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▲金澤 義(Dr)
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――『MEETING』が初めてのフル・アルバムになるわけですが、最初どのような作品にしようと思われましたか?
金澤: 無理せず、等身大の自分たちを表現するために、比較的最近のライヴで演ってるレパートリーを集めたものにしようと。昔からずっと演ってる曲とか、今ライヴで演ってない曲も存在するんですけど、そういうのを録り直すとなったら、いっぺん、あるイメージを崩してもう一回構築せんとあかんじゃないですか。その時間のかかり方であったり、技量であったり、僕らの許容範囲であるとか。まだ、それを演るにはなぁ…てところで、フレッシュな生まれたばかりの曲たちを入れたものにしようかなと。
――要するに、今ライヴで演ってるノリをパッケージングした感じにしたかったと。そういう意味では、作品とライヴでは近くもあるし、上手く棲み分けもできてるかなって感じがあります。でもスカって、やっぱ南国の音楽なんだなっていうのを改めて思い出させてくれたというか。カリプソとか、スカじゃないテイストの曲も入れてるじゃないですか…。
金澤: メンバーの聴く音楽の趣味が、そっちの方向にどんどんいったんですよ。作ってる最中にね。そういうのがめちゃ露骨に反映されてるかな。
――南国志向になるのは、自分たちの体内的気持ち良さを追求した結果というか、演っても聴いても気持ち良いものを求めるのがあるんでしょうかね?
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| ▲次松大助(Vo) |
次松: そこが曲を詰めるときの選択肢になってますよね。演ってて楽しい or 楽しくない、音楽的に良いことができる o rできてない、が中心になってスタジオで進めていく感じはありますよね。
――日本語詞と英語詞が曲によって使い分けられてますが…。
次松: 特にこだわりはなく、英語詞の曲は逆に聴いてる人に入って欲しくない、音として聴いて欲しいノリやったりとか。あとは曲調が洋楽っぽいからとか。
――曲によっては逆に"昭和”の歌謡曲テイストのものもあったりしますからね。例えば「ムーンリバー」。こっちはその意味で、まさに日本語の方がフィットしますよね。昭和30年代の日本映画の主題歌っぽいというか。洋楽を真似しようとしたらズレちゃって、でもそのズレ方がカッコ良いみたいな。
金澤: やっぱり環境が違うだけで、僕らも作り方はたぶん似てるんですね。当時の日本の音楽を熱心に聴いて”そういう感じで”って作るわけじゃなく、外国にあるリズムを持ってきて、新鮮な気持ちで作り上げるというスタンスがむちゃ似てるなぁと思って。
――ところで、レコーディングはどのぐらいかかったんですか?
次松: レコーディングする前に、実力の底上げを図ろうと、まる2か月間、ほぼ毎日スタジオに入ってたんです。そのあと、実際に録ったのは10日間ぐらいで。
――レコーディングそのものは短かったんですね。スキルアップを目指した2か月で、改善しようと思った点は?
次松: それぞれ個人的な目標を立ててたと思うんですよ。あとは、”これでホンマにアレンジ良いのか”みたいな感じで、みんなで意見をぶつけたりして。
――となるとバンド的には、メンバーそれぞれがどのように曲を解釈してきたかが分かる、最初に音出すときが一番楽しいのでは?
金澤: むっちゃおもろいですねぇ!! でも、そういうときってヴォーカルは鼻歌でしか歌われへんから、結構消化不良みたいなところありそうやな。
次松: あー、でも雰囲気で、ウソ英語で歌ったりしてるんですけど、このメロディにはこういう感じの歌詞にしたいなって響きみたいなものも生まれるから楽しいですよ。
――最後に、今後のThe Miceteethの活動はどのような形で演っていきたいですか?
金澤: 8月のツアーが終わったら次の音源作っていきたいなというのがあって。もう曲作りもボチボチ始めてるんですけど。日本って四季があって、四季に合った音楽を提供するのが”粋”かなと思って。秋だったら秋に合う曲を、冬だったら冬に合う曲を出せていけたらなと。『CONSTANT MUSIC』っていうのが、一番最初のミニ・アルバムのタイトルなんですけど、そのまんまで、コンスタントにずっと作り続けるということが俺らのできることかなって。
――でも、旬のものを提供する場合は即パッケージングしなきゃって課題がありますよね。四季をテーマにすると、タイムラグが生じる(笑)。
金澤: そうですよね(笑)。あらかじめ冬のことを思ってなんてできないですからねぇ。まぁ、そのときに聴いたら気持ち良いかなって音楽があるじゃないですか。これは、彼女と二人で部屋で聴いたら良い音楽やなぁとか…。しかも、それが冬やったらえぇなぁとか。歌詞の内容で言ったら全然バラバラで良いんですけど、そういうノリで曲を作っていけたらなって思いますね。
取材・文●金井 覚
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