謎のバンド“Teardrop”のプレミアム・ギグで登場した主役は、やはりアノ人!

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4月25日付けBARKSで報じられた、謎のバンド:Teardropのプレミアム・ギグ<xx“SHOW CASE”xxx>(@SHIBUYA CLUB CRAWL・2011/04/27)を目撃してきた。

◆謎のバンド“Teardrop”のプレミアム・ギグ~拡大画像~

その事前情報からバンドの正体を想像することはできていた。が、もし想像が正しければ、バンドは全国ツアーの初日が翌々日に迫っていることになり、無謀にも思えるスケジュールだし、ライブハウスというキャパシティでのギグは奇蹟と言っても過言ではない…果たして推測は当たっているのか?

そんな期待と不安で会場である渋谷クラブ・クロールに向かう。事前の情報によれば、19:30開場でチケットは当日券のみということだ。小雨が降りだす中、渋谷駅から足早に会場を目指す…。普段はそれほど人通りが多くない会場前の通りに大勢の人が溢れている。主催者の発表によれば、数日前の発表にも関わらず、このライブのことを、書きこみ・Twitterなどで知った人々、およそ1,000人がチケットを求めて集まった。チケットは公平を期するため抽選制となり、幸運な約170人がチケットを手にした。

予定時刻より15分ほど押し、19:45開場。ホールに足を入れたオーディエンスが異口同音に言う。「えっ!?ステージまでこんなに近いの?こんな小さな会場で観ることができるの?」驚きと喜びが交差した声だ。それと当時に、これほど小さいライブハウスで彼がライブを本当にやるのか?そんな不安が頭をよぎる。ただ、主役の登場を待つステージを観ていると、不安は取り除かれ、それが確信に変わって行く。6メートルほどの幅のステージの中央やや左にドラム。それに寄り添うように両脇にキーボードとベースがセットしてある。そしてそのドラムの前にFENDERのアンプ。さらにステージの横には見覚えのあるFENDERのギター…。やはり正体は彼に違いない。

そして20:13ステージにMCが登場し「are you exciting?」と会場を煽るなか、バンドのメンバーがステージに現れる。その中の一人、黒のパーカーをはおり、フードをすっぽり被った男がギターを抱え、センターのマイクの前に立つ。その瞬間爆音で1曲目が始まった。曲は「No Name」。INORANだ! もの凄いテンションの演奏だ。曲目をメモろうとする手が震える。小さなライブハウスのステージにINORANが立っていることに興奮しているのかと思ったが、すぐにそうではないことに気づく。演奏だ。異常なまでの集中力と爆発力を備えた演奏だ。会場の温度が軽く2~3度は上昇したと思う。前にいた女性がもう覚悟を決めたように音に身を委ねて行く。2曲目はアルバム『Teardrop』のリード曲「SuperTramp」。CDで聴いた段階から全身の血が騒いだとびっきりハードなナンバーだ。それがライブで演奏される…この瞬間、会場に居ただれもが思ったはずだ「ロックを愛していてよかった」と。快楽!快楽!快楽!ひたすら身体が気持いい。

MCを挟む「ライブがやりたくて仕方なかった。震災があり、ライブが一度キャンセルになって…。震災の時、僕らはツアーの最終リハーサルだった。そのトップギアをキープしたまま今日まで来ました。今日はみんなの顔がよく見える。みんな楽しんで行って欲しい!」。


3曲目、4曲目、5曲目が立て続けに演奏された。どの曲も圧巻の演奏だったが、M5となった「Parallel Reality」でのINORANのヴォーカルは際立っていた。今更ながらだが、INORANはソロアーティストであると同時にLUNA SEAのギタリストだ。そのギタープレイをLUNA SEAのドラマー真矢は「LUNA SEAのライブで音の迷子になった時はINORANのギターのモニターヴォリュームを上げるんだ」と評していた。誤解を恐れずに言うならINORANは個性派集団LUNA SEAのまとめ役のような存在なのかもしれない。

それが今夜は違う。感情をむき出しにしてギターを弾いている。それがINORAN自身の魂の火を点けたのであろうか、「Parallel Reality」ではヴォーカルとギターが同じレベルで鳴っている。上手く言い得ていないと自覚はしているが、ギタリストが唄うとギタープレイとヴォーカルの間に、正直どこか距離を感じる。それがこの曲で完全になくなった。しかもバンドのグルーブもそこにかぶさってくる。ヤバい。完全にノックアウトされそうだ。再びMCを挟む「もうあと数曲です。でもまだみんな2ndギアじゃない?5速、6速、7速…もっともっと上げて行こうぜ!」と。

6曲目「Nasty」、そして7曲目は前作アルバム『WaterColor』から「時化」。この曲の演奏中、INORANはギターを頭上に掲げ、さらに、ステージ前のオーディエンスにギターを差し出す。「お前らも弾いてみろ!」と挑発しているようだ。もちろん、最前のオーディエンス数人がギターに手を伸ばしかき鳴らす。INORANが満足そうな笑顔を見せる。まるで「そうだ、音楽は身体で楽しむものだ!」と言わんばかりの表情だ。そして、いよいよラス曲。「ラストにもう一度「SuperTramp」!みんな悔いのないように暴れろよ!」。

3月11日以降、全ての日本人が被災地・被災者の復興を祈ってきた。もちろん、その祈りはまだまだ続く。ステージに立つINORANも音楽だけではなく、チャリティのブレスレットを作り、販売し、復興を支援している。でも、根本的な大事なことがある。人を元気に出来るのは元気な人だけだ。考えてばかりじゃだめだ。この日演奏された曲は全部で8曲。時間にして30分強。その間、小さなライブハウスで汗だくになっていた約170人のオーディエンスは、何かを感じていたのではあるまいか? それは…音楽の力、そのとてつもない力だ。

「ありがとう!日本青年館でな!」そう言葉を残し、INORANはステージを去った。

今日のステージは、序章だ。おそらくINORAN自身が、まだまだギアは上げられると実感した筈だ。4/29(金・祝)・日本青年館から始まる全国ツアーでINORANはどんな音楽の力を見せてくれるのだろうか?あなたもそれを体感したくないか?

<xx“SHOW CASE”xxx>(@SHIBUYA CLUB CRAWL 2011/4/27)
M1 No Name
M2 SuperTramp
M3 Your light Is Blinding
M4 Santa Ana Afternoons
M5 Parallel Reality
M6 Nasty
M7 時化
M8 Super Tramp

<Live Tour 2011「Teardrop」>
4.29(金・祝)日本青年館
4.30(土) 日本青年館 SOLD OUT!!
5.15(日)福岡DRUM Be-1
5.19(木) 恵比寿LIQUIDROOM SOLD OUT!!
5.23(月)大阪BIG CAT
5.24(火)名古屋ボトムライン
5.30(月) 仙台darwin

NEWアルバム『Teardrop』
2011.04.13リリース
M1 No Name
M2 SuperTramp
M3 Your Light Is Blinding
M4 glow
M5 Parallel Reality
M6 The Hill
M7 Nasty

【初回完全限定盤】 CD+DVD
(“SuperTramp”Music Clip)+シリアルナンバー入り写真集
KICS-91647 ¥5,500(tax in)
【通常盤】 CD
KICS-1647 ¥1,800(tax in)
※通常盤初回製造分のみ“LUNA SEA”REBOOT記念
連動キャンペーン応募券封入

◆INORAN オフィシャルサイト
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