| <まずは開演前、会場に入ってみると……>
H野:女子十二楽坊、すっごい人気だ。
M木:ですね、ですね。
H野:老若男女さまざま!
M木:ちょっとクラシック鑑賞な雰囲気もありますね。
<約2時間のライヴ終了!>
H野:どうだった、女子十二楽坊、初体験は?
M木:安心感、ありましたね。曲はSMAPや美空ひばりなどのスタンダード・ナンバーで聴いたことあるから、すんなり入れましたよ。
H野:うんうん。
M木:楽器も古典楽器で、琵琶とか琴とか二胡とか、しょっちゅう聴いてきたような楽器ではないけども知らない楽器ではない。
H野:若い人にとっては新しく、年配のかたには入りやすいってところかね?
M木:まさに、そうだと思います!
H野:たしかにSMAPの「世界に一つだけの花」ひとつとっても、派手さはなくても、優雅さがあったり、高尚な気分になって、ワンランク上な感じするよね。
M木:けど、クラシックほど堅苦しくない、親しみやすさもあって。

H野:私が改めて思ったのは、伝統楽器を弾く姿って、艶やかだなって思ったのよ。
M木:ほう!
H野:感情移入すると、ニ胡の弓を引く手だったり、琴を爪弾く指だったりが、その曲の起伏に合わせてソフトに感情的に動くでしょう。
M木:うむうむ。
H野:そういうのが、日本の茶道や華道にも通じるところがあったんだけど、今はそういう人種って少ないでしょう。
M木:なるほど。それはギタリストの手の動きがセクシーなのにも通じますね。
H野:うんうん。そこらへんが分かりやすいっていうのかな。で、みな、そういう古き良き日本人――ここでは日本人女性を、女子十二楽坊のメンバーに見出したというか。
M木:今、ヨン様(ペ・ヨンジュン)とか韓国スターが大人気なのも、そこなんでしょうね!
H野:ああ、そうだね。
M木:汚れてない感じがイイと言われていますよね。
H野:そういうのを追い求める、今の中高年ってパワフルだよね! それで演奏や演技がうまければ、言うことないもん。
M木:圧倒的な何かをそれぞれが発するのではなく、メンバーが調和をとりながらステージを作っているのが印象的でした。
H野:ふむふむ。
M木:戦争とかテロとか、不調和な出来事が多い今、彼女らの調和って、すごくピースな感じがすると思うんです。インストだしメッセージ性のある曲、というのではないけども、平和をイメージさせるというか。
H野:なるほどね。音色は悠久さを表わしてるよね。
M木:はい。ロックバンドになると、どうしてもライヴを引っ張るフロントマンがいますよね? でも女子十二にはそういうポジションの人はいない。
H野:うん。強いて言うなら、日本語で挨拶した琵琶のジャン・シュアンなんだろうけど、彼女が絶対的中心ってわけでもなさそうだしね。
M木:ですよね。
H野:私は、今回で女子十二のライヴを観るのは3回目なのね。1回目は恵比寿でCD購入者の招待制で、日本初お披露目。2回目は今年正月に武道館1日きりで、これは特効もあって、派手なステージ!
M木:花火なども出たって言ったやつですね。
H野:そうそう。で、今回は、初の日本縦断全国ツアーってことで、長距離ランナー的な見せ方をしたかな、と思った。
M木:ほほぉ。
H野:派手さはないけれど、きっちり聴かせてます、という姿勢を感じたかなぁ。
M木:でも、公演途中で、移動時や楽屋風景のオフ映像を流したじゃないですか? ああいう演出はどうでしたか?
H野:うん、面白いよね。約2時間のライヴで、女子十二の曲はインストもの、しかも日本語でコミュニケーションが取りにくい分、ああいう演出で、女子十二のキャラを見せられちゃうと、観客は喜ぶと思うなぁ。
M木:誰と誰が仲良さそう、とか勝手に想像できるし(笑)。ステージ上でのドレスと、オフでの普段着のギャップもいいですよね。
<会場を後にして……>
M木:なんだか身体の毒素が抜けたような……。
H野:おお。女子十二楽坊のデビュー当初のキャッチは「もう、癒されるだけでは元気になれない」だったのよ。
M木:マッサージした後って、癒されるけど、すっきりして元気になるじゃないですか。そんな感じ。
H野:元気になれる=エネルギーをもらう、じゃなくて、毒素を抜く、って手法だね!
M木:自然治癒力を高める音楽ですね!
文●BARKS編集部
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