DIR EN GREY、発売間近のシングル「LOTUS」にまつわる重要証言が到着
去る1月5日と6日、東京・新木場STUDIO COASTでの二夜公演をもって、<THE UNWAVERING FACT OF TOMORROW TOUR2010-2011>と銘打たれた年末/年始をまたぎながらのショート・ツアーを終了させたDIR EN GREY。FC会員限定ライヴを含めても全6本というわずかな公演数ではあったが、その模様を目撃した誰もが確信させられることになったのは、“最狂”というキーワードを掲げながら揺るぎないものを追求/提示し続けてきた彼らが、現在、本当の意味で過去最強の状態にあるという事実だろう。
◆DIR EN GREY、「LOTUS」にまつわる重要証言~拡大画像~
ツアー初日から、フロントマンの京が坊主頭でステージに登場するというサプライズを伴いながら幕を開けたこのツアーでは、1月26日に発売を控えている約14ヵ月ぶりのニュー・シングル「LOTUS」の先行披露や、1999年12月の大阪城ホール公演以降まったく演奏されてこなかった「mazohyst of decadence」をはじめとするレアな楽曲の登場といった具体的な要素も話題を集めた。が、そうしたこと以上に重視すべきなのは、この時点において『UROBOROS』発表以降の大きな流れが最終地点に到達し、それに呼応するライヴ・パフォーマンス自体についても一応の最終形確立に至ったということだろう。もはや今回の東名阪ツアーにおいては『UROBOROS』からの選曲自体がセットリストの半数以下になってはいるものの、『UROBOROS』を基準としながら破壊と再構築を重ねられてきた過去が、ここにきてすべて同列のものとして完全消化された状態にあるのは疑う余地もない。
さらにステージ芸術という側面においても、それは同じこと。2010年冒頭の日本武道館での二夜公演では、現在のDIR EN GREYならではの世界観といったものが最大級のスケール感をもって体現されることになったわけだが、以降のツアー全般を通じて段階を踏まえながら進化を重ねてきた“音楽と共鳴する、光と影が織りなす視覚的表現”も、このツアー終了と同時に完成をみたと言っていいだろう。
もちろん同時に、こうした時間経過を総括するばかりではなく、そこには“これから”についてのヒントも散りばめられていた。「LOTUS」をはじめとするいくつかの楽曲で、薫とDieの双方が7弦ギターを用いていた事実などは象徴的な要素のひとつといえるはずだし、そうした演奏形態が「LOTUS」に限ったものではなかった事実もまた、彼らのヘヴィネス追求が昨日や今日になって始まったものではないことを物語っていたように思う。
ところで、この「LOTUS」と題されたニュー・シングルについて海外の著名エンジニアがミキシングに携わっているのは既報の通りだが、彼らから今回のプロジェクトに関するコメントが届いているのでご紹介しておこう。まず、表題曲の「LOTUS」と現在形にアップデートされた「OBSCURE」のミックスを担当したジェイソン・スーコフ(過去にTRIVIUMやALL THAT REMAINSなどの作品を手掛けている)は、次のように語っている。
「私がこの音源に携わった者として言えるのは、DIR EN GREYの独特の世界観を持ったメロディックな資質には、非常に特筆すべきものがあるということです。もちろん同時に、残忍にロウ・チューニングされたリフと、凶暴な唸り声やグロウル、超高音までもが同居する耳を惹くコーラスの恐るべき展開には、壁に叩きつけられるような衝撃をおぼえ、まさに大興奮させられました。これらの楽曲のミックスを手掛けることを私自身、心底楽しませてもらいました。世界を飛び越えながら共に音楽を作りあげるという素晴らしい体験でしたし、新しい経験でもありました。なにしろ私にとってはDIR EN GREYこそが、初めて一緒に仕事をすることになった日本のバンドですし、彼らが私を選んでくれたことについては、絶対的な感謝の気持ちを抱いています」
そして今作に同時収録されている「冷血なりせば」のライヴ音源のミックスを手掛けているのが、AUGUST BURNS REDやTHE HAUNTEDとの仕事で知られるチュー・マッドセン。彼は次のように語っている。
「DIR EN GREYはクレイジーな集団ですね! ミキシング用のトラックが提示されたときは、まったく理解しがたい感覚でした。しかしその狂気が私の頭とコンピュータのなかで整理されていくにしたがい、本当に素晴らしいものがスピーカーから聴こえてくるようになりました。その音自体が私をとらえ、私自身がこれまで知らなかった場所、行きたいと思ったことすらなかった場所へと導いていくことになったのです。だからこそ私は、できることなら将来的にもっと彼らの楽曲に関わってみたいと思っていますし、その機会を心待ちにしています。とにかく今回、彼らと仕事をすることができて光栄に思っていますし、これから先、もっとこうした機会が訪れることを願っています」
ツアー終了とともにひとつの流れを完結させ、同時にこの「LOTUS」を新たな起点としながら新章の幕を開けることになったDIR EN GREY。すでに現在は地下作業に没入している彼らから次にもたらされるのは、次のツアーに関する情報なのか、もしくは『UROBOROS』に続くアルバムの詳細なのか? どちらについても待ち遠しいかぎりだが、まずはこの最新シングル、「LOTUS」にすべての視線と好奇心を集中すべきだろう。
文●増田勇一
NEW SINGLE「LOTUS」
2011年01月26日(水) RELEASE
初回生産限定盤(CD+DVD) SFCD-0078~79 \1,890 (tax in)
通常盤(CDのみ) SFCD-0080 \1,260 (tax in)
[CD]
1.LOTUS
2.OBSCURE
3.冷血なりせば ※Live take at SHINKIBA STUDIO COAST on July 20, 2010
[DVD]初回生産限定盤のみ
“THE UNWAVERING FACT OF TOMORROW TOUR2010”
2010.07.21 SHINKIBA STUDIO COAST
・残
・LIE BURIED WITH A VENGEANCE
・逆上堪能ケロイドミルク
◆DIR EN GREYオフィシャルサイト
◆DIR EN GREYオフィシャル オンライン・ショップ
◆DIR EN GREYオフィシャル myspace
◆DIR EN GREY、「LOTUS」にまつわる重要証言~拡大画像~
ツアー初日から、フロントマンの京が坊主頭でステージに登場するというサプライズを伴いながら幕を開けたこのツアーでは、1月26日に発売を控えている約14ヵ月ぶりのニュー・シングル「LOTUS」の先行披露や、1999年12月の大阪城ホール公演以降まったく演奏されてこなかった「mazohyst of decadence」をはじめとするレアな楽曲の登場といった具体的な要素も話題を集めた。が、そうしたこと以上に重視すべきなのは、この時点において『UROBOROS』発表以降の大きな流れが最終地点に到達し、それに呼応するライヴ・パフォーマンス自体についても一応の最終形確立に至ったということだろう。もはや今回の東名阪ツアーにおいては『UROBOROS』からの選曲自体がセットリストの半数以下になってはいるものの、『UROBOROS』を基準としながら破壊と再構築を重ねられてきた過去が、ここにきてすべて同列のものとして完全消化された状態にあるのは疑う余地もない。
さらにステージ芸術という側面においても、それは同じこと。2010年冒頭の日本武道館での二夜公演では、現在のDIR EN GREYならではの世界観といったものが最大級のスケール感をもって体現されることになったわけだが、以降のツアー全般を通じて段階を踏まえながら進化を重ねてきた“音楽と共鳴する、光と影が織りなす視覚的表現”も、このツアー終了と同時に完成をみたと言っていいだろう。
もちろん同時に、こうした時間経過を総括するばかりではなく、そこには“これから”についてのヒントも散りばめられていた。「LOTUS」をはじめとするいくつかの楽曲で、薫とDieの双方が7弦ギターを用いていた事実などは象徴的な要素のひとつといえるはずだし、そうした演奏形態が「LOTUS」に限ったものではなかった事実もまた、彼らのヘヴィネス追求が昨日や今日になって始まったものではないことを物語っていたように思う。
ところで、この「LOTUS」と題されたニュー・シングルについて海外の著名エンジニアがミキシングに携わっているのは既報の通りだが、彼らから今回のプロジェクトに関するコメントが届いているのでご紹介しておこう。まず、表題曲の「LOTUS」と現在形にアップデートされた「OBSCURE」のミックスを担当したジェイソン・スーコフ(過去にTRIVIUMやALL THAT REMAINSなどの作品を手掛けている)は、次のように語っている。
「私がこの音源に携わった者として言えるのは、DIR EN GREYの独特の世界観を持ったメロディックな資質には、非常に特筆すべきものがあるということです。もちろん同時に、残忍にロウ・チューニングされたリフと、凶暴な唸り声やグロウル、超高音までもが同居する耳を惹くコーラスの恐るべき展開には、壁に叩きつけられるような衝撃をおぼえ、まさに大興奮させられました。これらの楽曲のミックスを手掛けることを私自身、心底楽しませてもらいました。世界を飛び越えながら共に音楽を作りあげるという素晴らしい体験でしたし、新しい経験でもありました。なにしろ私にとってはDIR EN GREYこそが、初めて一緒に仕事をすることになった日本のバンドですし、彼らが私を選んでくれたことについては、絶対的な感謝の気持ちを抱いています」
そして今作に同時収録されている「冷血なりせば」のライヴ音源のミックスを手掛けているのが、AUGUST BURNS REDやTHE HAUNTEDとの仕事で知られるチュー・マッドセン。彼は次のように語っている。
「DIR EN GREYはクレイジーな集団ですね! ミキシング用のトラックが提示されたときは、まったく理解しがたい感覚でした。しかしその狂気が私の頭とコンピュータのなかで整理されていくにしたがい、本当に素晴らしいものがスピーカーから聴こえてくるようになりました。その音自体が私をとらえ、私自身がこれまで知らなかった場所、行きたいと思ったことすらなかった場所へと導いていくことになったのです。だからこそ私は、できることなら将来的にもっと彼らの楽曲に関わってみたいと思っていますし、その機会を心待ちにしています。とにかく今回、彼らと仕事をすることができて光栄に思っていますし、これから先、もっとこうした機会が訪れることを願っています」
ツアー終了とともにひとつの流れを完結させ、同時にこの「LOTUS」を新たな起点としながら新章の幕を開けることになったDIR EN GREY。すでに現在は地下作業に没入している彼らから次にもたらされるのは、次のツアーに関する情報なのか、もしくは『UROBOROS』に続くアルバムの詳細なのか? どちらについても待ち遠しいかぎりだが、まずはこの最新シングル、「LOTUS」にすべての視線と好奇心を集中すべきだろう。
文●増田勇一
NEW SINGLE「LOTUS」
2011年01月26日(水) RELEASE
初回生産限定盤(CD+DVD) SFCD-0078~79 \1,890 (tax in)
通常盤(CDのみ) SFCD-0080 \1,260 (tax in)
[CD]
1.LOTUS
2.OBSCURE
3.冷血なりせば ※Live take at SHINKIBA STUDIO COAST on July 20, 2010
[DVD]初回生産限定盤のみ
“THE UNWAVERING FACT OF TOMORROW TOUR2010”
2010.07.21 SHINKIBA STUDIO COAST
・残
・LIE BURIED WITH A VENGEANCE
・逆上堪能ケロイドミルク
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