阿部真央、今もっとも必要とされている魂の叫び1stダブルA面シングル「伝えたいこと／I wanna see you」リリース大特集

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――3月21日から九州地区限定の弾き語りライブツアー＜阿部真央らいぶ No.0＞を回りましたよね。いかがでしたか？

阿部真央（以下、真央）：率直な思いとしては、とりあえず“安心した”っていう感じなんですよね。

――やっぱりそれは、地元に凱旋できたという思いから？

真央：それももちろんあります。でも一番の感じたのは、「私の歌を聴いてくれている人がこれだけいるんだ」っていう安心感とか、「自分の歌がちゃんと届いているんだ」っていう安堵感なんですよ。なんというか、“許された”という感じ。上手く言えないけど、実際に私の歌を聴いてくれている人を目の前にすると、一番に湧いてきたのはそういう感情でした。

――では、充分な達成感は得られた？

真央：そうですね。達成感もあるし、それと同じくらい課題も見つかりました（笑）。

――課題というと、たとえば？

真央：もともと、私ってライヴが苦手なんですよ。その苦手意識みたいなものはある程度克服できたんですけど、まだライヴに対して構え過ぎちゃうところがあって。もっと、「自分が楽しめればいいんだ」というところまで行ければいいと思うんですけどね。どうしても、控え目な部分が出ちゃって（笑）。

――それって、何でだと思います？　僕は、阿部さんの完璧主義的な部分が、ストイックに出てしまっているからだと感じたのですが。

真央：それはあると思います。たぶん、まだ場慣れしてないというのもあると思うんですけどね（笑）。

――では、シングル「伝えたいこと」についてお聞きします。1曲目の「伝えたいこと」は、すごく真っ直ぐなメッセージと、意志の強さを伺わせるパワフルな歌声が全編で発揮された楽曲でした。初のシングルとしてこの曲を選んだ理由は？

真央：選曲には、かなり悩みました。デビュー・アルバムとして『ふりぃ』を出した後だし、その後の第一歩という意味でも、このシングルだという意識はありました。この曲を選んだ理由はアレンジです。私が作った原曲の段階では、この曲を通して見た未来像が掴めなかったんです。でも、アレンジを重ねるごとに段々とカッコ良くなっていって、最初に抱いていた印象から、どんどん変化していったんですよ。この曲は、たぶんこれからもライヴなどを経て変化していくと思し、成長していく曲だと思いますね。

――この曲を書いたのは、いつ頃のことなんですか？

真央：これは、高校1年生の時に書いた曲です。その時の私って、自分の気持ちを表に出すことができなくて、言葉にしたところで救われないとも思っていて。だからこの曲の歌詞って、最初は自分に向けて書いたものでもあったんです。だから、すごく剥き出しの感情が出た歌詞になっています。

――この曲も、今までの楽曲と同様に“気付いてほしい”というメッセージ性が強く込められていますよね。

真央：そうですね。でもこの曲は、高校1年生の自分だったからこういう歌詞になったんだと思うんです。

――というと？

真央：だって今は、“がんばれ！”ということで、場合によっては余計にプレッシャーを与えてしまうこともあるって知っていますから。今は考え過ぎてしまって、ここまでストレートな歌詞は書けないと思うんです。良くも悪くも「大人になったんだなぁ」とは思いますけど、高校1年生の私にとっては、この曲が魂の叫びだったんです。だからきっと当時の私と、いま同年代のみんなには強く心に響くかもしれない。この曲がそういうみんなの応援歌になれば、すごく素敵なことだなって思うんです。

――いまはもう書けない歌詞だからこそ、この曲の“青さ”みたいなものは、貴重な部分かもしれないですね。

真央：本当にそうだと思います。歳を重ねるたびに、失くすものと得るものは、増えていきますよね。だから今は、日記のように歌を書き残しておいて良かったなぁと思っています。

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