| ――シングル・リリースで言えば1年半ぶりですか。
MACCHO:ちょっとペースを温存してた感じですね。ここ1年半はあんまり露出もなかったけど、現場に集まってくれた奴らは一人残らずロックしてきたし、自信はあったんで、早く証明したかった。ライヴで徐々にハジけだして、今はもう止まらない感じ。
――「The Phoenix [will rise]」はどんなふうにできた曲?
MACCHO:トラックは4~5年前にもらってたんですけど、なぜかずっと忘れてて、でも聴いた瞬間に自分のラップが聴こえてくるような曲だったから、いずれはやるだろうなと思ってて。それで今回PMXと一緒にアルバムを作ってる時に、シングル用に何か用意してくれって言ったら、“あの曲をクリアしよう”と。あれはすごくいい曲だから、あのまま終わらせちゃいけないって。で、骨組みはそのままで、今の音を加えて完成させました。
――今さらあまり触れてほしくないかもしれないけど、あの事故以来、言葉の重みがものすごく増したと思っていて。
MACCHO:うん。あそこで終わっててもおかしくなかったわけだから。大人になった気はしますよ。責任感が増してきてる。俺はミュージシャンとしてメシを喰ってるんだから、それを貫き通すことができなければ他のこともやれるわけがない。普通の仕事ができるんだったらいいけど、できないから。今これが俺の天職だって本気で思ってるんで。
――3rdアルバムの全貌はもう見えてる?
MACCHO:うん。もう数年前から自分の中では見えてる。……って、言ってるだけなんだけど(笑)。
――トラックメイカーは?
MACCHO:DJ PMXが総合監督で、あとは現時点ではKNOCKとSN-Zとか。普段から音楽抜きでつきあってる人だけです、結果的には。こだわったわけじゃないんだけど。
――フィーチャリングは?
MACCHO:数組予定しているけれど、今のところ、フィーチャリングで曲を録る前に自分で歌いたいっていう気持ちがあって、入れたい人はいっぱいいるけどまだ1曲も録れない。自分で全部歌っちゃうから。それぐらい、今は自己主張が強い時期なんですよ。発情期みたいな感じ。ヤリたくてしょうがない(笑)。
――MACCHOさんって、HIP HOPシーンに登場してきた10年前からずっと“最年少”って言われていたと思うんだけど。
MACCHO:ずっと見てる人は、そう思いますよね。でも俺は “高校生ラッパー”のまま、27歳になっちゃった感じ(笑)。
――「もう」とか言ったら失礼だけど。そうか、もう27歳ですか。
MACCHO:そうですよ。それも、頑張らなきゃと思う一つの要因でもあるんだけど。17歳と27歳じゃ、やっぱり違うから。わかりやすい結果がほしい年にはなってきてますね。ただマイク持って歌うのが大好きだったのが17歳で、それは未だにたいして変わっちゃいないんだけど、俺は俺が国民的ラッパーになるべきだと思ってるから。そこはまだまだ。
――「The Phoenix [will rise]」のテーマも、突き詰めれば“俺は今ここでビンビンに生きてるぞ”ってことで。
MACCHO:すごいシンプルなテーマですね。とりあえず、何をやってる人にせよ、「生きてる」っていうテーマに共感しない人はいないでしょ。自殺しようとしてる人だって、死ぬ直前までは「生きる」ということを考えてるわけだから。それはHIP HOPの大事なテーマでもあるし、歌を聴くことによって、1日だけでも思いとどまってくれたとしたら、それは人間の心を動かせたってことだから。その日思いとどまらせただけでも意味のあることだと思うから。人の気持ちを変えるとか、世界を変えるとか、具体的にどういうことか?というと、そういう単位だと思う。ラップでそういうことがあったらいいと思うし、そういうものをどんどん表現していきたい。それが結果的に、音楽で人を動かしたということだと思うから。俺の歌で世界が一気に変わることはないけど、一人一人の人生の、たった数分間にでも貢献できればいいと思いますね。
取材・文●宮本英夫
| <WEST祭> 日時:2005年10月29日18:00開場、19:00開演 会場:横浜BLITZ 出演: [LIVE ARTIST] DS455、OZROSAURUS、BIG RON、G-PRIDE、S.S.G、PHOBIA OF THUG、GHETTO INC、HOKT、AK-69、II-J、J-GREN、213HIGH ROLLERZ、HYENA/DESTINO [DJ] DJ MOTO/DJ FILLMORE/DJ OLD-E
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