Gibson SGが歩んできたロックギターとしての軌跡

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近年、様々なシーンで注目を浴びている60年代のポップ・カルチャー。その60年代に誕生し、今もなお多くのプレイヤーに愛され続けているギターとして、SGがある。SGがこれまでの音楽シーンにもたらした数々の貢献を元に、ギブソンが様々なスペシャル・イベントやアーティスト・インタビューを展開する<I Love My SG>キャンペーンを全世界で実施する。

◆Gibson SGが歩んできたロックギターとしての軌跡 ~写真編~

SGといえば、先日椎名林檎がヌードで戯れた肌色のギター、アレがSGであった。アルバム『三文ゴシップ』の読みの頭文字がSGだから…という、なかなかさっくりとした理由ではあるものの、裸身の椎名林檎と絡むギターとして、そのシェイプの美しさこそ大きなポイントであったことは想像に難くない。

▲The Door's Robbie Krieger photo by Gibson Guitar Corp
▲Stereophonics photo by John Rahim
▲Tony Iommi on the Heaven and Hell Tour photo by John Rahim
▲Derek Trucks photo by John Rahim
▲Lenny Kravitz photo by John Rahim
SGは売れ行きの鈍ったレスポールのモデルチェンジとして1961年に登場、権利の問題からレスポールからSGに名前が変更され、今に至る。ハイポジションの演奏性、軽量化、コンターカットの採用、ネックのスリム化など当時のプレイヤーの要望をアグレッシブに取りいれながら、製作上の合理性をも追求された新設計SGは、当時のプレイヤーに最大の賞賛とともに受け入れられた。

マホガニーという柔らかい素材と極限まで伸ばしたネック・ジョイント構造から、ネック折れや起きといったウイークポイントも背負っていたSGではあったものの、ジミ・ヘンドリックスのサイケペイント、ジョージ・ハリスンに愛用された1964年製をひとつのピークに、SGの人気は世界中に拡大、小さなマイナーチェンジを繰り返しながら、SGはギブソンの代表モデルとして浸透していくのだ。

SGを愛用したプレイヤーを挙げるとすれば、まさしく枚挙に暇がない。エリック・クラプトン、カルロス・サンタナ、ピート・タウンゼント、そしてアンガス・ヤング。トニー・アイオミ、ドアーズのロビー・クリガ、ジミ・ヘンドリックス、ゲイリーロッシントン、エリオット・イーストン…そこから生まれたロックの名曲は「Evil Ways」「Soul Sacrifice」「Sunshine Of Your Love」「Crossroads」「I Can't Explain」「My Generation」「Highway To Hell」「You Shook Me All Night Long」…、全てSGサウンドだ。

マホガニー独特の中域にピークを持つふくよかなトーンは、SGの特徴的なサウンドの骨子だが、そこにジャンキーなエッジの鋭さをも持ち合わせたSGは、攻撃的なロック・サウンドとして、これまでなかったトーンを生み出した。ヴィンテージ・レスポールが、テレキャスのような切れと太さを持っている事実と比較すれば、SGはフェンダーとは間逆のサウンド特性にベクトルが向いた、いかにもギブソンらしいソリッド・エレキギターの元祖なのだ。箱物といわれるエレキギターを量産してきたギブソンが、我が道の歩むサウンドを初めてソリッドで再現させたギターこそ、SGではなかったか。

ここ最近で注目すべきSGプレイヤーといえば、その筆頭にデレック・トラックスがいる。ボトルネックを片手にフィンガーピッキングをキメる彼のプレイスタイルは、決してSGが最適であるようにも思えない。が、結果として彼のそのトーンは、SGをもってこれまでになかった唯一無二のワイルドでウォームながら極めてアグレッシブなサウンドを誕生させている。しかも、あれだけ暴れた音ながら下品じゃない…そこのベーシックな特性こそSGたるブランドの底力だ。

廉価版からカスタムまで、マホガニーからアッシュまで、SGのバリエーションはここ48年の間に多岐に渡ってきた。残念ながら短命に終わり製造中止となったモデルも少なくないが、滑らかに美しくなまめかしくセクシーなボディーラインは、今も昔も、そしてこれからもギター界の絶世の美女であることは変わらない。ギタリストを翻弄し骨抜きにする伝説の女王、それがGibson SGなのだ。
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