なんでもないシンプルなメロディにシンプルな歌詞が乗った曲。だけどそれが逆に素直に心に入ってくる。今日のつま恋は曇り空が多かったけれど、目を閉じれば歌詞のような情景が浮かんでくる。オープニングのトークで「今年の<ap bank fes>を昨年のフェス終了後から心待ちにしてた」と盛んに言っていた櫻井。もしかしたらこの曲の“君”には、昨年の<ap bank fes>を重ねていたのかもしれないな、と感じた。
ap bankのコンセプトソング「to U」がつま恋にそっと響き渡る。出演者全員が、かわるがわる歌いつないで行く。いや、つないでいったのはステージ上のだけではない。オーディエンスの中にも口ずさむ者、じっとステージを見つめる者、手を振って歌に応える者。ステージから放出されたエネルギーを観客席側が受け取り、それぞれにつないでいく。アンコールの光景はそんなふうに映った。