にいいと思える楽曲、いいメロディと、いい歌を乗せて届けたいなって。それはすごくシンプルなことなんだけど、原点に立ち返って伝えたいと思ったんですよね。その中でできたのがソロ1stシングルの1曲目「いつも抱きしめて」だったんです。
──この曲は優しい歌メロディが乗ったミディアムバラードですね。
DAIGO:アコギを弾きながらメロディを作ってたときに、なんかいい感じの曲ができて。勢いある楽曲にすることもできたんですけど、アレンジャーから上がってきたのが今回のミディアムバラードで。それがすごく気に入ったんですよね。
──アレンジャーは?
DAIGO:BREAKERZでのアレンジはね、メンバーみんなでやったり、SHINPEIがやってくれたりということが多いんですけど、今回はDAIGO☆STARDUSTのときから一緒にやってたパートナー的な存在の飯田匡彦さんなんですよ。
──久しぶりにお仕事をしてみてどうでしたか?
DAIGO:お互いにいろんな経験を経ての再会だったんで、10年前よりも地に足がついてるし、周りも見えてる。それぞれが成長した姿で一緒に取り組めたっていうのは大きかったですね。
──先ほど“BREAKERZでやらないことをやろう”というお話もありましたが、そこで生ドラムではなく打ち込みのリズムや、ピアノとストリングスがメインのアレンジも決まったんですか?
DAIGO:まず、こういう楽曲は打ち込みのリズムのほうがいいかもしれないっていう話になりましたね。でも、ストリングスは生でいきたいねと。テンポもキーも何回も変えたりして、しっくりくるまで時間がかかったんですけどね。エレキギターが入ってないシングル曲は生まれて初めてなので、なかなか歌いこなせなかったというのもあります。
──ストリングスのドラマティックな音色と、歌の感情がすごくかみ合っていると思いましたが、そこに辿り着くまでは大変だったと。
DAIGO:繊細な楽曲だからニュアンスを大事にしたくて、歌は何回も歌い直したんですよ。新人のときには許されないスタジオワークで。俺も何とかね、音楽で10年生き残ってきたから、時間がかけられたという。あとはレコード会社のビーイングが自社スタジオを持ってるっていう利点を活かし(笑)。
──かかる時間=予算、という制約が少ない利点(笑)。
DAIGO:ええ、その通り(笑)。時間をかければいいものができるかと言ったら、そうとも限らないんですけどね。ただ、これまでで一番っていうほど録り直しました。でもその分だけ納得いくものができたからよかったですね。
──歌詞では、“人生という旅の中で出会ったいろんな人との絆が自分を強くしてくれた”という想いが描かれていますね。
DAIGO:いろんな人との出会いがあって僕は今こうやって歩けてるっていうのがあるから。いろんな出会いに感謝だなって思うし。心が温かくなるミディアムバラードとして歌いたかったんで、歌詞も伝わりやすい形を意識しましたね。
──ダブルAサイドのもう一方、「無限∞REBIRTH」は勢いのあるロックチューンですね。バンド感が高い楽曲ですが、ソロ活動するにあたって書き下ろしたなかの1曲ですか?
DAIGO:そうです。まず、アニメ『カードファイト!! ヴァンガード』のオープニングテーマのタイアップ話があったんです。そのなかで、どういう曲がいいかな? と考えながら作り上げた曲ですね。俺は昔から8ビートの疾走感あるナンバーがずっと好きで、10年以上前から実践してきたDAIGO流8ビートナンバーの最新版という感じの曲です。
──この曲もアレンジャーが古くからのお知り合いだとか?
DAIGO:宅見将典さんもDAIGO☆STARDUST時代の楽曲をアレンジしてくれてた仲間の1人です。彼も凄まじい成長をしてて、またお互いこういう状況でめぐり会えたっていうのはホントにうれしいですね。
──歌詞の面では“何度でも僕らは生まれ変わる”というフレーズが印象的ですね。
DAIGO:“よく考えればあのときって挫折ポイントだったのかな”とか、思い起こすとそう感じる部分もあったりするんですよね。でも、1回や2回の挫折で諦めるのではなく、自分の気持ち次第で人生は何回でもやり直せたり、生まれ変われるんじゃないかな。だからこそ諦めないでほしいなっていう、自分なりのメッセージを込めました。僕自身、DAIGO☆STARDUSTからBREAKERZへ、そしてまたソロを始めて……何回か生まれ変わりをしてるんですよね。もちろん今のソロはBREAKERZがあるからこそできるものなんですが。
──そういう経験を経たDAIGOさんが歌うからこそ、すごく説得力を持って伝わってきました。
DAIGO:35歳になった僕だから作れた歌詞かなという気はしますよね。
──突き抜けるような歌唱がまた力強くて。
DAIGO:こういう勢いのあるロックナンバーは得意分野なので。でも、さっきの話じゃないですけど昔よりレコーディングに時間がかかるようになりましたね。それは自分がヘタになったのか、それとも本当に細かいところまでこだわるようになったのか……。
──HYDEさんはBARKSインタビューで、歳を重ねるにつれて“完成度を追い過ぎるようになった”という発言をされてましたよ。職人的になっていくというか。
DAIGO:HYDEさんは神ですから、僕はそんな域に達してないですよ(笑)! でも、ヘタになってたらそれはそれで問題ですから、そうじゃないと願いたいんですけど(笑)。ただ昔だったら気にならなかった細かいこと、それはピッチだったりニュアンスだったりなんですけど、昔より気になり出してる部分はあって。そこは10年前とはだいぶ違うかな。
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