The BONEZが、全国14ヶ所に渡るツアー＜SPRING OUT TOUR 2017＞の東京公演を3月20日東京・SHIBUYA CLUB QUATTROで開催した。

◆The BONEZ ライブ画像（全8枚）

昨年3月にリリースした最新アルバム『To a person that may save someone』、そして昨年9月にリリースし、オリコンウィークリーチャート5位を記録したライブDVD『To a person that may save someone Live at Shibuya O-EAST』以降、新譜などのアナウンスもないまま、告知・開始された本ツアー。にもかかわらず“今年、唯一のワンマンツアー”であることが公言され、また各地でソールドアウト続出に見舞われることとなった。

これまで、本ツアーを通してその湧き出るバンド力を更新し、＜山嵐 20th Anniversary 『RED ROCK TOUR』＞、＜ACIDMAN 20th Anniversary 2man tour＞、そして＜ONE OK ROCK 2017 “Ambitions” JAPAN TOUR＞へのツアーサポートも行い、着実に“最高”を積み上げていった彼ら。ツアーの終盤へ差し掛かった本公演でも、その瞬間を目撃することとなる。

ソールドアウトとなった会場はBONER（The BONEZのファン）で埋め尽くされ、S.E.のボリュームが上がると同時に、大歓声で迎えられてメンバーがステージに登場。「We Are The BONEZ！」とメンバー同士の拳を合わせ、熱気に包まれたライブがスタートする。次々と繰り出される楽曲に、当然ながらモッシュやダイヴも沸き起こるが、もはやそれだけではない。そのステージから放たれた、熱を帯びた目に見えない“何か”が確かにある。

「伝えたいことがあって、それを本気で届けたい」とJESSEが語るように、「Remember」が放たれたステージとフロアでは、その垣根みたいなものが取り払われ、楽曲が導くままにフロア中からシンガロングが沸き起こる。新旧織り交ぜた楽曲が惜しみもなく組み込まれ、BONER側も確実に受け取っているその光景は、まさに“今のThe BONEZ”というこの瞬間を欲しているからに他ならない。

何故、この＜SPRING OUT TOUR 2017＞が開催されたのか。その理由は“最新のThe BONEZで最高を更新してく”ことだけで充分なのだと、改めて思わされる。それは「Thread＆Needle」で包んだ、会場中のBONERの声が、見事にそれを証明していたからだ。

灼熱の本編が終了しても、鳴り止まないBONERからのアンコールに、再びステージに現れ応えるメンバー。持てる全てを出し尽くすように、その最後の瞬間まで途切れることのない想いを放っていた。全てを終えたメンバーの顔からも、自然と溢れる笑顔がこぼれ、最高を更新したことを祝福するように、BONERからも同じようにたくさんの笑顔と共に、大きな拍手が送られた。

バンドはこの後、＜山嵐 20th Anniversary 『RED ROCK TOUR』＞ツアーファイナルへの参加を挟み、高松DIME、松山SALONKITTY、そして沖縄 桜坂CENTRAL公演を以って、＜SPRING OUT TOUR 2017＞のクライマックスを迎える。

『To a person that may save someone』で描いたストーリーは今もなお続いており、毎回のライブで最高を更新していく、目に見えない“何か”がThe BONEZにはあった。その瞬間に立ち会い、そして向き合える機会を得られるのは、このツアーでは後3公演のみなので、ぜひとも逃さないで欲しい。

また、JEESEからコメントも届いているので、併せて掲載する。

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普通はリリースがあってツアーを廻るんだけど、今回はリリースも新曲もない状態でやってるんだよね。
前回の「TO A PERSON THAT MAY SAVE SOMEONE」ツアーでソールド出来なかった場所も、今回はソールドになっていってる場所があるってことは、何度も行った土地に足を運び直して行った結果でもあるし、俺たちが一手一手大事にしていったからなんだよね。
今年の初めにバンドのメンバーでロスへ行って、4人がまた同じスタートラインに立てたことと、そして同じ目標が共有できたことも大きいんだ。
今日のライブに至るまで、1つ1つのライブが最高だったんだけど、このあとの公演でもそれを超えるには、更に帯を締め直さないといけない。
でも本気でやっていけば、超えられる自信はある。
今のThe BONEZは、とにかくバンド感がすごく良いから、日本に何万個もあるバンドの1つだけど、見逃さない方が良いよ。

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Text：Atsushi Tsuji
Photo：Yoshifumi Shimizu