――そして元旦にはニュー・アルバム『GOOD MUSIC』がリリースされますね。怒涛のシングル・リリースの合間を縫ってレコーディングしてたんですか?
KREVA: いや、合間を縫ってというよりは、9月10月はアルバムの曲を録りましょうって感じでやってたんですけど。
LITTLE: シングルの方も相当時間かかってますからね。カップリングもしっかり作ってきたし。いっぱい曲があったから(7連続リリースを)やったわけではないんですよ。曲がないのに5ヶ月連続でシングル・リリースとか無茶なことを言われ。ひどい話です(笑)。
――前作は「リリックに精神的な部分が表われてる」とか「内省的だ」と言われたりもしましたけど、今回聴かせて頂いて、全然そんなことは思わなくて。
KREVA: 今回はどの曲もテーマがほぼタイトル通りだったから。“「ALL NIGHT LONG」な感じでお願いします”みたいな。括りが緩い分、自由度も高いから前作よりは楽にできたし、今回はホント、ノリですね。
――トラック面で前作との違いってありますか?
KREVA: 前作もサンプリングの割り合いは大きかったけど、今回はほぼ全部サンプリング。だからよりレコード体質なアルバムになってますね。ビート&ライムに戻したというか。それにはDJ TATUSTAが入ってきたのがデカいかもしれないけど。
――ビーツ&ライムに戻そうと思ったきっかけとかあるんですか?
KREVA: CUEZEROのアルバムで顔PASSブラザーズ(KREVA & DJ TATSUTA)ができたんですけど、その時に「ビート&ライムだなぁ」って話をしてて。それがきっかけですかね。DJ TATSUTAってキックならキック、スネアならスネア、ハイハットならハイハットって集めておくんですよ。俺もそれを始めて。2人合わせて何百個とかいっぱいあるキックやスネアの中で、曲に合うものを選んで今回作っていったんです。
――“ノリで”って先程仰ってましたけど、そうなると逆にトータル的なバランスを取るのが難しくなると思うんですけど。
KREVA: いや、トータル的なバランスは絶対取れるっていう自信はあって。全曲、ビート&ライムにプラス一楽器みたいな構成だから、統一感は出るなと思ってたんですよ。だからその点は大丈夫かなと思ってましたね。
――米「The Source」誌の「The Source Hip Hop Music Awards 2003」にもノミネートされましたね。
KREVA: DJ TATSUTAがよくマルコム・マクラーレンの「World’s Famous」を<ダイナマイト>(イベント@池袋bed)の5時~6時くらいによくかけるんですけど、「World Famous!」って言う時にちょっとホントだと思えて、そこを恥ずかしくなく言えるようになって嬉しいなと(笑)。
MCU: 嬉しいけど、どこまで本当に認められてるのかなってのもあるけどね。
――それは向こうの人がきちんとUさんのメッセージを理解しているのかってことですか?
MCU: そうですね。俺はリリックを書く人だから、リリックを重要視してるんで。
――けどフロウだったりとか、スキルみたいなものは伝わるんじゃないですか?
MCU: そうだと思うけどね。だからどこが良かったを教えて欲しい。じゃないとわからないから。
LITTLE: 雄志君(MCU)みたいな気持ちも勿論あるけど、けど俺、こういう仕事してなかったら地元に引き篭もるタイプだし、まるで英語喋れないし。だからそんな状態で台湾の人が俺らを知ってるのはいいなぁと思うし、「The Source」も選んでくれたのは俺らのこと知ってるからだと思うし。だからその事実に浸りたいなと(笑)。