栗コーダーカルテット、ジワジワとくる珠玉の新アルバム

ポスト
ジワジワと来ます。スルスルーっと聴き終えてしまうのに、後になって繰り返し繰り返し頭に浮かんでくるメロディ。それが一日中頭から離れない。そして頭の中で鳴るたびに、ホワーンとした良い気分になって一日が楽しくなってくる。そんな擬音だらけのジワジワ楽曲を提供してくれているのが、栗コーダーカルテットだ。

主にウクレレ、リコーダー、パーカッションなどのアコースティック楽器でホノボノとした楽曲を演奏し、その温かいユルさ加減が、日常で疲弊したリスナーの気分を癒してくれる。

彼ら栗コーダーカルテットの存在を知らしめたのは、なんといっても“やる気のないダース・ベイダーのテーマ”「帝国のマーチ」。あの荘厳で重々しいテーマ曲をウクレレとリコーダーのアレンジで演奏し、その緊張感のなさに、誰しもが和んでしまったことは記憶に新しい。他にもテレビ番組『ピタゴラスイッチ』などもよく耳にする楽曲のひとつ。ギスギスしないホンワカな楽曲と雰囲気で、ライヴでも満員の観客を楽しませてくれる、今時稀有なバンドなのだ。

最新アルバム『遠くの友達』も、彼らの特徴が全面に出た秀作だ。ウクレレで絶妙のスウィング感を醸し出す「アパオの海外出張」、アコギの伴奏に乗りリコーダーが素朴な音色でやさしいメロディを奏でる「僕の友達」、リコーダーのいろいろなコンビネーションを聴かせてくれる「北北東の小さな村」など、彼らならではの楽曲の数々が楽しい。

著名アーティストとのコラボレーションにも熱心に取り組み、UAと競演した「PoPo Loouise」、湯川潮音が歌う「溜め息の橋」、GOING UNDER GROUNDの松本素生との「サヨナラのおまじない」、他にも、シンガーソングライターの田中亜矢、原マスミ、ムーンライダーズの鈴木博文など、そうそうたるメンツが参加しているのも、このアルバムの大きな特徴。

と、説明ばかりしていても始まらない。このアルバムの全曲を試聴していただく。どれもサビの部分45秒だが、栗コーダーカルテットの魅力の一端を知ってもらうことができるはずだ。ぜひぜひすべてをクリックしてみてほしい。

◆『遠くの友達』アルバム全曲試聴ページ

それと最後にもうひとつ。このアルバムジャケット、なにかおもちゃの木々の中に人形を置いたような不思議な感じがすると思う。そう、この撮影は、本城直季氏。まるでおもちゃのような質感で鳥瞰写真を発表する話題のカメラマンだ。栗コーダーカルテットの世界観とマッチしていて、思わずニッコリしてしまう楽しい出来になっている。

◆『遠くの友達』ジャケット写真

栗コーダーカルテットは、ただいま<ツアー「夏から秋へ渡る橋」秋編>の真っ只中。東京・赤坂BLITZと名古屋ボトムラインのライヴをまだ残しているので、心から癒されたい人はぜひ出かけてみよう。

<ツアー「夏から秋へ渡る橋」秋編>
11月21日(金)赤坂BLITZ
11月28日(金)名古屋ボトムライン

◆iTunes Store 栗コーダーカルテット(※iTunesが開きます)
◆栗コーダーカルテット・オフィシャルサイト
◆ジェネオンエンタテインメント・栗コーダーカルテット・ページ
この記事をポスト

この記事の関連情報