チープ・トリックのリック・ニールセン、「ブドカン、キテネー」

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2008年4月24日、再び武道館に帰還する、たった一回限りの武道館公演を行なうチープ・トリック。3月1日のチケット発売を目前に、リック・ニールセンが急遽来日、日本の洋楽関係者を狂喜させた。

30年前のディレクターである現SONY MUSIC JAPAN INTERNATIONAL会長の野中規雄、チープ・トリックの人気のまさしく火付け役:ミュージックライフの編集長・東郷かおる子、世界に名を馳せる洋楽アーティストを撮らせたら日本一のカメラマン長谷部宏と、リック・ニールセンが旧交を温める姿は、日本の洋楽史を映し出す感動のシーンとなった。カメラマンの長谷部宏とは相当久々だったようで、姿を見つけると「Oh! Koh~~」と叫びながら小走りに近寄り、なぜかいきなり土下座するリック…(笑)。

東京・新宿の東放学園音響専門学校の『ロック史』の公開講座に特別講師として登場し、帰国日の朝は成田空港へ向かう途中、テレビ朝日の「やじうまワイド」に出演。4:30起きで6:30にスタジオ入りという到底ミュージシャンタイムとは思えない時間でもめちゃくちゃハイテンション!…というか、あまりにも元気すぎ!

日本語で「ブドカン、キテネ!」とリックのフリでCMへ…という段取りにもかかわらず、生本番ではいきなり女性アナウンサーのところに乱入、そして、第一声「ブドカン、キテネ」の連発…。うかつにロック・ミュージシャンを生のスタジオへ連れてきてはいけませんね(笑)。

ピック飛ばしまくり、ゲストの男性コメンテーターと抱き合ってキスするわ、最後の最後までハイテンションで「ブドカン、キテネ!」の連発! もう現場は笑いの渦で、リックの素晴らしいキャラクターに本番終了後は、スタジオのみなさん全員で大拍手。いや~本当に凄い59歳。

「ビートルズは戻って来れなかったけど、僕らは30年後帰ってきたぜ! みんなブドカン、キテネー!」──リック・ニールセン

そう、世界へ<武道館>の名を知らしめたのはビートルズではなく、チープ・トリックの『at武道館』なのだ。日本発信で世界へ羽ばたいていったアーティスト“チープ・トリック”は、日本のファン(≒雑誌ミュージックライフの読者)が最初にその魅力と実力を認め、盛り上げ、『at武道館』で世界的人気に押し上げたという歴史がある。1978年10月にリリースされたライヴ盤『at武道館』は、元々日本のみ発売という契約のアルバムであったのだ。

しかしながら、輸入盤がUSで大爆発。アメリカ・ロック史上に残る、日本から輸入したという“輸入盤”が大ブレイクし、なんと日本から5万枚以上が輸出されるという事件となる。その後1979年2月にUSでリリースされ、全米最高位4位を記録、結果的に400万枚のセールスとなった。

その武道館ライヴが30年のときを経て、完全復活。老若男女、ロックファンはここに集合すべし。

<Cheap Trick at 武道館AGAIN!>
2008年4月24日(木)開場18:00 開演19:00
http://www.hipjpn.co.jp/cheaptrick/
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