藤澤ノリマサ、オペラとポップスの歌唱法を自在に操り自由な発想の歌を埋め込む最新アルバム『Appassionato~情熱の歌~』特集

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藤澤ノリマサ 最新アルバム『Appassionato~情熱の歌~』2009.12.2リリース特集

オペラとポップスの歌唱法を自在に操り 1曲の中に自由な発想の歌を埋め込む 柔らかでもあり重厚でもある歌の翼は 今の音楽シーンのなかで際立った存在だ

藤澤ノリマサはオペラの歌唱法であるベルカント唱法とポップスの歌唱法を自在に操るシンガーだ。その才能を1曲の中で表現するために生まれたのがポップ・オペラというスタイル。クラシックやオペラのフレーズとポップスのメロディを融合させた彼のサウンドは、「音楽は自由だ!」ということを感じさせてくれる。2ndアルバム「Appassionato~情熱の歌~」は、さらに柔軟に音楽の翼を広げリスナーの耳を楽しませてくれる作品だ。

INTERVIEW

──本当に色んなことに挑戦していますよね。「孤独の欠片~ラ・クンパルシータ~」でタンゴとポップスを融和させたり。

藤澤: はい。父がイグレシアスの曲をよく聴いていて、耳にはしていましたが、まさか自分がアルゼンチン・タンゴに日本語詩を載せるとは(笑)。タンゴを唄うような渋い声って、年を重ねないと出ないもんだなぁと思いました。クラシックもそうですが、男の声は30過ぎてから。そこを飛び越えて26歳の僕が50歳くらいの渋い声を出そうというのが間違っている。だから26歳が唄った「ラ・クンパルシータ」だとは思うんですけど、チャレンジして楽しかった。

──「赤い砂漠」もチャレンジだったんですよね。

藤澤: このスパニッシュな感じが最初は唄えないと思ってましたから。僕って、軽くてフワッとした声なので、こういう情熱的な曲には合わないんじゃないかというコンプレックスがあったんです。好きなのに唄えないんじゃないかって、そういう思いが勝手に自分の中であったけど、お調子者なので、スタッフに"いいよ!"って言われたら唄っちゃうんです(笑)。で、唄ってみたらまんざらでもなかった……っていう。

──通して感じるのは「愛」の一枚だっていうことなんですが。

藤澤: 今回の作品のテーマは"絆"なんですね。絆って、木の幹のようなものだと思うんです。幹がどんどん太くなって一つの木になるように、絆もそうやって大きくなっていく。デビューして、多くの人に出会って色んなことを吸収して、教えてもらって、僕自身木の幹のように成長できたと思うし、皆さんとの出会いがないと今、僕は唄えていなかった。そういう感謝の気持ちを込めて唄ってるということで。愛も絆になっていきますし、消えないものですよね。これからも、一つ一つの出会いを大切にしていかなきゃいけないって思います。

──年末はツアーもありますね。

藤澤: このアルバムを中心にしたコンサートをやると考えるんでしょうがちょっと違うんですよ。もちろんこのアルバムからも歌いますが、1枚目の『VOICE OF LOVE~愛の力~』からもたくさんやります。僕の集大成的なものになるのかな? 念願だった故郷の北海道でのコンサートが初日に決定したし、きっとツアー1日目から泣くことになると思いますけど(笑)。

取材・文●大橋美貴子

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