ザ50回転ズ、全世界のロックンロール中毒者に捧げるミニ・アルバム『ロックンロール・マジック』特集

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ザ50回転ズ

レコード会社再収容 第一弾ミニ・アルバム『ロックンロール・マジック』2010.11.17リリース

INTERVIEW

──もちろん音源も凄いんですけど、今回はDVDが最高ですね。まずは、この大活劇の内容を凝縮してご解説いただけたらなと。

ダニー:まずですね、曲と連動しているのが大前提にありまして……。1曲目の「I can not be a good boy」は、“もういい子じゃいられない!”と。その歌詞を象徴する場面が、ロックンロール少年院なわけです。僕らが出会った“ロックンロール少年院”を抜け出すところから、物語が始まるんですが……。ドリー君!

ドリー:(笑)抜け出そうとするんですが失敗し、そして、ひょんなことから“タイムマシン型ギター”を手に入れ……。

ダニー:そう! その“タイムマシン型ギター”を持ってきたのがボギー君!

ボギー:鉄仮面美少女といいますか、鉄仮面女子高生といいますか(笑)。

──(笑)どんな話だよって感じで、読者さんは混乱するかもしれませんが……。鉄仮面女子高生にもらったタイムマシンで、様々な時代と場所をかけめぐるという。

ドリー:はい。それが、2曲目の「夢見るタイムトラベラー」ですね。

ダニー:で、ロックンロールのある色んな時代へ旅しながら、女の子と恋しながら……。金髪美女とあんなことやこんなこともしちゃいながら、っていうのが!?

ドリー:「いけないビート」ですね。

ボギー:で、未来にも行き、ゾンビに襲われ、銃が使えるギター型タイムマシンで……。

ダニー:ババババババッ! とぶちかます、というふうに、まだまだ色々なことが続くわけなんですが。ギター型タイムマシーンありゾンビありギャルあり、むっちゃくちゃのごった煮ロックンロール・ムービーができたなと、それがかいつまんだ解説でございます。

──今の時代、これだけ手間をかけてこれだけバカバカしいことをやってる人たちって、なかなかいませんよ(笑)。ロックンロールってやっぱ楽しいよなってあらためて感じさせてくれるような音と映像、素晴らしいです。

一同:ありがとうございます!

──その映像も、インパクト大です。さっきも話に出た「I can~」みたいな、ロックンロールでもあり、ものすごいポップでもある曲が1曲目にきて、いきなり驚く人もいそうな気がするんですよね。

ダニー:まさかの!? みたいな感じですよね。まぁでも、僕たちがずっと歌いたいことは、結局こういうことやし。僕ら3人とも共通してズガーンとヤラレた、最初のルーツみたいなバンドってザ・ブルーハーツだったんです。僕の場合は、音楽好きやのにバンドも組まれへんし……って思いながら、昼休みに昼飯食ってたんですね。そしたら、ウチの学校は昼休みに放送部が好きな音楽流していいっていう学校だったんですけど、ある日急に、ギターもベースもドラムも声もクソでかい、たまんねぇーっ! っていう音楽が流れて来て、それがザ・ブルーハーツの1stだったんですよ。あれはもう本当に、全ての時が止まってしまうような一瞬で、“ロックンロール・マジック”にかかった最初の一日目やなと思うんです。で、ケツの「ロックンロール・マジック」っていう曲で、“なるほど! こういうフレーズか!”みたいな。ロックってやっぱカッコええんやな、これが“ロックンロールの魔法”なんやなって感じられるようなものが来るっていう、この作品はそういう流れで出来てるじゃないかと自分らでは思ってるんですけどね。

──このフレーズとか、ギターリフ聴いたら“やべぇ!”ってなっちゃうような、ね。理屈抜きのカッコよさみたいな感覚って、ロックにはやっぱりありますよね。

ダニー:そうそう。いまだにね、バンドで音出す瞬間はたまらんし。お客さんがおっても、おらんでも。その“ロックンロール・マジック”の一番最初は、放送室から流れてきたあのナンバーやと思います。そこから、例えばザ・ブルーハーツとかのルーツにあるチャック・ベリーだとか、ドクター・フィールグッドだとか、ブルースとかザ・ビートルズももちろんそうやけど、大人になってたくさんの音楽を知っていく中で、自分の音楽の好みが広がって希釈されていくんかと思ったこともあったけど、変わんないんですねこれが。変わらない自分がおってちょっと安心したのがウィルコ・ジョンソンのこないだの来日と、AC/DCの来日で。2つとも、一発聴いて“たまらーんっ!”ってなったのが、よかった~。“ロックの魔法”はまだ解けてなかったと思って安心しました(笑)。

──そういう色々なバンドの“たまらん感じ”を消化して、ザ50回転ズは自分たちの作品を生み出しているんじゃないですか? ロックの色々な魅力を吸収して、自分たちの形として表現しているというか。

ダニー:あぁーっ、そうですね。それを1回飲み込んだうえで、咀嚼して出しているぶん、ザ50回転ズの曲は“僕らの子供”っていう感じではありますよね。例えば、スタイルをコピーするっていうことで、ブルースやったら「ズッズズッズ、ズッズズッズ」みたいなリズムばっかやっときゃブルースかっていうたら、そうではないですよね。パンクなら、ベースを下のほうにぶらさげて“Fuck off!”をやればパンクかっていうのも違います。1つのギミックとしてそういうのはすごい好きなんやけども、例えば、AC/DCのライヴを観た翌日に書いた「S.O.S!」というハードロックナンバーも今回はあるんですが、それもやっぱり俺ら流になるんですよね。AC/DCをウチらがやるなら、もっと速いほうがカッコええんちゃうか!? とか言い出して、だったらそれにモーターヘッド風味を足すか?みたいな(笑)歌詞は俺が最高のもの思いついたからあとは気合いで鳴らすか! みたいな曲なんですね(笑)。

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