ラグフェア、CD発売記念ロング・インタヴュー第三部

2004.09.06 08:50

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シングル
「君でなければ」


2004年09月08日発売
TFCC-89116 ¥500(tax in)
完全初回生産限定盤
エンハンスドCD仕様
「RAG in Russia=ドキュメント映像」収録



奥村政佳:
ヴォーカル
パーカッション


加納孝政:
ベース


土屋礼央:
テナー


荒井健一:
テナー


加藤慶之:
ハイテナー


引地洋輔:
バリトン




「6人で支えあっていかないとだめなんです。すごく脆くて繊細なんです」(加藤)
──作詞作曲とも引地さんと奥村さんが競作した曲が「at the circle」ですね。

奥村:1曲だけなんですけど、家を行ったり来たりして作りました。

引地:連名のクレジットになってますけど、詞は奥村くんがメインで僕はワンブロックだけです。
曲は…オレだなぁ。ま、イメージのやり取りをしたってカンジですね。

加納:今までにない作り方だよね。

──「at the circle」はスケールが大きくてメッセージの強い曲ですね。あと「昼寝」がいいですね。
これは実体験ですか? 赤ちゃんの歌ですよね。

奥村:大学生のときに保育園でアルバイトをしていて、先日、保育士の試験も受けたんです。子供がずっと好きで、
自分の子供が生まれる前に、自分の子供への歌を書いておきたいなと思って。曲を加藤君が作って、
歌詞をどうしようかなっていうときに、書かせてもらったんです。

加藤慶之(以下、加藤):最初は、熱いバラードをイメージして作ったんです。それで所々にそういう雰囲気を
入れたデモテープを作っていました。でもアルバムに入れるなら、あまりバラードっぽいものじゃない方が
いいってことになって。それで奥村君に詞を書いてもらいました。

奥村:書いた瞬間は「書けた!」と思ったんですが、それがRAG FAIRの世界観に受け入れられるかどうか
迷ったんです。皆に受け入れてもらった時は、迷っただけにすごく嬉しかったですね。

加納:メンバーの中でも評価の高い曲です。好きって人が多い。

加藤:曲を作ったときのイメージとは全然違う詞ができてきたんですけど、これがすごくよくて、さらにアレンジも
光田(健一)さんが中心になってやってくれたんですけど、聴いてるだけで詞の世界が浮かんでくるような。
どんどん自分の曲が良くなっていくのが、本当に嬉しかったです。

土屋:二人の人生のピークだと思いますよ。それくらい最高潮ですよ。

奥村:前にも加藤君の曲に僕が詞をつけたのがあって、それもなかなか上手くできたなあと思っているんです。
多分相性がいいのかもしれませんね。

──そしてもう一つの大きな話題は、財津和夫さんとのコラボ曲がありますね。前のシングル「HANA」の
カップリングの「僕らの時代」は小田和正さんのカヴァーでしたが。はやり彼らの曲は、自分たちの作るものと
違いがありますか?

加納:違うっていうより“すごい”ってカンジですね。すごい人だなぁと。

引地:歌詞がすごいと思いましたね。

土屋:デモテープを聴いただけで主張がわかる。何が伝えたいかが。

引地:デモテープで泣ける。“陸の上の魚のように”という喩えとか“愛は死ぬよ”もそう。

土屋:“陸の上の魚のように”って何だ。

奥村:お刺身かな。

土屋:違いますよ。

──デモテープを渡されただけで、財津さんからの直接のレクチャーはなかったんですか?

加納:直接はなかったですね。

土屋:“お前ら、これをカッコ悪く仕上げたら許さんぜよ”みたいなメッセージがものすごく伝わってきました
(笑)。

加納:そうは言ってないですけどね。“お好きなように”とは言われたようですけど、デモの段階でものすごく
完成度が高いんで、そこからどうしようかとは悩みましたね。

土屋:僕らが歌っても財津さんぽくなるんですよ。そこで焦りましたね。財津さんの魅力に、どうRAG FAIRらしさ
を足していくのか。人の曲だからこそ、どう自分たちらしさを出せるのか。

──RAG FAIRらしさを出すのに、決まった方程式があるわけじゃないんですよね。

土屋:ないんです。だから毎回もめるんですよ。

引地:楽器を入れないことには方程式はあるんですよ。でも楽器を入れたときはそうじゃなくて、曲ごとに皆で
話し合うんです。

加藤:一人一人の声を目立たせたいっていうことはいつも思ってます。音を聴いて、6人でやってるということが
絵になって見えればいいかなと。レコーディングでものすごく重ねたりする曲もあるしシンプルな曲もあるんです
けど、いくら重ねてあっても、6人の立ち位置がわかるような音作りにしたいと。6人の声の個性が引き立つような。

──最後に、アカペラのどういうところが面白いですか?

土屋:ここですぐに歌えるところかな。人を楽しませることが好きで集まってますからね。音楽の好みとかはかなり
違うんですが、人を喜ばせたいというところでは皆同じですから。ストリートでずっとやってたから、知らない
お客さんが足を止めてくれたら、普通に歌うだけじゃなくて面白いことをやったり、わかりやすい曲をやったり、
それを皆で考えてきましたから。アカペラの良さというか、そういうRAG FAIRの良さに僕は快感を感じています。

奥村:歌いたいときにすぐ歌えるというところかな。6人で移動するときでも、気分がよければ誰かが歌って、
それにハモリをつけたりとかもできるし。やりたいときにできるっていうのがいいですね。

土屋:お金がかからないし。

加藤:楽器が入ると、曲のキーやリズムを楽器が作ってしまいますけど、6人でやってると、リズムが崩れると
ハーモニーも崩れるし、その逆もそうだし。6人で支えあっていかないとだめなんです。すごく脆くて繊細なんです。
そういう6人で支えあっているということですね。

引地:楽器が入ってても楽しいから、アカペラも楽器入りも両方楽しいです。ここであいつのギターが欲しいって
いうところで、あいつの“声がほしい”っていうことですかね。

 

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