いい音爆音アワー vol.95 「ナイス♪アルペジオ特集」

いい音爆音アワー vol.95 「ナイス♪アルペジオ特集」
2018年10月10日(水)@風知空知
アルペジオってなんだかせつないよね。もちろん、いろいろあるから一概には言えないけど、イメージとして。
だから、季節としては秋が似合うと思う。
本来、アルペジオ (伊: Arpeggio) とは、和音を構成する音を一音ずつ低いものから(または、高いものから)順番に弾いていくことで、ランダム発声や同音反復を含むパターンは該当しないそうですが、一般的にはその区別はあまりしていませんよね。
今回選んだのも、それぞれひとクセふたクセある、ナイスなアルペジオが聴ける作品ばかりです。
秋の夜長のお供にどうぞ。
福岡智彦 (いい音研究所)
セットリスト
Simon & Garfunkel「Boxer」
特にイントロのアルペジオは、何度聴いても美しい♪
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先行シングル(1969年3月21日発売)
5th アルバム『Bridge Over Troubled Water(明日に架ける橋)』(1970年1月26日発売)収録
作詞・作曲:Paul Simon/プロデュース:Roy Halee, Paul Simon, Art Garfunkel
レーベル:Columbia
全米7位、全英6位 アルバムは全米・全英・オリコン1位
・AGのアルペジオはサイモン(Martin D-18)と、Fred Carter, Jr.(Baby Martin 00-18)。
・この1曲のレコーディングに100時間以上費やした。
・サビの”lie-la-lie”のところは、最初は後で言葉を入れようと思っていたが、結局何も浮かばなかったそうだ。「それはそれでいろんな広がりがあるから悪くないと思っているが、唄う時、時々恥ずかしくなる」らしい。
・ガーファンクルはマイク・ニコルズ監督映画「Catch 22」の撮影のため、レコーディングにはあまり参加していない。
・1971年のグラミー賞で、アルバムは「Album of the Year」と「Best Engineered Recording」を獲得、シングル「明日に架ける橋」は「Record of the Year」と「Song of the Year」他を獲得。
・このアルバムを最後に解散。
ベッツイ&クリス「白い色は恋人の色」
これぞスリーフィンガー奏法♪
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1st シングル(1969年10月1日発売)
作詞:北山修/作曲:加藤和彦/編曲:若月明人
レーベル:日本コロムビア
オリコン2位
・”ザ・フォーク・クルセダーズ””の解散は1968年10月17日。加藤和彦の1st ソロ・アルバム『ぼくのそばにおいでよ』は1969年12月1日発売。
ベッツイ&クリス:
◎ベッツイ(Elizabeth Virginia Wagner)vocal 1952年9月4日、米国ハワイ州生まれ。
幼年期にトラップ・ファミリー合唱団の三女ヘートウィクから指導を受ける。”ベッツイ&クリス”として活動した後、様々な職業を経て、ハワイを拠点に再び歌手として活動している。
◎クリス(Christine Anne Rolseth)vocal / guitar 1952年6月25日、米国アイダホ州生まれ。
“ベッツイ&クリス”として活動した後、ハワイで音楽教師として勤務。
1969年に”サウンズ・オブ・ヤング・ハワイ”のメンバーとして来日した際にスカウトされ、デビュー。
2006年、NHK「思い出のメロディー」で、ベッツイが娘のエマと”ベッツイ&エマ”として出演し、往年のヒット曲を歌った。
加藤和彦と北山修「あの素晴しい愛をもう一度」
トノバンが弾く12弦ギターの華麗なアルペジオ。
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シングル(1971年4月5日発売)
作詞:北山修/作曲:加藤和彦/編曲:葵まさひこ
レーベル:東芝音楽工業
オリコン10位
・サイモン&ガーファンクル「The Boxer」を参考にしたという。複雑なスリー・フィンガーは、加藤が弾く12弦アコースティック・ギターがメイン。
・”シモンズ”のデビュー曲を書いてほしいという依頼で作ったが、東芝音工の新田和長ディレクターの意向により、2人で歌うことになった。シモンズは「恋人もいないのに」で71年8月5日にデビュー。
・曲は5分(or 15分)でできたと加藤自身が発言している。詞は一晩かかったと北山が発言。
・1970年7月、「ヤング・ジャパン・ツアー」という、細川健が呼びかけた企画(参加者:加藤和彦、福井ミカ、北山修、ロック・キャンディーズ(谷村新司)、杉田二郎、矢沢透)に参加した際、7月30日に、加藤とミカの結婚祝いとして、北山修が贈った詞に加藤があとで曲をつけた、という詞先説があるが、「どうしてまた二人でレコードを出したのか」という疑問にすんなり納得してもらうために考えたストーリーらしい。
・つのだひろ:加藤が自宅から持ち込んだインド製のイスをパーカッションとして叩いている。ドラムは時々。
かとう かずひこ:
1947年3月21日〜2009年10月16日 京都市伏見区生まれだが、生後すぐ鎌倉市に移り、小学校5年の1年間京都を経て、高校卒業まで東京日本橋で育つ。
1965年、京都の龍谷大学入学。
京都府立医科大の北山修と、平沼義男、井村幹夫、芦田雅喜で”ザ・フォーク・クルセダーズ”結成。
1967年、解散記念に300枚自費制作した『ハレンチ』に収録した「帰って来たヨッパライ」にラジオのリクエストが殺到し、プロデビューを強く要請され、1年限定で、加藤、北山、端田宣彦の3人で再スタートする。
1968年10月17日、”ザ・フォーク・クルセダーズ”解散。
1969年10月、ベッツィ&クリス「白い色は恋人の色」(作詞:北山修/作曲:加藤和彦)リリース。オリコン2位。
1969年12月、1st ソロ・アルバム『ぼくのそばにおいでよ』リリース。
1970年7月、福井ミカと結婚。
1971年4月5日、シングル「あの素晴しい愛をもう一度」リリース。
1971年11月、”サディスティック・ミカ・バンド”結成。
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2009年10月17日、長野県軽井沢町のホテルで遺体が発見された。自殺と見られている。満62歳没。
きたやま おさむ:
1946年6月19日、兵庫県洲本市生まれ。ほどなく京都市に移転。
1971年2月、詞を提供した、”ジローズ”「戦争を知らない子供たち」リリース。第13回日本レコード大賞の作詞賞を受賞する(ジローズは新人賞)。
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次回の爆音アワーは・・・