清木場俊介、人間味あふれるロックアルバム『ROCK&SOUL』大特集

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清木場俊介

5thアルバム『ROCK&SOUL』2010.11.24リリース

INTERVIEW

――今回のアルバムは、沖縄での曲作り合宿からスタートしたとか?

清木場俊介:1月末に武道館でツアーが終わって、2か月ぐらい休んで、4月に沖縄に行ったんですよ。(川根)来音と二人で行って、最初はドラムとピアノと一緒にジャムりながらメロをつけていったんですけど、やっぱりアコギがいいということで、やり方を元に戻して。20曲は作ろうと思ってたんですけど、結局15~16曲しかできなくて、最後のほうは来音と険悪なムードになってましたね。「おまえ、才能ねぇな」とか言い合いながら(笑)。でもそれもいい思い出です。で、一番最初にできた曲が「魔法の言葉」。だから歌詞が、すごく沖縄っぽい初々しさがあるでしょ?

――月の光に誘われ、砂の足跡辿れば…ああ、確かにそうですね。

清木場:もう見たまんま(笑)。ホテルに結婚式場が隣接していて、新婚の夫婦が砂浜で写真を撮ったりしてるのをずっと見てたから。それで「プロポーズ」という曲も書けたし、そのへんはすべて沖縄での出来事が入ってます。

――結果的に伸びやかな、開放的な曲がぐっと増えました。

清木場:そうですね。ようやく闇を抜けた感があります。

――レコーディングはいつものメンバーで?

清木場:今回はレコーディング・プロデューサーとアレンジャーを弥吉(淳二/G)さんに頼んで、弥吉さんが知ってるミュージシャンの方と一緒にやったりしています。染谷(俊/Key)さんに全曲やってもらった以外は、初めての方も多くて新鮮でした。弥吉さんはアメリカン・ロックの要素が強い人なので、ギターの感じもすごくロックで、やりやすかったです。僕の今の気分はアメリカン・ロックで、突き抜ける開放的な部分が、表現していて気持ちいいところなので。

――シンプルでダイナミックだと思います。

清木場:音数はそんなに入れてないのに、しっかりグルーヴがあってロックしてる。ドラム、ベース、エレキ2本、アコギ1本、あとオルガンとか、それだけで十分成立するということを教えてもらいましたね。それが音楽の本質というか。

――バラードとアップテンポのバランスは?

清木場:意識しては作りますけど、できたらできたものを入れるという感じです。でもバラードを多くは入れたくないですね。今の気分はロックしたいので、とにかくライヴで盛り上がる曲がほしいんですよ。今ライヴで定番になってる曲があるんですけど、それに代わる新しい曲を作ろうというのがテーマだったので。「唄い人」に代わる曲が「GO!WAY!」だったり、「人間じゃろうが!」の続編みたいなのが「終わりなき旅路の中で…」とか、どんどん曲を塗り替えて行きたい気持ちがすごくある。定番になっている曲も急に受け入れられたわけじゃなくて、何度も伝えることで育っていったわけだから、今回の曲もしっかりツアーを1~2年回れば、絶対に届けられる自信があります。自分勝手に唄い上げるんじゃなくて、ファンと一緒に曲をどんどん育てたいと思ってます。

――そういう気持ちになれたことが、以前とはちょっと違うところですか。

清木場:そうですね。今回はファンに届けたいという気持ちがすごく強いので。ソロになって5年たちますけど、やる理由がそこだけになっちゃったんですよ。もちろん自分が表現したいということはありますけど、とにかくファンに届けたい。昔はそれがなくて、「俺が唄いたい唄と表現したい音楽があればそれがロックだ」みたいな、訳のわからないことを言ってたんですけど(笑)。最近本当に自分がやる意味を考えると、全国で聴いてくれる人がいるからこそやれてるんだという、当たり前のことがわかったので、とにかく早く届けに行きたい。いろんなものが取れて、やっと普通の音楽家になってきたと思います。

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