| ――小さい頃から歌が好きで、いろんなオーディションを受けてたんだとか。
中林芽依(以下、芽依):はい。私が歌うことが好きだと母が思ったらしくて、コンテストとかに応募して。そこで私も快感を味わったっていうのかな、3歳で(笑)。
――3歳で!? その時のこととか覚えてるの?
芽依:覚えてますよ。童謡のコンテストで東京まで来て歌ったんですけど。周りにいたオバサン達に“小さいのに歌うまいねぇ”って言われたりとか。あと、取材でカメラのフラッシュとか浴びたりして、“なに!? この気持ち良さは!?”みたいな(笑)。なんかそうやって注目を浴びるのが快感でした(笑)。
――それで、将来は歌手になろうと。
芽依:まぁその時は“歌手”が何なのかもよくわかってなかったんですけど。4歳の時に初めて安室(奈美恵)さんを見て、私もこういう歌って踊れる人になりたいなぁって。だからいろんなオーディションを受けまくって…。でも、いつもいいとこまで行って落ちるんです。
──そういう時はメゲたりしなかった?
芽依:全然。自分が落ちたっていうよりも“なんで私の才能がわからないわけ? ま、しょうがないか、この事務所はアイドル系だもんね”みたいな(笑)。
――気持ちがいいほど強気ですね(笑)。そして13歳の時に、今回のデビューのきっかけにもつながるホリプロ・スカウトキャラバンを受けるんですよね?
芽依:はい。まだ13歳だったんですけど(応募書類に)15歳って書いて出したんですよ。そしたら第一次審査で最後の15人に残って。次の面接審査で“大学はどうするんですか?”ってきかれたんです。でも当時、私は中学2年で、高校も決めてないような状態だったから、仕方なくそこで正直に白状したんです。年齢で落とされるならいいやと思って。
──その後、スカウトキャラバンでは決戦大会まで勝ち進み、さらには2年間の準備期間を経て、今回のデビューに至るわけですけど。デビュー曲の「Crazy Crazy Crazy」をもらった時は、まずどういう感想を持ちました?
芽依:もう“絶対これだ!”って思いましたね。本当にピンと来たって感じで。リズムがシャープでパワフルな印象だったし、そのリズムが私の体にすごく合ってて。すべてが私にマッチしてるなって思いました。
──歌詞は、暗雲立ちこめる恋愛がテーマになっていますが。
芽依:私自身、そこまで恋をしたことはないです。これは、自分が思ってるのと違う方向に進んじゃうかも、という意味の歌詞なんです。普段日常の中で自分の思ってることと違うことが起こってる、みたいなことはよくあるんで、それに当てはめて歌ったって感じですね。だから恋愛の歌詞ではあるんですけど、実際こういう恋愛をしてなくても共感はできるなって。
──初めてのレコーディングはどうでした?
芽依:最初は、うれしかったです。たまにテレビとかでレコーディング風景が映ったりするじゃないですか。狭いブースの中でヘッドホンして歌うみたいな。その光景と一緒だったから、“あぁついに来たー!”と思って(笑)。でも、いざ歌ってみたら、やっぱり難しかったですね。
──どういう部分が難しかった?
芽依:この曲はパワフルに歌いたかったんですよ。だけどブースは狭いし、お客さんもいないし…。私はいつもお客さんのいるところで歌ってたので、だから自分のエネルギーが思うように出せなくて。でも途中で、ガラスに自分を映せばいいことに気づいたんです。ガラスに映ってる自分をお客さんに見立てて、その人に歌ってるように歌おうって。そしたらうまくいって。だから、私は誰かがいないと歌えないんだなって分かった。
──小さい頃から歌手になりたいっていう夢を抱いてきて、その第一歩が実現した今の気持ちは?
芽依:今回の全国デビューに先駆けて、まず4月27日に地元の人に聴いてもらえたんです(※東海3県で「Crazy Crazy Crazy」を先行リリース)。これからはそれより多くの人に聴いてもらえるわけだから、それを思うとワクワクするし、楽しみだし…。でも正直言うと、まだあんまり実感はないです(笑)。
──今後、こういう歌を歌っていきたいというのは?
芽依:いろんな曲を歌っていきたい。私は元々R&Bが大好きで、それを中心に歌っていきたいというのはあるんですが、ロックが好きな人にも、ポップが好きな人にも、パンクが好きな人にも、とにかくいろんな人に聴いてもらいたいんで、幅広く歌っていきたい。そして、子どもとかおばあさんにも“中林芽依はいいねぇ”って言ってもらえるような歌手になりたいですね。あと、やっぱりライヴをいっぱいやっていきたい。私は人前で歌うのが本当に好きだし、それがいちばん自分のいいところを出せる表現方法だとも思ってるんで。
──“いつかこの会場で!”みたいな目標の場所はあります?
芽依:名古屋ドームでやりたいです! 私の家から近いんですよ。だから友達とかい~っぱい呼んで“帰ってきましたーーっ!”って、絶対やりたいですね(笑)。
取材・文●赤木まみ |
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