Ngatariの作品に広がる、瑞々しい深さと溢れる温かさ

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美しく天使のような歌声のジェシカと、あり溢れる才能を持つコンポーザー兼ピアニスト須山真怜によるユニット、Ngatari(ガタリ)。彼らのフル・アルバム『ナビュラー・フォー・サーティーン』がリリースとなった。

ジェシカは2000年にメジャーよりデビュー、2005年までにインディーを含め、アルバム1枚、ミニ・アルバム2枚、シングル4枚を発表、「壊れそうなほど繊細なその歌声に秘められた熱い魂。和製ビョークと称されるアーティストは少なくないが、これだけ存在感のある人も珍しい」と評されたヴォーカリストであり、発声法を織田佳子、吉武由子の各氏に師事し、自身の作品のほかmono、World's End Girlfriend、Joseph Nothingをはじめ多くのアーティストと共作を行なってきた。

コンポーザー兼ピアニストの須山真怜は幼少からピアノをはじめ、2000年よりイタリアに渡り作曲家Alberto Soresina氏の門下生として作曲とピアノを学びつつ演奏活動もスタート。2004年に帰国し自身主催のアートレーベルmonobookを立ち上げ、アーティストのサポートや、舞台やギャラリー等の音響製作を中心に手掛けている。そして2007年にガタリを結成。都内を中心にヨーロッパでのライブやコンテンポラリーダンサーとの共演など様々なステージに活動の場を広げてきた。

本作『ナビュラー・フォー・サーティーン』では、代表曲である「Blue Nude」「小舟」「June Theater」「傍」のほか、マッシヴ・アタック「ティアー・ドロップ」、細野晴臣のカバーでも有名なホーギー・カーマイケル「香港ブルース」を収録、全13曲からなる至高の作品に仕上がっている。以下はガタリからのコメントだ。


   ◆   ◆   ◆

「Nebular for Thirteen」は「13歳の星雲」という意味です。アルバムの曲をぱらぱら並べて見ると、二つのコンセプトがあることに気付きました。

ひとつは、「リアリティー」について。

僕らの持つ主観、あるいは自明である事柄を出来る限り取り除いたとき、世界はどのような色形をしているのか。その風景に目を凝らし、そっと耳を澄ませることでしか想像力の涵養は成し得ないし、そうやって僕らは音の強度を高めてゆく。たぶん、それが鋭いリアリティーになるのだと思う。失われた記憶を探すように聴いてもらえたら嬉しい。願わくば13歳の女の子が満天の夜空を見上げるように。

もうひとつのテーマは「コラージュ」です。

ぼくらが作る曲、それはぼくらが倣った楽典ルールであり、ぼくらが盗んだ音階であり、ぼくらが記憶したメロディーの一部であり、さっき広げたページだ。頭のなかに染み込んだ「他人」の意匠を切り貼りして、おおきな地図を作っていく行為は、実に風通しが良いし、サンプリング行為それ自体、非常に優雅だと思う。創造は無数の剽窃で成り立っていることに自覚的であること。使い古された方法で新しい地図を開くこと。手垢のついた様々なファクターを拾い集め、現代の音楽を作りたかった。清々しい郷愁感が伝われば、望外の喜びです。

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またアートワークには現在大きな注目を集めてはじめているイラストレーター秋山花を起用することで深い作品性を表現している

<イベント情報>
◆3月27日(土)
Museum Cafe MADO LOUNGE(六本木ヒルズ森タワー52階 東京シティビュー内)
Hypermodern Music Salon
出演:渋谷慶一郎, Riow Arai, Ngatari (PROGRESSIVE FOrM), small colorなど
http://ma-do.jp/schedule/?pf=detail&id=481&t=1

◆4月18日(日)
EATS and MEETS Cay(Spiral B1F/青山)
PROGRESSIVE FOrM presents New Sounds of Tokyo Vol.4
出演(AtoZ):Akira Kosemura (schole records)、Ametsub -dj set-
(PROGRESSIVE FOrM/nothings66)、aus (flau)、miroque (twinkle/HEADZ)、
Nanofingers (Liquid note records)、Ngatari (PROGRESSIVE FOrM)
http://www.spiral.co.jp/e_schedule/2010/04/liveprogressive-form-presents.html

◆ガタリ・オフィシャルサイト
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