【レポート】Mrs. GREEN APPLE主催<CEREMONY>、LE SSERAFIMやマイヘアなど9組集結の祭典で「音楽は無限大だな、自由だな、と感じた日でした」

2025.06.19 06:20

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Mrs. GREEN APPLEが立ち上げた新たなエンタテインメントメディア<CEREMONY>が6月18日、神奈川・Kアリーナ横浜で開催された。同イベントは、国もジャンルも多種多様なアーティストを招聘し、「お互いの音楽やカルチャーを讃え合い、交わり合う」場として行われた次世代の祭典だ。“GREEN CARPET”や“円卓”など、いわゆる対バンライブやフェスとも異なるさまざまな趣向が凝らされるなか、出演アーティストとオーディエンス全員が音楽の素晴らしさを改めて感じ、喜び讃え合った特別な音楽の祭典となった。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

GREEN CARPET”の高揚感も冷めやらぬ中、<CEREMONY>本編がスタート。ステージ前に設置された、“円卓”が並ぶアーティストラウンジに出演者が勢揃いするなか、ステージにはMrs. GREEN APPLEの大森元貴(Vo/G)、若井滉斗(G)、藤澤涼架(Key)の3人が登場して開会を宣言した。

「この<CEREMONY>、見るからに中央に円卓があったりとか、なかなか普段イベントで見られない光景だと思います。僕自身もいつもと違う雰囲気で高揚しています」と大森が声を弾ませる。

「アーティストがお互いのライブを見たり、お互いの文化に触れることは意外となくて」とこのイベントを立ち上げるに至った思いを口にしつつ、「みなさんも新たな音楽の発見だったり、気づきだったり、出会いみたいなものがあると幸いです。今日は特別な1日にしたいと思います。どうぞ楽しんでいってください」と会場に集まった人々にメッセージを伝えた。

その言葉にオーディエンスからもアーティストからも惜しみない拍手が送られ、ついに、アーティストとオーディエンスがステージパフォーマンスをともに楽しむ<CEREMONY>の開幕だ。

MCのサッシャとノイハウス萌菜が登場し、いよいよライブパフォーマンスへ。出演アーティスト紹介も趣向が凝らされている。この日の出演アーティストが次に登場するアーティストを“プレゼンター”となって紹介。そしてステージ前に設けられたアーティストラウンジの円卓ではプレゼンターもリラックスしてライブを楽しんでいる。いずれもこの<CEREMONY>のコンセプトを象徴する印象的な光景だ。

また、ステージの合間にはアーティストラウンジでライブを堪能しているアーティストへのインタビューがLEDに映し出されるなど、アーティスト同士の交流も生まれるなか、イベントは進行していった。

▲HY
▲M!LK
▲TOMOO / My Hair is Bad
▲ATEEZ
▲日向坂46

トップバッターは、HYの仲宗根泉と許田信介から紹介を受けた京都出身の4人組the engyだ。

フロントマン山路洸至は「緊張して浮き足立ってしまっているんですけど、お祝いの祭典ということで、浮き足立った足が棒になって倒れるまで踊っていきたいと思っています」と語っていたが、そのとおり、力強いリズムと深みのある歌声に、気持ちよさそうに体を揺らすオーディエンスが続出した。

▲the engy

続いては、「新体制でのライブを生で見るのは初めてなのでとても楽しみです!」というLE SSERAFIMのSAKURAのコメントからステージに登場した日向坂46。

<CEREMONY>のコンセプトに合わせたシックな黒の新衣装で繰り広げられるパフォーマンスが大きなステージに映える。「卒業写真だけが知ってる」や「君はハニーデュー」などの楽曲が次々と届けられるライブを、アーティストラウンジのMrs. GREEN APPLEのメンバーもノリノリで楽しんでいた。

▲日向坂46

ワールドワイドに活躍する8人組のATEEZは日本語のMCも交えながらキレのあるダンスと歌でオーディエンスを魅了。

日本初披露となる最新曲「Lemon Drop」や日本オリジナル曲「UTOPIA」「Still Here」などグループの幅広い音楽性を伝える楽曲たちを次々と繰り出すライブは息を呑む瞬間の連続だった。

▲ATEEZ

休憩を挟み、プレゼンターのHYの新里英之による音頭のもと、客席ではウェーブが行われて場内の空気はますます盛り上がっていく。

そして登場したTOMOOは「いろんな色といろんな輝き方があるよなぁというのを今日、すごく感じています」と感慨深げに語り、「コントラスト」を皮切りにカラフルに彩られたパフォーマンスを披露した。

▲TOMOO

M!LKはアーティストラウンジで着用していたミルキーベージュカラーから一転、紅白のめでたい衣装に身を包んで登場。

この日リリースされたばかりの新曲「wan」や、キャッチーなダンスを交えた「イイじゃん」でオーディエンスを沸かせた。

▲M!LK

そしてHYは25年のキャリアをもつバンドならではの名曲連発のライブで、アーティストとオーディエンスがステージパフォーマンスをともに楽しんだ。

のっけから「366日(Official Duet ver.)」で会場を鷲掴みにし、「AM11:00」と大ヒット曲の連打で会場を湧かせてみせた。最後にはオーディエンスだけでなくアーティストラウンジにいるアーティストまで巻き込むさすがのステージングを見せた。

▲HY

「ロックバンドやりに来ました!」という言葉どおり、この日のラインナップのなかで異彩を放つソリッドなバンドサウンドでロックバンドのカッコよさを見せつけたのはMy Hair is Bad。

フロントマンの椎木知仁はかつて「ほぼ同期のミセスの「サママ・フェスティバル!」を聴いて“こんなに戦う気満々のバンドがいるんだ”と思った」と衝撃を受けたことを明かしていたが、この日のマイヘアこそ、文字通り“戦う気満々”だった。

トリ前はLE SSERAFIM。SAKURAが2024年末の『NHK紅白歌合戦』で大森とコラボした思い出を語るシーンもあった。

「HOT」「Come Over」、そして4月にリリースされたばかりの新曲「DIFFERENT」などクールでキュートなパフォーマンスを繰り広げた。

▲LE SSERAFIM

LE SSERAFIMがライブを終えると、いよいよフィナーレが近づいてくる。

アーティストラウンジでMC陣と出演アーティストが濃密だった1日の感想を語り合う中、ついに最後のアクトがステージに立つ。もちろんMrs. GREEN APPLEだ。

▲the engy

▲日向坂46
▲ATEEZ
▲TOMOO
▲M!LK
▲HY

「CEREMONY!」と大森が叫び、今日という日を彩ったアーティストたちがアーティストラウンジから見つめるなか、「ANTENNA」から始まったライブは、いきなりKアリーナ全体に手拍子を生み出し、大きなエネルギー生み出していった。「Magic」ではオーディエンスもジャンプして声を上げる。

その後もパフォーマンスを観ながら口ずさむアーティストが続出した「ライラック」、そして大森の主演映画主題歌「天国」と楽曲を重ねていく。特にこの日がライブ初披露となった「天国」は神秘的な舞台の雰囲気と大森のエモーショナルな歌が相まって圧倒的だった。最後に披露されたのは「ケセラセラ」。華やかなサウンドにオーディエンスの手を叩く音が加わり、美しいフィナーレを描き出したのだった。

ライブが終わりミセスがステージを去った後、スクリーンには今日一日の模様が映し出される。その余韻に浸る間もなく、映像の最後で早くも2026年の<CEREMONY>開催が発表された。来年も同じ会場で、今度は6月10日と11日の2日間にわたりこの祭典が行われるのだ。そしてミセスの3人が再度登場。大森が「9組のライブはいかがでしたか?」と問いかけると、会場中から大きな拍手が巻き起こった。

「こういうかしこまった雰囲気のイベントは、しっかりとイベントとしてのゴールがあるものです。でも、ご覧いただいた通り、<CEREMONY>にはないです。誰かを表彰するわけでもなく、各アーティストがオンリーワンであることを提唱して、僕らにもそれを言い聞かせる必要があると思いました。ここで掲げておきたかったです。はっきりとしたゴールがないからこそ、音楽は無限大だな、自由だなと。きれいごとでもいいから感じた日でした。音楽を始めてよかったと、心の底から思いました」──大森元貴

そう語ると、さらに大森はこう続けた。

「ミュージシャン、アーティストは互いのことを心の底から認め合うということはすごく難しい生き物でして。でも僕は今日、心の底から拍手が出てきた自分に、本当に感動しました。このイベントに何の意味があって、どこに向かっていくのか……きれいごとを少しずつでも絶やさず続けることによって、この先の日本の音楽の未来が作られていくと思っています」──大森元貴

その言葉どおり、この日の<CEREMONY>には、ジャンルも世代も国境も超えたさまざまな音楽が豊かに響き合い、すばらしい空間と時間を生み出していた。

イベントが進むごとに会場には一体感が生まれ、アーティストラウンジではアーティスト同士がどんどん打ち解けていく様子が見て取れた。それこそ、この<CEREMONY>が目指す音楽のあり方なのかもしれない。来年はきっと今年以上に音楽のすばらしさを味わい尽くせる<CEREMONY>となるのだろう。そんな期待に早くも胸が高鳴る幕切れだった。

撮影◎田中聖太郎写真事務所

 

■<Mrs. GREEN APPLE presents「CEREMONY」>
2025年6⽉18⽇(水) 神奈川・Kアリーナ横浜
open14:30 / start16:00 / 21:30終演予定
出演者:Mrs. GREEN APPLE / ATEEZ / ⽇向坂46 / HY / LE SSERAFIM / M!LK / My Hair is Bad / the engy / TOMOO
※表記順はMrs. GREEN APPLE以外ABC順
▼チケット
VIP SEAT︓ 35,000円(税込) ※公演当日ドレスコードあり
SS指定席 :20,000円(税込)
S指定席 :15,000円(税込)
主催:Project-MGA
企画・制作:Wonder Live Inc.
運営:SOGO TOKYO
特設サイト:https://mrsgreenapple.com/feature/ceremony

 

■<Mrs. GREEN APPLE presents 『CEREMONY』2026>
6月10日(水) 神奈川・Kアリーナ横浜
6月11日(木) 神奈川・Kアリーナ横浜

関連リンク

◆Mrs. GREEN APPLE 10YEARS 特設サイト
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