爆音だけじゃない、“聴かせる”音の探求

2004.11.09 08:53

Share
















土屋昌巳をプロデューサーに迎えたシングル「レイン」と、アルバム『惑星II』をリリースした惑星。

初の外部プロデューサーとのレコーディングにより、

爆音だけではない、“聴かせる”美麗なメロディをパッケージすることに成功した彼らに、

その手応えと現在の心境を訊いた。

































NEW SINGLE



「レイン」


2004年10月21日発売

UMCK-5124 \1,050(tax in)



1. レイン PV視聴


2. 水のような旅



▲このCDを買うならコチラ










NEW ALBUM



『惑星II』


2004年11月10日発売

UMCK-1182 \2,625(taxin)



1. BLIND SUN

2. Dice

3. WAYLOSER

4. クローバー

5. EMPTY SONG

6. 水のような旅

7. BADDAFLY

8. BLACK FLAG

9. TIME

10.レイン PV視聴




▲このCDを買うならコチラ















MESSAGE MOVIE






▲見る











惑星ワンマン・ライヴ

<WAKUSEI, It’s Alive>









■11/12(金)

札幌 PENNY LANE24

op 19:00 / st 19:30 \2,800

ゲスト:DOPING PANDA

【問】WESS 011-614-9999



■11/14(日)

東京 LIQUIDROOM ebisu

op 17:00 / st 18:00 \2,800

ゲスト:DMBQ

ゲストDJ:平本レオナ(HUSKING
BEE)&伊東真一(SPARTA
LOCALS)

【問】ディスクガレージ 03-5436-9600



■2005/1/21(金)

大阪 FANDANGO

op 18:30 / st 19:00 \2,800

【問】GREENS 06-6882-1224





■オフィシャル・サイト■

http://www.wakuseiweb.com

http://www.universal-music.co.jp/wakusei/













──みなさんピクシーズがお好きということで、今年の<FUJI ROCK FESTIVAL ’04>に出られたのは感慨ひとしおだったのでは?



岸田研(Vo&G):
ひとしおでしたねぇ、ホントに。僕らの出る同じ時間でないことを祈ってました(笑)。ピクシーズは本当に感動しましたね。



──惑星のライヴも素晴らしかったです。朝一からあのテンションって、どうやって上げて行くんですか?



平田智美(Ds):
前の日の夜遅く観た見たケミカル・ブラザーズで、脳がガンガンに興奮してしまって、寝られなかったんですよね。だから朝早いのか夜遅いのか分からない、そういうテンションでした(笑)。



岸田
どんなライヴでもテンション上げてやらないとダメなんですよね。サラってやるのはダメなんですよね。



──そんな中で並行してアルバム作りも続けて。



岸田
今回はフジの後に<RISING(RISING SUN ROCK
FESTIVAL 2004 in EZO)>もやって、一連の夏フェスが終わって、自分の中で爆音の壮絶なライヴにケリがついたんですよね。その後はレコーディングも佳境になってきて。今回初めてプロデューサーの土屋(昌巳。一風堂で活躍。BLANKY JET CITYのプロデューサーとしても知られる)さんに入っていただいて作ったんですけど、ほかの人と一緒にやることができて、自分たちの音楽を俯瞰で捉えることができたと思いますね。



──土屋さんをプロデューサーに迎えようと思ったのはどうでしてですか?



岸田
たまたまスタッフからプロデューサーを入れたらどうだろうか?
みたいな話があって。そして、僕がちょうど去年ロザリオスのライヴで土屋さんが弾いてるのを観ていて、感動したのを覚えていたんですね。そういうのが重なったんですよ。僕自身は音楽始めたときから、いろんな人とやってみたいと思っていて。前の『VOID』を録ったときにセルフ・プロデュースの限界を感じたていたので、やるべきかな、とは思ってたんです。



──具体的にはどの辺に限界を感じたのですか?



岸田
レコーディングですね。僕らの持ってる少ない機材の中で、どうやって録るかという。どうしても一つ一つの音で完結してしまい、アンサンブルに入ると弱かったり、音像が小っちゃくなっちゃうとか。レコーディングって、まさにそういう環境で試さないと分からないから。



清水義将(B):
自分の機材とか、エンジニアさんと相談しながらやってきた中で、『VOID』というミニ・アルバムで自分でできることはやり切った感じがしたんですね。そこから先は、悩んでいればいつかたどり着くかもしれないけど、何かきっかけみたいのが欲しいというのは共通してあったんですよね。それをすごくシンプルな形で提示してくれたのが土屋さんなのかな。



──じゃあ、土屋さんが入ったことがかなりプラスになった?



岸田
すごくそう感じますね。ミュージシャンとして乗り越えなきゃいけない壁がしっかり分かったし。もともとが全て亜流、自己流でやってきちゃったんで。



平田
土屋さんはギタリストでヴォーカリストなんだけど、そういう人が、どういうドラムを気持ちいいと思うかっていうことを、その場で言ってくれるからよかったですね。あとは、ダイナミックに聴こえるように録る方法とかも詳しくて。ドラムの音も、エンジニアの人と丁寧に時間をかけて作ってくれたんです。



清水
「コレよりコッチの方がいいよ」とかサラッと言うんですけど、裏付けがあるんで、すごく自分の中で受け入れられるんですよね。自分たちが、新しい、違う方向で行きたいっていうタイミングと、土屋さんとお会いしたタイミングが合っていたので、得るものが大きかったですね。



──惑星というとどうしてもライヴ・バンドっていうイメージなんですが、アルバム作品もこだわりを持って作りたかった?



岸田
インディのときからそうだったんですけど、いろいろな曲がやりたい中で、激しい曲がどんどん勝ってた。激しくない曲って、音のきれいさだったり、メロディだったり、演奏力がすごく問われるんだけど、バンドがそこまで追いついてなかった。すごく、そこにフラストレーションがあったんですよね。



──今回のアルバム『惑星II』には、実際切ない曲や悲しい曲なんかも収録されてるわけですが、やってみてどうでしたか?



岸田
これまで激しい音像にこだわってきたんですよね。ライヴをやっても、やっぱり激しい音って伝わるし。肉体的な躍動感とか気持ちよさを追求してたところがあるんですよね。でも、そういう激しさで、先行シングルの「レイン」みたいなテーマを表現できるかといえば、できない。そこに、もどかしさがあったんですよ。それが今回初めてパッケージできたっていうか、消化不良だった部分を、今回のアルバムで初めて楽曲に落とせた気がするんですよね。



──レコーディング・アーティストとしての側面も持ち始めたり。



岸田
ありますね。ただ、“こんなことができるぜ”っていうだけのモノは絶対作りたくないし。頭の中で、ともすればそっちの方向に行きがちだから。この音にはヴィオラも合うし、サックスも入れてみたい、とか。極端に言うと、ヴォーカリストも変えたいとか(笑)。



──ライヴでストリングスの入った惑星というのもちょっと見たい気がしますが。



岸田
まだまだ3人でできる表現ってもっとあると思うんですよね。そっちをもっと鍛え上げてからかな。4人にするのは簡単なんですけど、三角形の危うい感じ、弾いてる人間が歌うから出せるグルーヴってあると思うんですよね。でも、納得がいくようになったらピアノを入れるかもしれないし、オーケストラのストリングスを入れるかもしれない。そういう派手なのも大好きだから。



──惑星といえば、ジェットダットサンズリバティーンズなど、錚々たるバンドの来日公演にオープニング・アクトで出演していて、とくにS.T.U.Nはメンバー本人から直接オファーされたとか?



岸田
<SONIC MANIA>が終わって、ジェットを観に来てたS.T.U.N.が楽屋に来て「CDくれよー」って(笑)。そこからなんですよ。海外の人に反応がいいのはすごく嬉しいですね。



平田
S.T.U.N.はメンバー自らやりたい言ってくれたのがすごく嬉しかったですね。東京だけじゃなくて地方も一緒に行ったから最終日とかすごい寂しくなっちゃって。全然英語分からないんですけど、本音で通じた気がして、また会いたいです。



──そんな惑星の海外進出の野望は?



平田
外人さんに受けるのはすごく嬉しいんだけど、そういうロックンロールな、海外っぽいクレイジーなノリを日本でちゃんとやるっていうのも、すごく意味のあることなんじゃないかと思ってるんですよね。



岸田
ギター・ウルフのブラジル公演をテレビで観たことがあって、黒人の観客とかが“東京タワーが~っ”とか合唱してて、あれは感動しましたね。



清水
自分はドイツとかフランスとかの古いロックとか聴いたりするんですけど、英語ですらなくて、言葉は全然分からないんだけど、やっぱり通じるものってあるんですよね。だから、やってみたいっていう気持ちはありますね。



岸田
まぁでも、いろんな出会いとか、僕らの中での覚醒とかもありつつ。海外でやりたいと思いつつ、自分たちの言葉でしっかり作品を作ろう!
ってできたのがこの作品なんで、これを引っさげて日本からちゃんとライヴしたいですね。

取材・文●末吉靖永





Related Tags関連タグ