-異種格闘技対談-Ring【round2】:第2回/川島道行(BOOM BOOM SATELLITES/Vo & Gt)

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-異種格闘対談-Ring【round2】第2回

ゲスト 川島道行 BOOM BOOM SATELLITES/Vo & Gt 逹瑯 ムック/Vo

「ライヴ映像を見させてもらって、ムックは僕が思うヴィジュアル系に収まりきらないバンドじゃないかって思った」川島「ヴィジュアル系ってあんまりいい印象を持たれないけど、カッコイイバンドもいるんだねって思ってもらえるバンドになれたらいいなって思ってるんですよね」逹瑯

逹瑯: でも、唐突でなんなんですが、ウチらより年上のミュージシャンで、大卒っていうこと自体が、まずウチら界隈では珍しいですもん。

川島: あはははは。

逹瑯: だって、だいたい中卒っすもん。高校行ってても、たいがいバンドやり始めて途中で辞めてるっていう(笑)。ウチらの時代ですらそういうヤツら多いっすからね。大卒っていうのが、珍しい。

――よく逹瑯くんがいってることなんですけど、“昔は、ロックは不良のやるもんだった”って(笑)。

逹瑯: でも、本当にそうじゃなかったです? ロック=不良。俺、喧嘩が強くないと売れないって、本気で思ってましたから。つか、実際、こっち界隈のロックって、結構そんな感じ、地でいってましたからね。売れた所で、喧嘩強くないと潰されちゃう、みたいな。でも、川島さんの話聞いてたら、あぁ、違う人種の人もいたんだな、ミュージシャンには、って思いました(笑)。

――ムックの事務所の一番先輩というか、事務所の設立者的な立場にあるバンドが、44MAGNUMなんですよ。たぶん、世代的にはご存知かと思うんですが。なので、アウトロー的な感じの先輩方がね。

逹瑯: そうそう、いっぱいそういう先輩いるんですよ(笑)。

川島: あははは。なるほど。ジャパメタとか流行ってましたからね。時代的に聴いたりもしたんですが、やっぱり僕は最初からクラブ・ミュージックだったんで、あんまりバンドという形態のモノ自体へのこだわりもなかったんですよね。サウンド的にも。

逹瑯: なるほど。でも、歌詞も全部英詩だし、もう、歌自体もサウンドみたいな感じですもんね。川島さん自体も、ヴォーカリストでありながら、ヴォーカリストというところで、めちゃめちゃ歌詞にこだわって、歌に執着してるっていうスタイルじゃないサウンド重視のところが、海外にもすごくウケてる理由なのかもなって、すごい思いますね。なんていうのかな、聴いててめちゃめちゃ気持ちいいですもん。純粋に音楽を楽しめる。ホント、カッコイイ。

川島: ありがとうございます。

逹瑯: すごく自分たちのスタイルを持った人たちの音だなって、本当に改めて思いましたもん。

――私たちが子供の時代って、音楽もそうですけど、いろいろと新しいモノが生まれてきてた時代だったと思うんですよ。そんな中で、川島さんたちも、自分たちで新しい音を作り出していってらしたんでしょうね。

川島: 僕たちの時代って本当に時代が良かったと思うんですよね。本当にいろいろと新しい音楽が生まれてきてた時代であったし。

――ですよね。そもそも、私たちの子供の頃には、ヴィジュアル系っていうカテゴライズがなかったですからね。

川島: ですよね。でも、僕、今回お話させてもらうので、you tubeでライヴ映像とか見させてもらったんですよ。音源ももちろん聴かせてもらったんですけど、音源よりライヴの方が断然いいですね。勢いがあって。あ、こんな言い方しちゃいましたけど、音源がダメってことじゃないですからね、すいません。

逹瑯: あはははは。いやいや、嬉しいです! ライヴいいっていってもらえるのはすごく本当に、一番嬉しいことなんで。川島さんから見たヴィジュアル・シーンってどうですか?

川島: いや、僕は正直あんまり詳しくないんですけど、本当に、ムックはライヴ映像を見させてもらって、そういう、僕が思うヴィジュアル系のシーンの中には納まりきらないバンドなんじゃないか? って思ったんですけど、逆にどうなんですか?

逹瑯: あぁ、まぁヴィジュアル系のシーンの中にも、いろんなスタイルのバンドがいるんで、全部が同じ感じではないんですけど。実際、ウチらは、そのヴィジュアル系というシーンの先輩に憧れてバンドを始めて、このシーンの中で育ってきたバンドでもあるんで、いまさら、“ウチらはヴィジュアル系ってひとくくりにされたくないんですよ”って否定するのも逆にカッコ悪いと思うし、その畑で育ってきたのは事実だし、別にそこはなんとも思ってないんですよね、正直。どう思ってもらってもいいというか。ヴィジュアル系ってやっぱ、あんまりいい印象を持たれないのも事実なんで、逆に、そんな中で、カッコイイバンドもいるんだねって思ってもらえるようなバンドになれたらいいなって思ってるんですよね。

川島: うんうん。そうそう、きっといっぱいいると思うんですよね、ヴィジュアル系っていわれるシーンの中にも、いろんなバンドが。僕もたまぁにスカパーで見たりするんですけど、正直、?マークが頭に浮かんでしまうようなバンドもいるんですが、やっぱり、今、逹瑯くんがいったみたいに、カッコイイな、自分をちゃんと持っているなって思えるバンドもいて、すごいなって思うんですよ。この前アメリカでライヴやったとき、ちょうど同じ日にDIR EN GREYがライヴしてて。向こうで取材を受けたんだけど、取材をしてくれたライターさんがDIR EN GREYのことを話してくれて、しっかりと人が集まっててすごいなって思ったんですよね。やっぱり、同じ日本人として、そうやって海外でも認められるっていうのは嬉しくて。昔はあんまり海外で日本のバンドの名前を聞かなかったから。コーネリアスとか少年ナイフとか、そのへんしか聞かなかったんで。でも、やっぱりDIR EN GREYにしても、演奏もしっかりしているし、すごいいっぱい練習してるんだろうなぁって純粋に感心してしまうし。やっぱり、どうしても、ここまでジャンルが違うと、僕たちがヴィジュアル系というシーン自体を毛嫌いしているんじゃないかと思われるかもしれないけど、全然そんなことはなくて。いい音楽だったら、本当に多くの人に認められるべきだと思うんですよね。どんな格好してたって、どんなメイクしてたって、本当に、逹瑯くんがいうように、自分たちにしかないカッコイイモノをやっていれば、それだけでいいんだと僕は思います。

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