X JAPANカウントダウンライヴで、観客をだます?
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「Endless Rain」の後、ステージのスクリーンには、彼らのライヴ映像が1988年の前橋ラタンから1996年のDAHLIA TOURまで、時間を追って上映される。その間に、メンバーが赤坂BLITZに移動してくるのであろう。
23時20分、ようやく定番のオープニングSE「WORLD ANTHEM」が流れ始めた。いよいよX JAPANの登場だ! このままいつものように、デビュー・アルバムの1曲目「Blue Blood」になだれこむかと思ったが、さにあらず。紗幕の後ろでYOSHIKIがピアノを弾き、TOSHIが静かに歌い始めた。この意表をつく展開に、ファンの間からは「新曲?」というどよめきがあがるが、実はめずらしい「Blue Blood」のピアノ・バージョンだ。幕が落ちるとステージにはメンバーがいて、「Blue Blood」のバンド・バージョンが始まる。上手ギターはSUGIZO、その横には赤い髪のHIDE人形が置いてあり、バックスクリーンにも要所要所でHIDEの映像が映し出される。PATAもHEATHもエネルギッシュに動き、会場はしょっぱなから最高潮のテンションだ。
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そのまま、カウントダウンもなく、時計の針は12時をすぎてしまった。それに気がついたTOSHIが「あ、知らない間に明けちゃったかな」というと、メンバーは演奏をやめて、そそくさと袖に引っこんでしまう。呆気にとられる観客。
すぐさま客席の一部から、「戻せ、戻せ」コールが湧き上がる。実は、彼らはまだXだった頃、目黒鹿鳴館の年越しカウントダウンで演奏に熱中するあまり、何もしないうちに12時を過ぎてしまったという大ポカをしでかしたことがある。その時は時計の針を戻してカウントダウンをやり直したのだが、その逸話を知っているファンが叫んでいるのであろう。
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あけましておめでとう!
新年一発目は、もちろん「X」。赤坂BLITZが、1500人のXジャンプで大揺れだ。間奏ではメンバー紹介があり、PATA、HEATH、SUGIZOがステージ中央に集まり、ドラムをたたくYOSHIKIとその横に立つTOSHIと、まさにお正月気分満開の豪華な光景。ラストは、HIDEの「飛べ飛べ飛べ!」コールで、全員が大ジャンプだ。
「X」のあとは、汗びっしょりのYOSHIKIがピアノを弾き、巨大なミラーボールが光の雨を会場に降らす「Tears」。観客の大合唱となる「I.V.」では、TOSHIが「HEATHが歌ってないよ!」「YOSHIKIが歌ってないよ!」と、マイクを持って追いかける微笑ましいシーンも見受けられた。
「I.V.」が終わると、YOSHIKIがマイクで「『Blue Blood』で、いきなり首を痛めちゃった。悪いけど、今日、初日ね」という。実はX JAPANは、この日のライヴを初日(?)に、ドーム6日間公演を発表したばかり。2009年は延期になっていた海外公演のスケジュールも発表され、2008年以上にエネルギッシュな活動が予定されている。
最後は、おなじみの大ヒット曲「紅」の大合唱で、この日のライヴを締め括った。全体的にアップテンポの曲をメインにした構成で、曲間も短くて一気に最後まで走りぬけた印象だ。ステージと観客が近いことや、メンバーのラフなトークも多かったので、終始アットホームなムードにあふれていた。こういうプレミアムな雰囲気は、やはりカウントダウン・ライヴならではのものだろう。
そして、2009年。X JAPANの快進撃は、さらにスケールアップして続いていく…。
大島暁美
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