<MTWB2006>貫禄…! 井上陽水、大阪の雨空に過激ながらも温かなライヴ
7/23、大阪の万国博記念公園で行なわれた、日本最大のフリーコンサート<MEET THE WORLD BEAT 2006>に、井上陽水が出場した。
以前、2002年の<FUJI ROCK FESTIVAL>に出演し、“井上陽水が野外フェス?”と物議を醸したが、フェスでは実際、彼の存在感に圧倒され、彼の声にオーディエンスが酔いしれたのは記憶に新しいところ。今回、大阪の野外フェスのステージに井上陽水が立った。
17:30にスタートした時点では、会場は大雨。観客もレインコートを羽織っているものの、会場で配られていたウチワで少しでも雨をよけようとかざしている。…が、それもほぼ骨だけになっているといった状態。あまりの雨に、ちょっとトーンダウン気味だ。
が、しかし! 井上陽水がフルバンドを従えて、1曲目にPUFFYへの提供曲「アジアの純真」を歌えば、オーディエンスは復活! 井上陽水のクリアな声ながらもスティッキーに歌う“陽水節”炸裂。間奏でもエレキギターも弾きまくり、そのまま新曲でアダルトは雰囲気の「11;36 LOVE TRAIN」へ。
「こんにちは。井上陽水です」──これだけのMCで“ワー!”と大きな歓声が上がるとは、やはりここでも大歓迎されている様子。彼の一挙手一投足にオーディエンスの目は釘付けだ。
そんな熱い視線を物ともせず、飄々と「古い曲を演ります」というと1972年のデビューアルバムに収録されている「感謝知らずの女」を披露。なにひとつ古臭くないのは、彼の存在自体がスタンダードになっているせいか。
続いて、彼の大ヒット作「少年時代」。イントロが流れると、会場にいる若い観客も“おお~!”と反応。青空の下、さわやかな風が吹くだろうこの夕暮れに聞きたかった曲だ。しかし、この曲が進むにつれ、大粒の雨のなかでも、さわやかな夕暮れどきに身をおいているような自身が想像できる空間となっていたことは間違いない。
そして、インプロビゼーションさながらの緊張感でサウンドも聞かせれくれた「氷の世界」、そして待ってました、「傘がない」。ともに、鬼気迫るヴォーカルスタイルに、過激な歌詞なのに、なぜかバンドサウンドや泣きのギターソロが温かく、井上陽水の歌声は心地よく胸に染み入る。陽水サウンドに取り憑かれるかのように、そしてこの大雨の空間が内へ内へと誘うのか、会場の空気は陽水空間へと変貌した……そんなライヴだった。そして、彼がステージを去ってからも、しばらくその余韻があたりを取り巻いていた。
■<MEET THE WORLD BEAT 2006>
7/23 井上陽水 セットリスト
1. アジアの純真
2. 11;36 LOVE TRAIN
3. 感謝知らずの女
4. 少年時代
5. 氷の世界
6. 傘がない
■<MEET THE WORLD BEAT 2006>特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000026015
(他にも写真多数あり!)
以前、2002年の<FUJI ROCK FESTIVAL>に出演し、“井上陽水が野外フェス?”と物議を醸したが、フェスでは実際、彼の存在感に圧倒され、彼の声にオーディエンスが酔いしれたのは記憶に新しいところ。今回、大阪の野外フェスのステージに井上陽水が立った。
17:30にスタートした時点では、会場は大雨。観客もレインコートを羽織っているものの、会場で配られていたウチワで少しでも雨をよけようとかざしている。…が、それもほぼ骨だけになっているといった状態。あまりの雨に、ちょっとトーンダウン気味だ。
が、しかし! 井上陽水がフルバンドを従えて、1曲目にPUFFYへの提供曲「アジアの純真」を歌えば、オーディエンスは復活! 井上陽水のクリアな声ながらもスティッキーに歌う“陽水節”炸裂。間奏でもエレキギターも弾きまくり、そのまま新曲でアダルトは雰囲気の「11;36 LOVE TRAIN」へ。
「こんにちは。井上陽水です」──これだけのMCで“ワー!”と大きな歓声が上がるとは、やはりここでも大歓迎されている様子。彼の一挙手一投足にオーディエンスの目は釘付けだ。
そんな熱い視線を物ともせず、飄々と「古い曲を演ります」というと1972年のデビューアルバムに収録されている「感謝知らずの女」を披露。なにひとつ古臭くないのは、彼の存在自体がスタンダードになっているせいか。
続いて、彼の大ヒット作「少年時代」。イントロが流れると、会場にいる若い観客も“おお~!”と反応。青空の下、さわやかな風が吹くだろうこの夕暮れに聞きたかった曲だ。しかし、この曲が進むにつれ、大粒の雨のなかでも、さわやかな夕暮れどきに身をおいているような自身が想像できる空間となっていたことは間違いない。
そして、インプロビゼーションさながらの緊張感でサウンドも聞かせれくれた「氷の世界」、そして待ってました、「傘がない」。ともに、鬼気迫るヴォーカルスタイルに、過激な歌詞なのに、なぜかバンドサウンドや泣きのギターソロが温かく、井上陽水の歌声は心地よく胸に染み入る。陽水サウンドに取り憑かれるかのように、そしてこの大雨の空間が内へ内へと誘うのか、会場の空気は陽水空間へと変貌した……そんなライヴだった。そして、彼がステージを去ってからも、しばらくその余韻があたりを取り巻いていた。
文●星野まり子
■<MEET THE WORLD BEAT 2006>
7/23 井上陽水 セットリスト
1. アジアの純真
2. 11;36 LOVE TRAIN
3. 感謝知らずの女
4. 少年時代
5. 氷の世界
6. 傘がない
■<MEET THE WORLD BEAT 2006>特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000026015
(他にも写真多数あり!)
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