オリコン・ランキング32位初登場の曲が密かに話題沸騰中

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12月8日付のオリコン・シングル・ウィークリー・ランキングに32位で初登場した、absorbが歌う「桜ノ雨」。その楽曲にフィーチャリング・ヴォーカルとして“参加”している初音ミクが、いま熱い。

初音ミク。

正確な正体は知らずとも、初音の名前を耳にしたことのある読者も多いことだろう。

初音ミクとは、2007年にクリプトン・フューチャー・メディアから発売された音声合成・デスクトップミュージック (DTM) ソフトウェアで、そのイメージ・キャラクターの名称なのだが、今やその範疇に留まることなく、関連CDが次々と発売されるなど初音ムーブメントが起きている。

ボーカロイドソフト「初音ミク」は、バーチャル・アイドルをプロデュースするようなコンセプトで製作されたこともあり、発売直後から当初想定していた反響と販売数を遥かに超え、秋葉原の楽器店を中心に都内の楽器店から一時期品切れ状態になり、ネット・オークションでも価格が3倍以上に急騰する事態になった。

このソフトには非常に高い表現力が含まれており、操作をする人によって仕上がりが違い、この合成処理をどのようにして自然に表現するかが腕の見せどころでもある。個人主催の楽曲発表のクラブイベントも開催され、初音ミクのブームは加速し一時期の秋葉原には店頭のテレビに初音ミク関連の映像や楽曲を流す店舗が続出していた。2008年の夏で発売から一年が過ぎ、嵐のようなブームは過ぎ去ったかもしれないが、本来の音楽制作ツールとしての需要は終わっていない。

初音ミクを題材とした音楽パッケージが続々と発表され、2008年8月には遂にメジャーレコード会社からも音楽ユニット、livetuneがlivetune feat.初音ミク名義で『Re:package』というアルバムをリリースした。ジャンルとしてはハウス・テクノ・ポップ。一般流通のメジャー・アルバムで初音ミクのイメージ・キャラクターと名称を使用したものは、この『Re:package』が初めてだった。

そうしたなか、“卒業”をテーマにした楽曲「桜ノ雨」というシングルで11月26日にメジャー・デビューしたギター&ヴォーカル・ユニット、absorbが注目を集めている。

この楽曲自体は発売前から話題を呼び、既に動画投稿サイト「ニコニコ動画」では100万回以上の再生があり、ユーザーが歌唱したデータを集めネット上で「バーチャル合唱」を披露する企画や、ブラスバンド・アレンジをユーザー間で詰めていく企画など、異例の現象が起きているのだ。

「桜ノ雨」は、absorbのオリジナルに加え、初音ミク・ヴァージョンが収録されたスプリット・シングル。原曲の良さはもちろんのこと、「桜ノ雨」absorb feat.初音ミクのクオリティは非常に高い。この初音ミク・ヴァージョンはバンド・メンバー自らエディットし収録されている。

単にヴォーカル・パートが初音ミクになっただけでなく、楽器演奏もDTMで表現された、絶妙な質感や曲全体を考慮し本作を、ぜひ聴いていただきたい。

12月3日には、OSTER projectがお勧めする渾身の一作「みくのかんづめ」OSTER project feat.初音ミクも発売される。この作品は同氏企画製作の「恋スルRADIO」仕様となっており、曲間に初音ミクのフリートークが収録されている。

“初音ミク”は瞬く間にブームを起こし、2008年夏には公式サイト「ミクモバ」がオープン、2009年にはゲーム化を控えている。今後どのような展開が待っているのか?まだ誰も知らないポテンシャルを秘めた“アーティスト”としてブームは続きそうだ。

◆「桜ノ雨」PV視聴
◆absorbメッセージ映像
◆iTunes Store absorb(※iTunesが開きます)
◆absorbオフィシャル・サイト
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