いい音爆音アワー vol.102 「ナイス♪オルガン特集」

いい音爆音アワー vol.102 ナイス♪オルガン特集
2019年5月15日(水)@風知空知
オルガンは「organ」と綴りますが、これ、本来の意味は「器官」あるいは「機関」(奇しくもともに「きかん」ですね)。「organic」は「有機的」と訳されますが、「薬などを使わず、そのもの本来の器官だけで」ということだと思いますし、「organization」=「組織」という言葉もあります。
音を出すための「器官」を持った初めての楽器だったから、「オルガン」と呼ばれたんでしょうね。起源は古く、紀元前数世紀にはもう原型があったそうですが、昔は空気を送って音を出していたのでパイプが不可欠でした。だからパイプオルガン。
これを電気の力でなんとかしようと、1934年にローレンス・ハモンドが発明したのがハモンド・オルガンで、おかげで持ち運べるようになり、オルガンがポップスやロックに使えるようになりました。その後もいろんな電気オルガンが登場します。
80年代からはシンセサイザーにとって代わられていきますが、電気オルガンはシンセのように器用ではないけれど、機種ごとの味わい深い音の個性はやはり魅力的です。でもやはり王様はハモンドですね。今回、音とプレイが好きな曲をランダムに選んだだけですが、調べてみるとほとんどが「Hammond B-3」でした。
福岡智彦 (いい音研究所)
セットリスト
Sly & the Family Stone「Qué Será, Será (Whatever Will Be, Will Be)」
スライが唯一カヴァーした曲。ドリス・デイさん、安らかに眠り給え。
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6th アルバム『Fresh』(1973年6月30日発売)収録
作詞・作曲:Ray Evans, Jay Livingston/プロデュース:Sylvester “”Sly Stone”” Stewart
レーベル:Epic
カヴァー:オリジナルはDoris Day(1956年)。アルフレッド・ヒッチコック監督作品「知りすぎていた男」(1956年)挿入歌。全米2位、全英1位。テレビの「The Doris Day Show」のテーマソングとしても使われた。
アルバムは全米7位、R&B 1位
・organ: Sly Stone (たぶんHammond)
・この曲のベースはLarry Graham(既に脱退)
・スライ&ザ・ファミリーストーンのオリジナル・アルバムの中で唯一のカヴァーソング
スライ・ストーン(本名:Sylvester Stewart)
1943年3月15日、5人兄弟姉妹の第2子としてテキサス州デントンで生まれ、サンフランシスコ近郊のヴァレーホ市で育つ。
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アリス「何も言わずに」
今回唯一の邦楽。バカでかいオルガンに驚け♪
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1st アルバム『ALICE I』(1972年9月5日発売)収録
作詞・作曲:谷村新司/編曲:アリス
レーベル:東芝音楽工業
・organ: 大原繁仁 (Hammond) セッション・ミュージシャン。フォーク畑への参加が多いかな。
・lead guitar: 桑名正博
アリス:
谷村新司(チンペイ):1948年12月11日、大阪府大阪市住之江区生まれ
堀内孝雄(ベーヤン):1949年10月27日、大阪府大阪市阿倍野区生まれ
矢沢透(キンちゃん):1949年2月6日、神奈川県横須賀市生まれ
1970年の「ヤングジャパン・アメリカコンサートツアー」で、谷村と矢沢が知り合い意気投合、一緒にグループを組もうと約束する。
1971年12月25日、谷村は、神戸の音楽サークル「ポート・ジュビリー」でいっしょだった堀内と”アリス”を結成。桑名正博の実家の蔵で練習を重ねる。
1972年3月5日、シングル「走っておいで恋人よ」でデビュー。
同年5月、奈良市民会館での公演から、矢沢が合流する。
同年9月、1st アルバム『ALICE I』リリース。
同年10月、谷村が文化放送「セイ!ヤング」と毎日放送「MBSヤングタウン」のパーソナリティをスタート。
1975年9月、フォークグループ”ウッディ・ウー””の「今はもうだれも」(1969年7月)のカヴァー・シングルをリリース、オリコン11位、初のヒット。
1977年10月、シングル「冬の稲妻」リリース。オリコン8位のヒット。
次回の爆音アワーは・・・