NoGoD、ツアーファイナルで魅せた“性別も年齢も関係なくバカをやれる空間”

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センターを陣取るヴォーカル・団長いわく、“世界で唯一、笑顔がこぼれるへヴィメタル・バンド”NoGoD。初のライヴDVD『THE 10TH ATTACK LIVE TOUR 2012 THE 10TH GAME -FINAL-』を7月5日に発売したのに続き、開催された東名阪サーキット・ツアーが7月14日、渋谷WWWでファイナルを迎えた。

◆NoGoDライヴ@渋谷WWW 2012.7.14~拡大画像~

開演直前まで前に詰めるよう係員が誘導するほど、客席はスシ詰め状態。そこに妖しげな溜息が響きわたると、その声の主である団長が“週末メタル、濱守クローバーZです!”とステージを覆う幕から白塗りの顔を突き出して叫び、大爆笑の内にライヴはスタートした(注:濱守は団長の本名)。しかし、そんなユルい空気も、ひとたび演奏が始まれば一変。Kの強固な高速メタル・ビートに乗せてベース&ギターのへヴィなユニゾンが轟き、Kyrieが華麗な速弾きを披露して、めくるめくストロボ・ライトの中で拳とヘッドバンギングの嵐が召喚される。その様はまさしく圧巻の一言。凄まじいパワーで心を掴む“アグレッシヴ”と“ユニーク”の極端な振り切りようはハンパなく、それこそが彼らの最大の武器と言えるだろう。

<PREMIUM SHORT TOUR-2012-【Rare-Material】>というタイトルが示すとおり、“最近なかなかライヴでやれない過去のレア曲も出していこう”という趣旨で行われた本ツアー。中盤には「モノクロ」「夢」等、よりダーク色の勝るインディーズ時代の楽曲も披露されたが、レアゆえの違和感など当然あるわけがない。“NoGoDには、どんな曲もスッと入ってくるオロ●インのような優しさがある”という団長のMCを裏付けるように客席を沸かせ、なかでも印象的だったのが東京公演のみのスペシャル曲としてプレイされた名バラード「この世界に見放されても」。ラスト・インディーズ・ツアー以来、実に3年ぶりに披露されたメロディックな旋律とハイトーン・ヴォーカルが、ドラマティックに鳴り響いて客席の涙を振り絞る。

かと思いきや、オーディエンスが一斉に腕を左右に振るポップ・チューン「アタリマエ」、スーパー・テクニカルなプレイに酔いしれるインストゥルメンタル「青空」と、爽快な景色を描き出してメリハリあるシーン展開を繰り広げる様も見応え十分。加えて、黒を基調としたシックな新衣装で“イケメンにジョブ・チェンジした僕ら”(by団長)を堪能できたのも嬉しいところ。バッサリと髪を切った華凛のニコニコ笑顔と愛らしいパフォーマンスもパワー・アップして、その指から放たれる重低音との落差をさらに大きなものにしていた。“ギャップ萌え”とは、まさに彼らのために有るような言葉である。

重たいドラム、弦楽器隊による繊細なアンサンブル、そして浮遊感ある歌声が幽玄なる世界を創り上げる「輪廻天昇」等、久々の曲を交えつつクライマックスの熱狂はグングンと温度を上げてゆき、Shinnoに“もう酸欠状態”と言わしめるほど。鳴り止まぬ拍手に応え、“もう、東京ったら……この欲しがりさん!”(団長)と始まった完全予定外のダブル・アンコールでは、定番曲「ノーゴッド」でフロント陣が客席に突っ込み、団長は何度も背面ダイブ! 最高の熱と最高の笑顔が交錯するなか、“俺たちにしかできないことを、お前たちにしか貰えないものを、確かに今日見つけたぞ!”という団長の叫びは純度100%の輝きを放って、最高の感動を導き出す。へヴィ・メタル、ヴィジュアル系……彼らを形容する全ての枠組みを超えた、まさしく“究極のエンターテインメント”がそこにあった。

メジャー2ndアルバム『現実』以来、1年2ヶ月ぶりとなる待望の音源リリースも、この日のステージで発表。10月10日に発売されるニュー・シングルは“シンプルなロック”とのことなので、続いて行われる秋の8都市ワンマン・ツアーでも、よりダイレクトに熱を感じ取れるパフォーマンスが期待できそうだ。

ステージの去り際に、“性別も年齢も関係なくバカをやれる空間を守っていきたい”と言い残してくれた団長。バカをやりたい貴方はぜひとも秋のワンマンに、それが待ち切れなければ夏いっぱい全国を横断するイベント・ツアーに足を運んでみてほしい。そこにはライヴの本質である“楽しさ”が目一杯詰まった、素晴らしい空間が待っているはずだ。

取材・文●清水素子

<セットリスト>
1.Introduction
2.敬虔
3.愚蓮
4.モノクロ
5.夢
6.絶色
7.この世界に見放されても
8.アタリマエ
9.水中花
10.青空
11.Downer’s high
12.愛してくれ
13.世愁歌
14.輪廻天昇
15.PAIN
16.万黒深層大サーカス
17.憎愛アンチテーゼ
-EN-
1.love song?
2.アイデンティティー
3.神風
-EN2-
1.ノーゴッド

<秋のワンマン・ツアー>
10/19(金)名古屋 ell fit's all
10/21(日)京都 MOJO
10/24(水)福岡 DRUM Be-1
10/25(木)広島 並木ジャンクション
10/27(土)大阪 阿倍野ROCKTOWN
11/2 (金)仙台 MACANA
11/4 (日)札幌 KRAPS HALL
11/10(土)東京 新宿BLAZE

<夏のイベント・ツアー>
7月28日(土)Shibuya O-EAST
7月29日(日)Shibuya O-EAST
8月5日(日)水戸ライトハウス
8月7日(火)札幌KRAPS HALL
8月8日(水)札幌KRAPS HALL
8月10日(金)仙台HOOK
8月11日(土)高崎CLUB FLEEZ
8月24日(金)名古屋E.L.L
8月25日(土)心斎橋BIGCAT
8月26日(日)岡山IMAGE
8月29日(水)広島CLUB QUATTRO
8月30日(木)福岡DRUM Be-1
9月1日(土)高松DIME
9月2日(日)姫路BETA
9月8日(土)Shibuya O-WEST

<K-Bithday Party-Special Acoustic Live【晩飯食ったか?】>
9月4日(火)心斎橋 Music Club JANUS
※アコースティック ワンマン

◆NoGod オフィシャルサイト
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