TAKAKO:
まず最初はm-floのアルバム『ASTROMATIC』で、ジャズのトラックでR&Bシンガーが歌ったら面白いんじゃないかっていうことでTOKUさんと一緒に「Life
Is Beautiful」っていう曲をやったんです。その時初めてビッグ・バンドとコラボレーションして、それはそれで終わったんですけど、その後にPS2ゲーム「ルパン三世~コロンブスの遺産は朱に染まる」のエンディング・テーマのお話を頂いて、そこではジャズ界の大御所、大野雄二さんとコラボレートしたんです(「You
Took My Heart」)。2曲ちょうどジャズで繋がって、その後に井上陽水さんのトリビュート・アルバムのお話を頂いたので、“これもジャズ・アレンジにすればジャズの曲が3曲できるね。それだったらいっそのことアルバムを作っちゃおうか”っていうことで、このアルバムを作ってみたんです。
――作るにあたって、苦労された点はありますか?
TAKAKO:ジャズのことをちょっと勉強しようと思って、スタッフにジャズと名の付くものを集めてもらったんですけど、聴けば聴くほど“ジャズってなんだろう?”ってわからなくなっちゃって。年代とか人種によってもまったく違うし、中にはラジオでソウル・ナンバーとして紹介されているものが、ジャズのコンピに入ってたりしてて。それまでの方がジャズに対するイメージがはっきりしてたのに、余計混乱しちゃったんですね。そうなってくると原点に戻って、自分が好きだったジャズ・ナンバーを入れたほうがいいのかなって思って、あまり深いことは考えないで今回こういうセレクションになりました。例えばマリリン・モンローの映画の2曲(「Bye
Bye Baby」「Diamonds Are
A Girl’s Best Friend」)は私が学生の時に『紳士は金髪がお好き』にはまって、音楽もサントラまで買うくらい好きだったんですよ。それで“これもジャズだよね”ってことで、今回入れてみたんです。
――その「Bye Bye Baby」や「Diamonds
Are
A Girl’s Best Friend」でコラボレートしているビッグ・バンド、Frontpage
Orchestraとはレコーディングも一緒にやられたんですか?
――Souliveとはリメイク「Bed~Part2~」「Sweet
Time Again」でコラボレートしてますね。
TAKAKO:Souliveは“これはジャズなの?”って思うくらい現代のR&Bに近いですよね。従来のDOUBLEファン、R&Bファンとの架け橋になるようなバンドだなって思って、今回コラボレートしてみました。彼らから送られてきたデモの中に「Bed」のDメロの部分と同じコードをループした曲がたまたま入ってたんですよ。元々オリジナルの「Bed」を作る時に、そのループを使って曲を作るという構想があったんですけど、その当時はワンループは日本では受け入れられ難いってことで、その時はやらなかったんですね。でも、これだったらあの時のアイデアができると思って、今回この曲をリメイクしてみたんです。「Sweet
Time Again」はどの曲をセルフ・カヴァーしようかなって考えてる時に、これが一番ジャズに合うんじゃないかなと思って選んでみました。この曲、アメリカ人にすごくヒットするらしく、「この曲大ヒットしたでしょー!」って言われるんですけど、残念ながらシングルとしてリリースしてないんですけよね(笑)。