01.ターン・アップ・ザ・サン 02.マッキー・フィンガーズ 03.ライラ 04.ラヴ・ライク・ア・ボム 05.インポータンス・オヴ・ビーイング・アイドル 06.ミーニング・オヴ・ソウル 07.ゲス・ゴッド・シンクス・アイム・アベル 08.パート・オヴ・ザ・キュー 09.キープ・ザ・ドリーム・アライヴ 10.ベル・ウィル・リング 11.レット・ゼア・ビー・ラヴ 12.キャニュー・シー・イット・ナウ?(アイ・キャン・シー・イット・ナウ)(ボーナス・トラック) 13.シティン・ヒア・イン・サイレンス・オン・マイ・オン(ボーナス・トラック)
| <オアシス祭~ワールド・プレミアム・ナイト~>
■5/23(月)東京 ZEPP TOKYO <問>クリエイティブマン 03.5466.0777 ■5/24(火)大阪 ZEPP OSAKA <問>キョードー大阪 06.6233.8888 過去10年の秘蔵映像に最新ライブ映像や未公開映像(メンバーによる楽曲解説、スタジオメイキングなど)を公開。また、当日会場でしか手に入らない激レア・グッズも大放出される見込み。OASISの日本初のスタジアム・ライブとなる、SUMMER SONIC 05のチケット先行販売もあり。 | |
| ──最新作は全員が素晴らしい曲を作っていますが、まずあなたのプロデューサーとしての視点から、それぞれのメンバーのソングライターとしての資質を分析してもらえますか?
ノエル・ギャラガー(以下、ノエル):俺たちは結構似ていると思うな。だから一緒にやっていけるんだ。そうだね……アンディの曲は、リアムやゲムの曲よりも穏やか。ソングライターとしては、俺とアンディが似ていて、リアムとゲムが似ていると思う。リアムとゲムはもっとロック寄りで、俺とアンディは……うーん、いい言葉が見つからねえな。とにかく、俺とアンディの曲はロックとかポップスとかの一つのジャンルにくくり付けるのは難しいものなんだ。リアムとゲムの作る曲は間違いなくロックンロールだけど。でも(リアムの)"ラヴ・ライク・ア・ボム"はそんなにロックンロールっていう感じじゃないしな。……ごめん、俺には分析できねえ。
──いえいえ、ありがとうございます。ちなみにザック・スターキー(ビートルズのリンゴ・スターの息子)が今回はゲストとして参加したそうですが、どうして今のオアシスは固定ドラマーを入れないのですか?
ノエル:ザックは、1曲を除いてアルバム全体のドラムを演奏してるよ。彼は固定メンバーさ。ただ、メンバー写真に写っていないだけなんだ。だって考えてもみろよ、やらなくていいんだったら、一日中写真撮影に参加するのなんて君も嫌だろう? 俺だって、やらなくていいんだったらやりたくない。だから、ザックにはどっちでもいいよって言ってあったんだ。とにかく彼は正式なメンバーだよ。
──ほ、ほんとに? オアシスは5人組?
ノエル:ああ、オアシスにはメンバーが5人いるよ。
──いくつかの曲の独創的なドラムは、あなたが叩いているような気もしましたけど。
ノエル:俺はドラムを叩けるけど、レコーディングとなるとザックの腕の方が優れてるしね。ゲムやアンディ、それにリアムの曲だったら俺がドラムを叩いてやってもいいけど。
──(笑)自分の曲は、違うんですね。
ノエル:あと、ツアーのことを考えると、実際にステージで演奏する人と、アルバムで演奏している人が同じ方がいいよね? だから、もし僕がアルバムでドラムを叩いたら、ライヴのために誰かに頼んで教え込まないといけないだろ? そんなの面倒くさい。だから、アルバムを通してザックがドラムを叩いているんだ。彼は素晴らしいドラマーであると同時に、ものすごくいい奴なんだよ。
──ところで、タイトルが『The Ear Has No Memory』になるかもと伝えられていたのですが、最終的には『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース』になったのはどうしてですか?
ノエル:(笑)あれはね、冗談だったんだ。プレスにはタイトル名を絶対に教えるなってきつく言われていたんだけど、NMEアワードの授賞式でしつこく聞かれたから、その場で適当に考えて答えただけ。でもさ、『The Ear Has No Memory(耳は記憶を持たない)』ってすっげえいいタイトルだと思わない?
──(笑)ありえないほど、すっごくいいタイトルですよ。
ノエル:だよなあ、いいタイトルだよ(笑)。
──よくそんなのが瞬時に浮かびますよね。それにしても、じゃあどうして『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース』に?
ノエル:ええとね……俺は、テレビをよく観るんだ。この3年間のうち、1年半はニュースを観ていたような気がする。インターネットや24時間放送されるニュースがある今の時代、情報があまりにも多過ぎるだろ? 戦争を始める時、ブッシュ大統領は国連にイラクに大量破壊兵器があるって嘘をついた。パウエルもブレアも、結局みんな嘘をついていた。世界で最も権力のある人たちを信用できないんなら、一体誰を信用すればいい? 誰も信用できないんだ。なぜって、あいつらがニュースとメディアを支配しているからだよ。じゃあ、どこへ向けば真実を得られるのか? わからない。俺に言わせりゃ、新聞に記されているものもテレビに映っているものも、すべて嘘なんだ。でも僕たちはそれが真実なんだと教えられる。だから『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース(真実を信じるな)』さ。
──今作のいくつかの曲では、かつてなかったほど壮大な人類愛や神、希望について歌った曲がありますが、それも『何も信じられない』という経験から芽生えた、信じられるものを歌っていこうという意志によるものなのでしょうか。
ノエル:んー、神について歌った曲はないな。
──神についてに限定するなら、リアムが書いた"ゲス・ゴッド・シンクス・アイム・アベル"とか。
ノエル:そうか……みんなそれぞれ、個人的な信仰を持ってるだろうしね。リアムは、もしかしたら神を信じているのかもしれない。でも、俺は信じていない。信仰はあるけど、神の存在なんて有り得ないだろう?
──んー、なるほど。
ノエル:そう思わない? この話、もっと聞きたくない? そもそも神は人類の救世主だったはずだよね? それならどうして、神がいるって信じられる? すべてを支配する大きな存在を信じている人もいるようだけど、俺はそんなことはくだらないと思ってる。もし神が存在するんなら、あまりにも役に立ってなさすぎだよ。毎年テロや飢え、津波とかで何百万人もの人が死んでいるんだ。ツインタワーに飛行機で突っ込んだヤツらだって神のためだって言ったけど、何を言うかふざけんなって感じだよ。
──だからこそ、人々に対して夢や希望を伝える感覚がオアシスの中で増えてきていませんか? たとえばリアムが津波のチャリティー番組に一人で出演したのは本当に意外でしたし、今作では「レット・ゼア・ビー・ラヴ」のように素晴らしい祈りの曲が生まれました。
ノエル:俺たちが? うーん、近過ぎて客観的に見ることができないのかもしんない。気づかなかったよ。俺たちはそれなりに上手くやってるし、周りにいる人たちにも恵まれている。お互いに信用してるし、リスペクトもしている。ただ、俺は一日一日を生きてるだけなんだよな。外から見ると、そう見えるのかな。確かに「レット・ゼア・ビー・ラヴ」みたいな曲が生まれるわけだからね。もちろん、バンドの中で意見の不一致もあるけどさ。
──それにしても、ライヴ風の生々しい録音と、それぞれが曲を書いたことで、これまで大きな固まりとしてあったオアシスというバンドから、再びメンバー個人の顔が見えてきましたね。
ノエル:もちろん。やっぱり、みんなが曲を提供することがこのアルバムで意図したところだしね。栄光をみんなでシェアするんなら、みんなで努力しないといけない。だって考えてもみなよ、俺はずぅーっと一人ですべての曲を作り、インタビューもすべて自分が答え、アイデアもすべて自分で生み出してきた。それなのにみんなが一緒にスポットライトを浴びてきたんだぜ。やってらんねえ。とはいえ、今でもインタビューは俺がみんな答えているし、アイディアもみんな俺のものだし、スタジオも俺のものだけどさあ(笑)。なんというか、今回はみんなに曲作りだけを許した感じだね。……待てよ、よく考えると、俺ってバカかもしんない(笑)。
取材・文●妹沢奈美 |
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